PRPとAGA

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この記事の概要

PRP(多血小板血漿)療法は、AGA(男性型脱毛症)の治療として注目されている手法の一つです。AGAは、主に頭頂部や前頭部の毛髪が徐々に細く短くなり、最終的に脱毛していく進行性の脱毛症です。PRP療法では、患者自身の血液から抽出した高濃度の血小板を頭皮に注入することで、毛包の再生を促進し、毛髪の成長サイクルを活性化させることを目指します。

以下は、AGAに対するPRP療法の効果とその作用機序についてです:

  1. 成長因子による毛包の活性化
    PRPには、毛包の細胞成長を促進する成長因子が豊富に含まれており、特に血小板由来成長因子(PDGF)、トランスフォーミング成長因子(TGF)、インスリン様成長因子(IGF)などが頭皮に注入されることで、毛包の活動を高めます。これにより、休止期にある毛包が再び成長期に移行しやすくなります。
  2. 毛髪の成長サイクルの改善
    AGAでは、毛髪の成長サイクルが短縮し、毛が細く短くなる傾向があります。PRPの成長因子は、この成長サイクルを正常に戻す働きを助けるとされています。毛髪の成長期を延長させ、抜けにくくすることで、脱毛を抑えることが期待されます。
  3. 血流改善による毛包の栄養供給
    頭皮の血流が改善されることで、毛包に十分な栄養が供給され、健康な毛髪が成長しやすくなります。PRPの注入が血管新生を促し、頭皮の血流を増加させると報告されており、これにより毛包の健康が維持されやすくなります。
  4. 副作用が少ない
    PRP療法は自己血液由来であるため、異物反応やアレルギーのリスクが低く、AGA患者にも安全に利用できる点が利点です。ただし、効果の持続期間や治療の頻度は個人差があるため、医師と相談しながら治療を進める必要があります。
ヘアセットする男性(悩む)

PRP療法は単独でもAGAに効果が期待できますが、ミノキシジルやフィナステリドなど他のAGA治療薬と併用することで、さらに効果を高めることができます。

記事の監修者


皮膚科専門医

岡 博史 先生