この記事の概要
細胞を1000倍に増殖させるのにかかる時間は、細胞の倍加時間(細胞が2倍に増えるのに要する時間)に依存します。倍加時間は細胞の種類や培養条件によって異なりますが、以下は一般的な計算方法です。
計算方法
- 必要な倍数を決定
1000倍に増やす場合、細胞は10回の倍加を行う必要があります((2^{10} = 1024) なので、ほぼ1000倍) - 倍加時間をかける
倍加時間を (t) 時間とすると、1000倍に増えるのにかかる時間は以下の式で求められます:
倍加時間ごとの例
一般的な倍加時間を用いて、1000倍に増殖するまでの時間を例示します。
倍加時間が24時間の場合(例:ヒトの線維芽細胞)
倍加時間が12時間の場合(例:ヒトの上皮細胞)
倍加時間が1時間の場合(例:一部の細菌など)
実際の培養での注意
細胞は増殖中に栄養やスペースが不足すると増殖速度が低下します。したがって、理論上の計算に加えて、適切な培養条件の維持(培地の交換、スペースの確保など)が必要です。
記事の監修者
皮膚科専門医
岡 博史 先生