ノロウイルス

ノロウイルスとは

ノロウイルスは牡蠣などの貝類に蓄積されており、十分に加熱せず食べると感染を引き起こします。
激しい嘔吐や下痢、発熱をきたす胃腸炎の原因ウイルスで、食中毒を起こすサルモネラ菌やカンピロバクター等の細菌についで多く見られるウイルスです。
秋~春(12~3月がピーク)にかけて流行します。感染力が非常に強く、人から人へは経口、接触、飛沫、空気感染で広がっていき、集団感染を起こしたり、小児にも感染するので、基礎疾患やお子様では重症化する場合があり、注意が必要です。

診断

ノロウイルスに感染すると、激しい嘔吐下痢などの症状があり、感染力が強いので集団感染を引き起こすという特徴から、多くは検査による確定診断は実施されず、その症状や周囲の感染状況からノロウイルスと診断されます。
検査をしないことで、このウイルスによる病気かどうかは特定できませんが、他のウイルス同様に症状に合わせて標準的な対象療法となることから、特に検査をしない場合が多いのです。

症状

  • 潜伏期間半日~2日程度
  • 感染経路飛沫、接触感染
  • 経過発熱、嘔吐、腹痛、下痢

突然の嘔吐で始まることが多く、嘔吐や下痢を繰り返すことが特徴です。飲食摂取が困難となりますので、小さなお子様や高齢者は、様子を見ながらの水分補給が重要になります。
通常、健康なお子様の場合は、2日程度で症状が治まってくるので、重篤な状態になることはまずないと考えて頂いて問題ありません。

治療

ノロウイルスに特効薬はありません。対症療法のみですので、吐き気止めや整腸剤などが処方されますが、下痢は止めてしまうとウイルスが体から排出されないため、下痢止めは使いません。
赤ちゃんが水分を取れずにグッタリしているなどといった場合は、脱水の可能性もありますので、入院が必要になることもあります。
ご家庭では、吐き気や嘔吐がある時は、胃腸が弱っていて飲食物を受け付けないので、一時中止します。乳児もミルクをしばらくやめて、ほしがってもすぐに与えないようにします。
30分~1時間嘔吐がなければ、少しずつ、赤ちゃん用のイオン水などで水分補給し、水分で吐くことがなければ、重湯やおかゆ、柔らかく煮た麺類、バナナなどのフルーツ、 ゼリーやプリンなど消化に良いもの、赤ちゃんはミルクや母乳を少量ずつ、こまめにあげて下さい。再度嘔吐があれば、また最初から始めます。