溶連菌感染症

溶連菌感染症とは

この感染症は、発熱やのどの痛みが主症状で、毎年冬~春に流行します。乳幼児によくみられる病気です。
溶連菌(溶血性連鎖球菌)という細菌が原因となり、複数の種類が存在し、様々な症状を引き起こすことで知られています。
その中でほとんどは「A群溶血性連鎖球菌」が原因で起こります。上気道炎、咽頭炎、皮膚や皮下組織などの感染症の原因菌として有名です。
重症化すると、引き続いて急性糸球体腎炎やリウマチ熱という心臓に大きく影響がある病気を引き起こすことがあるため、経過を注意して見ていく必要があります。

診断

年齢や熱の程度、のどの炎症の程度、舌・体や手足の発疹から溶連菌に感染している疑いがあった時に、のどを綿棒で拭って行う細菌検査(迅速検査:5~10分で結果が出ます)を実施して診断します。
上記の症状に、地域での流行状況などと、典型的な症状が明らかな場合は、それだけで診断することもあります。

症状

  • 潜伏期間10日程度
  • 感染経路飛沫、接触感染
  • 経過喉の痛み、発熱、全身倦怠感、頸部リンパ節腫脹、発疹イチゴ舌(舌に赤いブツブツした発疹ができる)、猩紅熱、膿痂疹(とびひ)、丹毒や蜂窩織炎

特に、お子様での感染には、咽頭炎は70~80%認められます。咳症状は少ないです。
他に、子どもに特徴的な症状が、高熱、のどが真っ赤に腫れて鋭い痛みがある、イチゴ舌、全身の発疹やとびひなどの皮膚症状です。

治療

溶連菌の感染と分かれば、抗菌薬、解熱剤やのどの炎症を抑える薬が処方されます。抗菌薬はよく効くと言われているので、医師の処方どおりに最後まで(5~10日間)必ず飲み切るようにしましょう。
治療を開始して24時間以上経過して、全身状態が良ければ登校(登園)が可能ですが、地域によって判断が異なる場合がありますので、各自治体のHPや保育所や学校にご確認ください。
稀ですが、溶連菌感染後に、リウマチ熱という病気を引き起こすことがあり、抗菌薬をしっかり飲むことが予防になります。
また、急性糸球体腎炎という腎臓に炎症を引き起こす病気を合併するおそれもありますので、2週間から1ヶ月ほどは、発熱や関節痛、発疹の有無、おしっこに血が混じっていないかなど尿の色や足はむくんでいないかといった、 お子様の様子を気をつけて見てあげて下さい。
この間に、上記の症状を認めた際は、速やかに受診をすることをお勧めします。(1か月後に検尿の検査に来ていただくことがあります。)