便秘
便秘とは
便秘とは、硬い便や太い便、大きな便の塊が、通り道をふさいでいる状態のことです。また、肛門の直前につながっている直腸は、柔らかく伸びる性質があります。ここに便がたまると、直腸が伸びてかなりの量のウンチをためることができます。
小さい時にちょっとしたきっかけで便秘になると、直腸に次々と便がたまり、直腸が伸びきった状態になります。
その状態が続くと、便が直腸に届いたという刺激を感じにくくなり、さらに便秘がひどくなったり、その後の慢性便秘に移行してしまったりすることがあります。この直腸が伸びた状態をつくらないことが重要です。
また、便秘になると、ウンチが硬くなり、排便の時に苦痛を感じます。毎日便が出ていても、痛みや出血が見られるようなら便秘の可能性があります。
「便秘の悪循環」をさけるために、便を腸に溜めないようにすることも大切です。
便の性状
正常 | 要注意 | |
---|---|---|
赤ちゃん | お味噌汁くらい | 粘土 |
幼児 | バナナうんち | 3~5㎝ほどの短いうんち 硬くて丸いコロコロうんち |
診断
- 機能性
便秘:多くは食事や生活習慣により起こる、健康な人もなるお子様の多くにも生じる便秘 - 器質性
便秘:腸や神経などの病気が原因で起こり、治療が必要になる
母乳とミルクがうんちに影響がある
母乳はミルクに比べると便秘になりにくいと言われています。同じ量を飲んでいても、母乳はほとんどの成分は吸収されて尿として排出されるため、便の量はすくなくなります。
ミルクや混合授乳の場合や離乳食が始まると、便の性状も変わり、うんちの量も増えていきます。母乳やミルクの量が足りていないと、便秘の原因にもなります。
腸の働きがまだ未熟なので、赤ちゃんは食べ物が上手に消化できません。また、赤ちゃんは腹筋やいきむ力が弱いので、離乳食を始めた時に赤ちゃんのうんちが出にくくなるということはよくあります。
母乳・ミルクの有無、月齢や年齢を考えながら、お子様のうんちの量や性状を見て、便秘がご心配な場合は医師にご相談ください。
便秘になりやすいタイミング
便秘になりやすいタイミングがあります。これは離乳の開始や終了の頃、トイレトレーニングが始まる3歳頃、学校へ通いだした頃です。
幼稚園や保育所に通い始める時期と重なり、環境の変化、ストレスなども影響があると考えられます。トイレに行くタイミングを逃して、我慢してしまうお子様もいるかもしれません。
便秘がちだったりデリケートなお子様はあまり無理をさせず、様子を見ながらトイレトレーニングを進めていけるといいと思います。
治療
便秘かもと悩んだら
うんちが週3回より少ない場合、排便時痛みを訴える場合は便秘の可能性があります。うんちをする時に苦しそうにしていたり、お腹が張って機嫌が悪かったり、母乳を飲まない、嘔吐があるなどの際は、医療機関を受診しましょう。
ガスがたまっている時には、綿棒浣腸で腸の働きを促してガスを出しやすくします。
ただ、2~3日うんちが出ていなくても、赤ちゃんは便秘とは言えません。回数が減っていても、元気があり、体重もしっかり増えていれば心配しすぎる必要はありません。
おうちでできる対策
- 水分不足
-
生後6か月以上の赤ちゃんには食事の時に水をあげる。
離乳食を少し減らしてミルクや母乳量を増やす、フルーツジュースを白湯で薄めてあげてみる。 - 食物繊維の多い野菜果物
- 離乳食にバナナ・リンゴ・みかんや青菜類、イモ類、かぼちゃ、ブロッコリーを取り入れる。
- 綿棒浣腸
- 綿棒の先にベビーオイルやワセリンを塗り、1~2cmほど肛門を刺激優しく数回出し入れする。出るまで無理にやらない。
- お腹のマッサージ
-
おへそ周囲を時計周りにゆっくりと「の」の字を書くようにマッサージする。
おむつ交換や入浴後などに実施。優しく少しお腹がへこむ程度にする。 - 足の前後運動
- 両足を持って、交互にゆっくりと前後に動かす。
プリストルスケール
Type1、2は無理に排出しようとすることで肛門を傷つけることがあります。
Type6、7のような柔らかすぎる便も勢いよく肛門を通過することで肛門を傷つけ、そこから菌が入り細菌感染を起こすこともあります。
肛門に負担をかけないようにするためには、Type3~5のような適度に柔らかい便の状態を保つことが大切です。