半数以上の人が現在プレミアムプランを選ばれています。
ヒロクリニックにはプレミアムとノン・プレミアムプランがあります。その違いは精度の高いMedicover式を使っているかどうかということです。NIPTもさまざまな方式があり、その精度は違います。特に最近開発された微小欠失症候群(指定難病検査)などの小さな欠損を検出するにはMedicover式の技術が必要になります。ヒロクリニックでは提携している東京衛生検査所と共同で検査結果を検証しています。
プレミアム | ノン・プレミアム | |
検査手法 | Medicover式 | Illumina式 |
検査深度 | 100倍 | 0.3倍 |
検査精度 | 0.5Mbまで | 7Mb |
SNPの検出(15万以上) | 可能 | 不可能 |
FFの正確性 | 優(SNPの利用) | 並 |
両者の間でもっともちうのがシークエンスの際の読み込み深度です。一例としてディジョージ症候群に関係する部分の読み込みを見てみます。上がプレミアムプランです。下がベーシックプランです。青の縦軸が高いほど読み込み深度が深くなっています。イルミナ式はどこの場所でも基本的に同じ深さで読んでいます。そのため、深さが出ないのです。試薬の分量は同じなため、広く読むと浅くなってしまいます。
そのため、ベーシックプランでも7Mbの大きさまでの部分欠失重複であれば問題ないのですが、それ以下になると難しいです。7Mbと言われてなかなかわからないと思います。以下に棒グラフをつけますが、21番染色体で46Mbのサイズです。イルミナ式の検査深度が0.3倍でも21、18、13染色体の検出であれば問題はないのです。
しかしながら、この技術のままでは微小欠失を捉えることができません。一番小さくかつ頻度の高いディジョージ症候群(指定難病203)では3Mb以下の欠失が90%以上です。イルミナ式では検出できません。海外で検査をしている微小欠失症候群検査(イルミナの検査)はこちらの手法を使っています。
別のページでも説明しましたが、イルミナ国外検査ではFF(Fetal fraction)10%未満では陽性のものが陰性になってしまうのです。
約半数の症例がFF10%以下です。
また、ベーシックタイプではFFが正しく出ない可能性があります。ここが正確に検出できないと結果がぶれます。イルミナは胎児のcfDNAの長さの違いから統計的にFFを推定していますが、Medicover式はSNPをつかって計測しています。SNPは個人個人違う情報を持っている遺伝子情報であり、父親からもらった胎児のDNAを測ることによってFFを正確に検出することができます。ただ正確に読み込むには最低でも30倍以上の深さが必要になります。そのためMedicover式では読む範囲を狭くして深く読むようにしています。これによってFFが深く読むことができます。東京衛生検査所で測定した両者のFFをグラフにします。これは同一の患者でIllumina方式とMedicover方式がどれほど違うかを示しています。
同一であれば赤の線上に近いところに並ぶはずですが、ばらつきがあります。ばらつき具合を表す相関係数rが1に近づけば同一いうことですが、0.83と精度は完全ではありません。
FFを正しく読むということは胎児と母親の遺伝子を区別するということです。この技術を使うと双胎児の精度が格段に上がります。エコー状で一人の胎児であってもバニッシングツインのことがあります。(バニッシングツインとはもともと二人の胎児だったものが、一人消失してしまう状態です。)NIPT検査を行うと遺伝子情報からバニッシングツインと診断されることもあります。エコー検査をするときにはすでに小さくなっていて見えないことがあるのですが、遺伝子検査でもこれが影響を受けます。この状態であっても、プレミアムプランでは検出することが可能です。
では,Medicoverも完璧かというとそういうことではありません。深いのですが範囲が狭いのです。
なので両者を組み合わせることができれば、死角はかなりなくなります。そこで我々が考えたのはプレミアムプランの中でもFM,GMプランです。両者を組み合わせて正確かつ、広い範囲の検査を可能にしています。下の図の赤いところがGMプラン、緑のところがFMプランです。今回は常染色体劣勢遺伝子検査(+)の話を割愛しますが、これもMedicover検査の一つです。
FM+ほとんどの領域をカバーすることができています。また、生存期間の長いケースをカバーしているのが、GMプランとなります。いずれもプレミアムプランを行うことによってNIPTで検出できるほぼすべての検査を行うことが可能になります。