着床出血、着床痛…着床の症状・サインはいつ出るの?【医師監修】

NIPTの検査結果はいつ分かる?

妊活中、生理の時期にいつもと違う出血や痛みがあれば、それは着床のサインかもしれません。着床は妊娠成立を意味しますので、着床出血や着床痛を疑う症状があれば妊娠の可能性があります。妊娠検査薬でチェックしてみましょう。

妊娠したら15週目までに
NIPTを検討しましょう

妊娠したら15週目までに
NIPTを検討しましょう

この記事のまとめ

着床完了のサインとして、着床出血や着床痛が見られることがありますが、妊娠3週目から1週間ほどで現れることが一般的で必ずしも全員に現れるわけではないです。着床時の症状として、おりものの変化、着床出血、貧血、風邪のような症状が挙げられますが、個人差があり体外受精の場合も通常の着床と症状に違いはありません。妊娠検査薬は妊娠4週目以降が目安で、陽性反応が出たら産婦人科での受診を検討しましょう。ただし、出血がある場合は早めに病院で相談することが重要です。

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はじめに

妊娠を心待ちにしている時期に出血や痛みがあると、心配になりますよね。でもそれは、着床が完了、つまり妊娠が成立したという嬉しいサインかもしれません。今回は着床のサインについて、そもそも着床とは何か、着床した場合にはどんな症状がいつごろ現れるのか、その後どうすれば良いのかなどについて詳しく解説いたします。

着床とは

着床とは、性行為後に精子と卵子が受精してできた受精卵が子宮の表面(子宮内膜)にくっついて根を張り、子宮内膜の中に潜り込むことを言います。着床することで、妊娠が成立します。排卵した卵子が精子と受精すると、受精卵となります。受精卵は細胞分裂を繰り返しながら1週間〜10日位の期間をかけて胚となり、子宮にたどりつきます。順調に受精卵(胚)が育てば、着床後10日前後で妊娠が確認できるようになります。

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着床完了のサインとは

残念ながら、全員に必ず見られる着床完了のサインというものはありません。着床が起こる頃に感じる可能性がある症状はいくつかありますが、無症状だからといって着床していないと言い切ることもできません。

着床完了時に見られるサインとして最も多いものは、着床出血や着床痛などです。これらについては以下で詳しく説明いたします。

着床完了のサインはいつ出る

着床完了のサインは、妊娠3週のはじめごろから1週間ほどの時期に現れます。これは、妊娠週数の数え方と関係があります。

妊娠週数を数えるときには、受精(性行為後)から数えるのではなく、最後の月経が始まった日を0週0日と数えます。月経開始から数えて2週間ほどで排卵が起こりますので、受精した時点ですでに妊娠2週となっています。そこから1週間ほどで着床が起こりますので、臨床研究において着床時点では妊娠3週ということになるのです。

着床時に見られる症状

受精だけでなく、着床時期の女性の体にもさまざまな変化がおこります。ここでは、着床の時期にみられる特徴的な体の変化を解説します。

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おりものの変化

おりものは、ホルモンの影響で量や性状がかわります。受精するとエストロゲンの量が増えるので、おりものの量が増えやすくなります。臨床研究においても、おりものの変化が着床の一因であることが示唆されています。

さらに着床により腟のpHが変わるため、おりものの性状が変わることがあります。色は半透明から乳白色や薄茶色に変わることが多いです。いつもよりも水っぽくサラサラとした白いおりものが出ることもあります。

着床出血

着床のあとに最も起きやすい症状のひとつに「着床出血」があります。臨床研究において、着床出血は着床が完了したことを示す一つのサインとされています。

受精卵が子宮内膜に潜り込む時に、子宮内膜が傷ついてしまうことがあります。そのため着床前後の1〜2日前後という短い期間だけ、少量の出血がみられることがあるのです。臨床研究において、この出血が着床の成功と関連していることが示唆されています。

着床出血とは

着床出血は、着床時に起こる出血のことです。月経の開始予定日とほぼ同じくらい、もしくは少し早いくらいの時期に起こるので、出血を見たときに「生理が来たのかもしれない」と勘違いする方も少なくありません。

着床出血を自覚する人は25%以下といわれています。着床出血がないからといって「着床していない」ということではありません。臨床研究において、この出血の有無は一つの臨床的な要因とされています。

月経との違い

着床出血と月経は同じような時期に起きるので間違いやすいものですが、通常、出血の量や色、持続期間などが異なります。

着床出血の量は月経の時の出血量より少ないことが多いです。色は薄いピンクや茶色ですが、おりものに血液が混じる軽度のこともよくあります。期間については通常1〜2日程度、長引く方でも3〜4日前後と、月経より早く収まるのが特徴です。

ただし、人によっては月経と区別がつかないような真っ赤な血液が出て「いつも通りの生理が来た」と思ったら、それは着床出血で実は妊娠していた、ということもあります。

また、出血量が多い、長く続く、血の塊が混じる、下腹部が痛むなどの症状が見られる時は、流産や子宮外妊娠などの可能性も考えられます。早めに産婦人科で診察を受けましょう。

産婦人科

着床痛

医学的に証明されているものではありませんが、着床時期に感じる痛みを着床痛と呼ぶことがあります。生理痛とは少し違うチクチクピリピリ、ズキンとした腹痛や腰痛を感じる方が多いですが、生理痛と同じような鈍痛である場合もあります。その他、胃痛や恥骨の痛み、さらにお腹や胸の張り・違和感などを感じる方もいます。

貧血

妊娠初期には、立ちくらみやめまいなどを起こすことがあります。これらの症状は、ホルモンバランスの乱れや貧血などが関係しています。症状が強い場合は、早めに病院を受診してみましょう。

風邪のような症状

通常、生理前の基礎体温は「高温期」といって「低温期に比べて0.3〜0.5℃高い状態」です。

生理が起こる直前になると基礎体温は急に下がり、低温期に入ります。

一方、着床が起こり妊娠成立すると、体温の低下は起こらず、高温期が17日以上続きます。この体温の変化は、女性ホルモンであるプロゲステロンが妊娠によって増えることによって起こります。

またプロゲステロンが増えると、眠気やだるさを引き起こすこともあると言われています。着床後になんとなく風邪っぽい、微熱が出る、だるい、寒気といった症状を感じるのはこのためであると考えられています。

情緒不安定

着床時に見られる可能性のある症状の一つに、情緒不安定があります。着床、すなわち妊娠が成立すると、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが増加します。これらのホルモンの影響で、イライラや眠気、気力のなさなど、精神的な症状が出やすくなるのです。

体外受精の着床の場合

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体外受精の妊娠の経過

体外受精では、排卵前の卵子を採取し、体外で精子と受精させます。受精して得られた受精卵を数日培養し、グレードの高い受精卵を子宮内に戻します。

受精卵をどのくらいの期間、体外で培養するかによって、初期胚移植と胚盤胞移植に分けられます。

初期胚を移植した場合

初期胚移植では、受精した胚を2〜3日培養し、2分割から8分割期の初期胚を子宮に戻します。初期胚移植では、移植後4〜5日で子宮内膜に着床し、妊娠が成立します。

胚盤胞を移植した場合

胚盤胞移植では、受精した胚を5〜6日培養し、胚盤胞まで成長した胚を子宮に戻します。移植後1〜2日後に子宮内膜に着床して妊娠が成立します。

通常の着床時と症状の違いはあるの?

体外受精だからといって、通常の着床時と違いがあることはありません。自然妊娠の時と同様に無症状の場合もあれば、着床出血や着床痛が起こることもあります。

体外受精から着床まで気を付けること

性交渉は、子宮収縮を促し着床を妨げる可能性があるので、移植後は控えるようにしましょう。運動に関しては、適度であれば子宮への血液循環を良くし着床を助けるので問題ありませんが、過度な運動は控えるようにしましょう。

胚移植後は、不安な気持ちが出てきたり、ストレスの多い時期ではありますが、普段通りの生活を心がけ、リラックスして過ごすように心がけていきましょう。

着床不全の原因となる子宮内膜炎とは

子宮内膜炎は、子宮の内側の膜におこる炎症のことで、着床不全の原因になると考えられています。症状は、軽い腹痛や性交痛、少量の性器出血で、無症状の場合もあります。

体外受精に複数回チャレンジしても着床に成功しない方は、一度検査を受けてみると良いかもしれません。

妊娠したかなと思ったら

「生理が予定通りに来ない」「着床のサインのような症状がある」など、もしかしたら妊娠したかも、と思ったら、市販の妊娠検査薬でチェックしてみましょう。

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妊娠検査薬を使う時期はいつ?

妊娠検査薬は、月経開始予定日から1週間前後を目安に使います。妊娠検査薬に反応があるのは、妊娠によって出るホルモン(hCG*1)が増える妊娠4週目以降、つまり着床から10日ほど経過してからです。

妊娠3週目などの超初期には陽性反応が出ない場合がほとんどです。検査の実施が早すぎると、本当は妊娠しているのに検査では陰性となってしまうことがあります。早く確かめたい気持ちはよくわかりますが、適切な時期まで待つことが大切です。妊娠検査薬で一度陰性だったとしても、1週間様子を見て生理が始まらないようでしたらもう一度チェックしてみると良いでしょう。

妊娠検査薬で妊娠の陽性反応が出たら、最後の生理がはじまった日から数えて5〜6週を目安に産婦人科を受診しましょう。産婦人科では本当に妊娠しているかどうかはもちろんのこと、例えば子宮外妊娠や流産などの異常妊娠がないかなどについても細かく調べてくれます。
※1 :ヒト絨毛性ゴナドトロピン

「妊娠検査薬が陽性だったのに生理がきた」場合

妊娠検査薬が陽性で少量の出血があった場合、生理(月経)の出血ではなく、上記で述べた着床出血の可能性があります。しかし、出血量が多い場合や血の塊が出てくる場合は着床出血ではなく他の原因もいくつか考えられるため注意が必要です。

そのひとつとして、受精はしたものの着床が続かず、胎嚢(たいのう)が確認される前に流産してしまう「化学(的)流産」があります。妊娠検査薬を使用していなければ、これを生理だと勘違いして流産であると気付かないまま過ごす事も多くあります。

妊娠検査薬陽性後の出血にも様々な原因が考えられるため、出血があった場合は病院への相談、必要に応じて早めに病院を受診するようにしましょう。

妊娠が確定したらNIPT(新型出生前診断)

妊娠が確定したら、NIPT(新型出生前診断)を受ける時期を決めることができます。一般的にNIPT(新型出生前診断)に適しているとされる時期は、エコー検査で妊娠を確認できた後とされています。確定診断である羊水検査は妊娠15週以降に受けられます。中絶が可能な妊娠21週までには全ての検査結果を揃える必要がありますので、妊娠が確定したらすぐにNIPT(新型出生前診断)を受ける日程を決めておくと良いでしょう。

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まとめ

以上、着床について妊娠超初期に感じるさまざまなサインは「まったく感じなかった」という人もいるくらい、軽い症状になることもあります。着床時のサインや妊娠超初期に見られる症状がないから妊娠していないというわけではありません。月経が遅れている時には、妊娠検査薬でチェックすると良いでしょう。

適切なタイミングで妊娠が判明することで、計画的にNIPT(新型出生前診断)や羊水検査をおこなうことができます。計画的にNIPT(新型出生前診断)や羊水検査が行えると、ママにも赤ちゃんにも負担が少なくなります。妊娠したらNIPT(新型出生前診断)を受けたいと考えている方は、適切な検査時期にヒロクリニック NIPTの受診をご検討ください。

【参考文献】

Q&A
よくある質問

ここでは、着床についてのよくあるご質問とその答えを簡単にまとめました。このほかにも気になることがありましたら、お気軽に当院までご相談ください。

  • Q
    無症状でも着床していることがある?
    もちろんあります。上で述べた通り、全ての人に確実にみられる着床完了のサインや症状というものはありません。したがって、全く症状がなくても着床していることは十分あり得ます。

    性交渉の後の月経が予定通り来ない場合、一度妊娠検査薬でチェックをしてみましょう。
  • Q
    受精から着床まで最短で何日?
    受精から着床までは、最短で1週間ほどかかります。

妊活中、生理の時期にいつもと違う出血や痛みがあれば、それは着床のサインかもしれません。着床は妊娠成立を意味しますので、着床出血や着床痛を疑う症状があれば妊娠の可能性があります。妊娠検査薬でチェックしてみましょう。

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

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記事の監修者


岡 博史先生

岡 博史先生

NIPT専門クリニック 医学博士

慶應義塾大学 医学部 卒業

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