妊娠が成立すると一般的に妊娠3週目頃から、妊娠初期症状が現れはじめます。妊娠初期症状は個人差がありますが、妊娠5週目頃で妊娠に気づくケースが多いようです。この記事では妊娠初期に起こる身体の変化やセルフチェックについてを医師が解説します。
この記事のまとめ
妊娠超初期症状とは妊娠2〜3週目頃を指し主な症状には、少量の出血(着床出血)、水っぽいおりものの増加、腹部の違和感、腰痛、吐き気やげっぷの増加、だるさや頭痛、胸の張り、頻尿、便秘または下痢の増加などがあります。これらの症状は個人差がありますが、妊娠を望む方で症状が現れた場合は飲酒や喫煙を控えるとともに、市販薬の使用も注意が必要です。妊娠検査薬でのセルフチェックも可能ですが、正確な結果を得るために適切なタイミングで行うことが大切です。
「生理が遅れている」「胸が張って痛みを感じる」など、いつもと異なる体調の変化は妊娠の可能性も考えられます。個人差はありますが、妊娠初期にはさまざまな妊娠症状が現れるため、簡単なセルフチェックが可能です。妊娠初期症状に当てはまるようであれば、産婦人科で早めの診察を受けましょう。
妊娠超初期症状について
一般的にいう「妊娠超初期症状」とは妊娠2〜3週目頃を指します。医療用語ではありませんが、妊娠によって起こる身体の変化のことです。
妊娠前の最終生理初日を妊娠0週とし、妊娠1週目は卵子が成熟し排卵の準備が始まります。妊娠2週目に排卵日を迎えると「主席卵胞」と呼ばれる卵子が1つだけ排卵され、24時間以内に精子と出会うことができると受精卵となります。
受精卵は元はひとつの細胞ですが、1日1回のペースで細胞分裂を始めます。これを卵割(らんかつ)といい、細胞を増やしながら卵管を通り子宮内膜へと進みます。妊娠3週目に受精卵が子宮内膜へ着床することで妊娠成立となるのです。
妊娠2週目から妊娠3週目の間に起こる身体の不調や違和感こそが「妊娠超初期症状」となります。なお妊娠超初期に妊娠検査薬を使用しても、正しい反応は出ないため注意が必要です。
- 妊娠超初期:妊娠2週〜妊娠3週
- 妊娠初期:妊娠13週6日まで
- 妊娠中期:妊娠14週0日〜27週6日
- 妊娠後期:妊娠28週~(40週0日出産予定日)
妊娠超初期に現れるおもな症状
- 生理よりも少量の出血(着床出血)
- 水っぽいおりものが増加
- 腹痛や張りなど腹部の違和感
- 腰痛
- 胃のもたれに伴う吐き気やげっぷの増加
- だるさや頭痛など風邪に近い症状
- 胸が張る、あるいはチクチクとした痛み
- 頻尿
- 便秘もしくは下痢が増える
- イライラなどの情緒不安定
- 肌荒れや口内炎
- 足がむくむ
- 食欲減退もしくは食欲増進
- 慢性的な眠気
- 嗅覚が敏感になる
- 体温が上がる
妊娠超初期症状には個人差があり、症状はそれぞれ異なります。しかし、妊娠を望む方で上記のような妊娠超初期症状が1つでも現れた際は、飲酒や喫煙はもちろん、市販薬の服薬などは控えましょう。
妊娠初期に分泌される3つの妊娠ホルモン
妊娠成立(着床)後、妊娠初期(妊娠4〜15週目)に現れる症状は、おもに妊娠に関係する3つのホルモン産生や分泌が原因です。妊娠ホルモンにより胎盤や乳腺を整え、胎児の成長を促しながら、出産の準備をおこないます。
hCGホルモン(ヒト絨毛ゴナドトロピン)
hCGホルモン(ヒト絨毛ゴナドトロピン)とは妊娠した女性のみに分泌されるホルモンです。胎児の成長に欠かせないホルモンであり、hCGホルモン(ヒト絨毛ゴナドトロピン)が大量に分泌されることで、妊娠検査薬が陽性を示します。
卵胞ホルモン(エストロゲン)
卵胞ホルモン(エストロゲン)は子宮内膜に厚みをもたせたり、精子の通りを良くするホルモンです。また出産後の母乳分泌のために乳腺を発達させる役割があります。
黄体ホルモン(プロゲステロン)
黄体ホルモン(プロゲステロン)は子宮内膜を受精卵の着床しやすいように整えるホルモンです。妊娠継続を助けるため、基礎体温の上昇や子宮内膜の厚みを維持します。また、妊娠中の食欲増進を引き起こすホルモンでもあります。
基礎体温計で体調管理を
「身体がだるい」「眠気がひどい」など妊娠超初期の症状は、風邪の初期症状にも似ています。そのため妊娠を希望する場合、妊娠の予兆を数値化できる基礎体温計により、日々の体調管理をおこなうと良いでしょう。
妊娠超初期の高温期とは
女性の基礎体温は、生理の始まりから次の生理までの間「低温期(低温相)」と「高温期(高温相)」の2つに分かれます。この基礎体温の変化に関する情報は、臨床研究においても重要な要素となっています。
生理周期が28日の場合、生理が始まり約14日間は基礎体温が低い「低温期」、排卵時期を境に約14日間は「高温期」となります。
しかし妊娠することで、黄体ホルモンの働きにより基礎体温が上がり「高温期」が続きます。体温が上がった状態が約3週間続いた場合、妊娠の可能性が高まるとされています。
基礎体温計で測っていない場合でも、喉の痛みや鼻水がないのに微熱が続く症状があれば妊娠の可能性があるため、注意が必要です。
妊娠検査薬で妊娠セルフチェックを
高温期14日目以降も微熱や身体のほてり、だるさなど症状がある場合は市販の妊娠検査薬を使用して妊娠セルフチェックをおこないましょう。このようなセルフチェックは臨床研究に基づいた方法です。
妊娠が成立するとhCGホルモン(ヒト絨毛ゴナドトロピン)が大量に分泌され、妊娠検査薬はhCGホルモン(ヒト絨毛ゴナドトロピン)の反応により、妊娠の陽性や陰性を検出します。
また妊娠検査薬による妊娠セルフチェックでは「フライング検査」といい、検査のタイミングが早すぎたため、陰性となるケースも少なくありません。慌てず高温期14日目以降に再度検査をおこなってみましょう。
妊娠検査薬に陽性ラインが出たら産婦人科へ
妊娠検査薬に陽性を表すライン(線)が出た際は、妊娠6周目あたりに産婦人科で診察を受けましょう。妊娠検査薬は確定検査ではありません。超音波検査により、胎嚢の中にいる赤ちゃんの心拍を確認して妊娠確定となります。
妊娠が確定したらNIPT(新型出生前診断)
妊娠を望まれていた方にとって妊娠が確定した日から出産を迎えるまで、最も気がかりなことは赤ちゃんの健康状態でしょう。とくに高齢妊娠の場合、胎児の染色体異常やそれにともなう流産リスクが上昇します。
NIPT(新型出生前診断)とは、母体血液のみで胎児の染色体異常による先天性疾患リスクの可能性を検出する検査です。妊娠10週0日より検査が可能で、これまでの出生前診断のように、胎児へ直接的な侵襲(ダメージ)は、ほとんどないとされています。またNIPT(新型出生前診断)は、21トリソミー(ダウン症)の検出において感度・特異度は99.9%と非常に高精度な検査といえるでしょう。
ヒロクリニックNIPTでは染色体の単体検査から、すべての染色体異常リスクを検出する検査など、さまざまなNIPT(新型出生前診断)プランをご用意しております。その他、陽性の可能性を数値化したヒロクリニックNIPT独自の「陽性スコア」なども無料にて、ご提供をおこなっております。
大切な赤ちゃんの健康状態を早期に調べ、健やかな妊娠期間と出産を迎えるためにも、NIPT(新型出生前診断)に精通した専門医在籍のヒロクリニックNIPTに、ぜひ一度ご相談ください。
ヒロクリニックでは臨床研究に基づく最新情報とアフターサポートで、安心して検査を受けるお手伝いをさせていただきます。
(ヒロクリニックでは、お客様の同意を得た上で臨床研究データとして活用しております。)
Q&A
よくある質問
妊娠超初期症状についてよくある質問をいくつかまとめました。参考にしてみてください。
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Q着床出血とは何ですか?着床した場合、高温期7日目の症状として着床出血が起こることがあります。着床出血とは少量の出血が1〜4日ほど続く状態のことで、生理と間違えやすい症状のため注意が必要です。
ただし、着床出血を自覚する人は25%以下といわれています。着床出血がないからといって「着床していない」ということではありません。 -
Q高温期がいつまで続いたら妊娠していると考えられますか?通常、高温期は14日目まで続くとされます。高温期14日目が過ぎて生理が来ると再び低温期となりますが、高温期が14日目を過ぎても続き、微熱などの症状がある場合、妊娠している可能性があります。
しかし高温期14日目に微熱などの症状のない方が、その後の妊娠検査薬で陽性反応となるケースも少なくありません。高温期は人によって前後することもあるので、高温期14日目は目安と考えることが大切です。
また早期妊娠検査薬であれば、高温期12日目には検査が可能とされています。
妊娠が成立すると一般的に妊娠3週目頃から、妊娠初期症状が現れはじめます。妊娠初期症状は個人差がありますが、妊娠5週目頃で妊娠に気づくケースが多いようです。この記事では妊娠初期に起こる身体の変化やセルフチェックについてを医師が解説します。
記事の監修者
岡 博史先生
NIPT専門クリニック 医学博士
慶應義塾大学 医学部 卒業