親子鑑定にSTR以外にSNPも必要ですか?

親子鑑定において、STR(Short Tandem Repeats)は非常に有効で一般的な手法ですが、SNP(Single Nucleotide Polymorphisms)も補助的に使用されることがあります。以下では、STRとSNPの特徴と、それぞれが親子鑑定にどのように役立つかを説明します。

STRとSNPの違い

STR(Short Tandem Repeats)

  • 特徴: STRは2〜6塩基対の短い配列が繰り返されるもので、リピート数が個人ごとに異なるため、非常に多様性が高いです。
  • 利用: 高い変異率と多様性により、法医学や親子鑑定、個人識別に広く利用されています。複数のSTRマーカーを使用することで、親子関係の判定精度は99.99%を超えます。

例えば)

D1S1656は一番染色体にあるTAGAという4つの塩基のならびです。
人には2本の染色体があります。一つはその人の父からもう一つは母からもらった染色体です。

XXXXXXTAGA・TAGA・TAGA・TAGA・TAGA・TAGAXXXXXXXXXXXXX    6個XXXXXXTAGA・TAGA・TAGA・TAGA・XXXXXXXXXXXXX  4個
の組み合わせがあるのです。
その場合、D1S1656 6, 4 と表示します。
Xはランダムな配列を示しています。

SNP(Single Nucleotide Polymorphisms)

  • 特徴: SNPはゲノム中の単一塩基が異なる点で、変異は一塩基レベルの違いです。一般的に、SNPの多様性はSTRほど高くありませんが、ゲノム全体に広く分布しています。
  • 利用: SNPは低い変異率と広い分布により、進化研究、集団遺伝学、疾患関連研究などに利用されます。

例えば)
rs1490413 1番染色体の位置4307263にあるSNPです。
津城個の位置にある塩基はA(アデニン)またはG(グアニン)のいずれかとなります。

親子鑑定におけるSTRとSNPの役割

STRの役割

STRは親子鑑定において主要な手法として利用されます。以下が主な理由です:

  1. 高い多様性: STRのリピート数は個人ごとに異なり、多くの異なるアレルを持つため、個体識別に非常に有効です。
  2. 迅速な解析: PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を用いて迅速に増幅および解析が可能です。
  3. 高い精度: 多くのSTRマーカーを組み合わせることで、親子関係の判定精度は非常に高くなります。

SNPの役割

SNPは親子鑑定において補助的に使用されることがあります。以下がその理由です:

  1. 広範な分布: ゲノム全体に広く分布しているため、特定の遺伝的特徴や関係を補完する情報として利用できます。
  2. 追加の精度向上: STR解析で曖昧な結果が得られた場合、SNP解析を追加することで精度を向上させることができます。
  3. 疾患関連解析: 親子鑑定と同時に、遺伝的疾患のリスク評価やその他の遺伝情報を提供することが可能です。

結論

STRは親子鑑定の主要な手法として非常に有効であり、その高い多様性と迅速な解析能力により、非常に高い精度で親子関係を判定することができます。SNPは主に補助的な役割を果たし、特にSTRだけでは解決できない場合に使用されることがあります。SNPは追加の情報を提供することで、さらに精度を向上させることができます。ヒロクリックでも同様にこの考え方に基づいて出生前親子DNA鑑定を行なっています。

したがって、通常の親子鑑定ではSTRが主に使用されますが、より詳細な解析や追加の情報が必要な場合にはSNPも併用することが有益です。どちらの手法も、それぞれの特性を活かして、親子関係の判定に高い信頼性を提供します。

検査可能妊娠週STRSNP
プレミアムNIPPT6週から59箇所94箇所
NIPPT8週から52箇所0箇所
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