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ヒロクリニックはダウン症候群やディジョージ症候群以外にも116種の微小欠失、重複症候群検査ができます。妊娠10週目から行える簡単な採血で、赤ちゃんの将来に影響を与える可能性のある最も一般的な染色体異常をスクリーニングします。
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①全常染色体全領域部分欠失疾患
②通常
③全常染色体全領域部分重複疾患
④スミス・マギニス症候群
⑤ディジョージ症候群
染色体異常と遺伝性疾患の発生頻度
ダウン症候群 (Down Syndrome) | パトウ症候群 (Patau Syndrome) | エドワーズ症候群 (Edwards Syndrome) | クラインフェルター症候群 (Klinefelter Syndrome) | ターナー症候群 (Turner Syndrome, X0) | ディジョージ症候群 (DiGeorge Syndrome) | シャルコー・マリー・トゥース病 1A型(Charcot-Marie-Tooth Disease Type 1A, CMT1A) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
47,+21 | 47,+13 | 47,+18 | 47,XXY | 45,X | 46,del(22)(q11.2 | 46,dup(17)(p12) | |
推定発生率 (Estimated Incidence) | 0.100~0.319% | 0.020~0.029% | 0.02% | 0.200~0.100% | 0.050~0.040% | 0.014~0.026% | 0.008~0.026% |
Akhtar F, Bokhari SRA. Down Syndrome. [Updated 2023 Aug 8]. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2025 Jan-. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK526016/ Orphanet. (Last updated September 2023). Trisomy 13 syndrome. Reviewed by Pr Alain VERLOES. Retrieved from https://www.orpha.net/en/disease/detail/3378 Williams GM, Brady R. Patau Syndrome. [Updated 2023 Jun 26]. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2025 Jan-. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK538347/ Los E, Leslie SW, Ford GA. Klinefelter Syndrome. [Updated 2023 Nov 12]. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2025 Jan-. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK482314/ Shankar Kikkeri N, Nagalli S. Turner Syndrome. [Updated 2023 Aug 8]. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2025 Jan-. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK554621/ McDonald-McGinn DM, Hain HS, Emanuel BS, et al. 22q11.2 Deletion Syndrome. 1999 Sep 23 [Updated 2024 May 9]. In: Adam MP, Feldman J, Mirzaa GM, et al., editors. GeneReviews® [Internet]. Seattle (WA): University of Washington, Seattle; 1993-2025. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK1523/van Paassen, B.W., van der Kooi, A.J., van Spaendonck-Zwarts, K.Y. et al. PMP22 related neuropathies: Charcot-Marie-Tooth disease type 1A and Hereditary Neuropathy with liability to Pressure Palsies. Orphanet J Rare Dis 9, 38 (2014). https://doi.org/10.1186/1750-1172-9-38
ヒロクリニックの「116種の微小欠失・重複症候群検査」は、胎児の染色体異常を詳しく調べる検査です。この検査では、遺伝情報を広範囲に分析する「全ゲノムシーケンシング(WGS)」という方法を使っています。
具体的には、母体の血液に含まれる胎児由来のDNA(cfDNA)と母体のDNAを取り出し、それぞれを増やして解析します。その際、「ペアエンドシーケンシング」という技術を使い、胎児のDNAと母体のDNAを区別して詳しく調べます。これにより、胎盤や母体に由来する染色体の異常が混ざっている場合でも、より正確に異常を検出でき、誤って「異常あり」と判定されるリスク(偽陽性)を減らすことができます。
また、この検査では、「Zスコア閾値」という基準を使って厳密に分析を行います。一般的なNIPT(新型出生前診断)の中には、一部の遺伝的特徴(SNP)に影響されやすいものもありますが、本検査ではその影響を受けにくく、公平で信頼性の高い結果を提供できます。
検査は妊娠10週目から受けられ、胎児の性別判定の精度は99.9%です。検査の分析は、アメリカの厳しい基準(CLIAやCAPの認定)を満たした専門の検査機関で行われています。
それでは、「微小欠失・重複」と「部分欠失・重複」の違いについて説明します。「微小」は、小さな異常(約200万~500万塩基の欠失・重複)を調べるものです。より細かく分析できますが、特定の異常に限定されます。一方、「部分」は700万塩基以上の大きな異常を調べるもので、すべての染色体を対象に広く異常を検出できます。それぞれに長所と短所があり、目的に応じた検査の選択が重要です。
両者の違い | 微小欠失重複(このページで説明) | 部分欠失重複(別のページで説明) |
疾患数 | 最大116種類検査可能 | ほぼ無限 |
検査範囲 | 最小50万塩基まで検出可 | 700万塩基以上のみ検出 |
範囲 | 最大116箇所の部分のみ | 常染色体 |
報告書記載 | 対応した疾患名 | 関連した遺伝子から推定される疾患名 |
116種の微小欠失、重複症候群検査
165,000円(税込)
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アメリカ産婦人科学会(ACOG)は、
母体年齢に関係なく、すべての女性に胎児の
遺伝的疾患に対する
染色体異常スクリーニングを提供することを推奨しています。
染色体異常を持つ赤ちゃんを出産するリスクは年齢とともに増加しますが、ダウン症の赤ちゃんの大多数は35歳未満の女性から生まれています。遺伝的疾患は家族内で遺伝することがありますが、ダウン症のような疾患はどの妊娠にも起こり得ます。
従来の母体マーカーを基にした出生前検査(例えば、トリプルテスト、クアッドテスト、統合テストなど)は、5%以上の高い偽陽性率を持っています。つまり、これらの検査で高リスクと診断された人々のうち、実際にダウン症であるのはわずか2~3%に過ぎません。残りの人々は完全に正常でありながら、高リスク群に誤って分類されてしまっているのです。
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あなたの血液サンプルは、インドネシアの完全に認定された実験室で検査されます。
この実験室は、世界クラスの多くのゴールドスタンダードによって認められています。
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116種類の微小欠失、重複症候群リスト
116種類の微小欠失、重複症候群はヒロクリニックで検査可能な一覧です。海外での検査になるため、海外の検査所に到着後から2週間程度の時間が掛かります。これだけの数の微小欠失・重複症候群が知られべられるのはこのオプションだけになります。
Q.この検査で21個のZスコアが利用されていますが、Zスコアとは何ですか?
A. Zスコアとは、あるデータが「普通の範囲」からどれくらい外れているかを示す数字のことです。たとえば、あなたがテストを受けたとして、普通の点数(平均)と比べて自分の点数がどれくらい良かったか、または悪かったかを計算する方法の一つです。
ここでの「データ」は、実際には生物の「遺伝子」や「タンパク質」といった情報です。これらの情報同士がどれくらい似ているかを計算するのにZスコアが使われます。
例えば、遺伝子やタンパク質の配列(並び方)が似ているかどうかを調べたい時に、Zスコアを使って、どれくらい「特別な一致」なのかを知ることができます。これを使うと、遺伝子やタンパク質が本当に似ているのか、それともただの偶然なのかを判断できるわけです。
簡単な例で言うと:
- もしサイコロを100回振って、「1の目」が30回出たとしましょう。普通なら1が出る確率は1/6、つまり16回くらい出るはずです。それが30回出たなら、「これは偶然じゃないかもしれない」と思うはずです。Zスコアは、こんな感じで「偶然の範囲を超えているかどうか」を教えてくれるものです。
どうやって計算するか?
- まず、比較したい二つの配列(遺伝子やタンパク質の並び)を比べます。
- 次に、片方をランダムに並べ替え(シャッフル)て、その新しい並びと比較します。
- この「シャッフルして比較」の作業をたくさん繰り返して、どれくらい「普通の比較」ができるかの基準を作ります。
- 最後に、実際の配列のスコアがこの基準と比べてどれくらい高いか、または低いかを計算してZスコアが出ます。
Zスコアの良いところは?
- Zスコアは「データベースが大きいか小さいか」に関係なく、正しく比較できることです。例えば、遺伝子を比べるデータベースが大きければE値という別の方法で計算しますが、E値はデータベースが大きければ大きいほど結果が変わってしまいます。しかし、Zスコアはデータベースの大きさに影響されません。これにより、どんなデータベースを使っても安定した結果を得ることができます。
Zスコアは、遺伝子やタンパク質の配列がどれくらい似ているかを評価するための方法です。この方法を使うことで、偶然に過ぎない一致か、それとも本当に意味のある一致なのかを見極めることができます。そして、データベースの大きさに関係なく正確に比較できるため、大規模な研究にも非常に便利です。
Hulsen, T., de Vlieg, J., Leunissen, J. A., & Groenen, P. M. (2006). Testing statistical significance scores of sequence comparison methods with structure similarity. BMC bioinformatics, 7, 444. https://doi.org/10.1186/1471-2105-7-444