体外受精とは?気になるポイントを詳しく解説します【医師監修】

体外受精とは?気になるポイントを詳しく解説します 受精 イラスト

近年、不妊治療として注目されているのが「体外受精」です。昔は、「試験管ベビー」とネガティブな印象がありましたが、晩婚化の進む今、体外受精をする夫婦が増えています。そこで今回は、体外受精の流れや費用、成功率などについて紹介します。

妊娠したら15週目までに
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出生前診断が税込4.5万~26.4万円

体外受精って何?

体外受精とは不妊治療のひとつで、排卵直前に体内から取り出した卵子を体外で精子と受精させる治療を指します。

そもそも不妊治療では、検査し、原因が特定できたら、その原因となる病気を治療していきます。

その後、「人工授精」「体外受精」「顕微授精」「男性に対する治療」などを行っていきます。

体外受精って何?

体外受精のスケジュールとは?

「体外受精は何回も受ける必要があるの?」と疑問を持つ人は少なくありません。

そこで体外受精は、どのようなスケジュールで行っていくのか見てみましょう。

結論から言えば、体外受精をすると決めてから妊娠に至るまで、約1~2か月かかります。しかし、1回目の採卵と胚移植で妊娠できなかった場合には、さらに期間が延びることがあります。

基本的なステップが次の6つです。

  1. 排卵を誘発する
  2. 採卵する
  3. 体外受精をする
  4. 胚移植する
  5. 培養する
  6. 妊娠判定する

1.排卵を促す

生理開始3日目~10日目頃に、排卵を促すお薬を使います。

排卵誘発法には、「完全自然排卵周期」、「低刺激」、「中刺激」、「高刺激」などがあり、一人ひとりの卵巣の状態を診察しながら、排卵誘発剤を使い分けるとされています。

2.採卵する

生理開始11日目~14日目頃に、卵子を採取します。

超音波ガイド下により採卵針と呼ばれる専用のニードル(針)を腟内に挿入、卵巣を穿刺し卵子の採取を行います。

この時、採卵針のニードルの太さによっては痛みを感じるケースも少なくありません。また穿刺による痛みを軽減するため麻酔の使用も可能であることから、痛みに弱い方は事前に医師に相談すると良いでしょう。

採卵時にパートナーは、別室にて精液の採取を行います。

3.体外受精

受精方法は「コンベンショナルIVF 」「レスキューICSI」「顕微授精」「スプリットICSI」の4通りがあります。

それぞれにメリットとデメリットがあり、また費用も異なりますが、通常は「コンベンショナルIVF」で自然に受精させる方法を取ります。

そして、受精してできた受精卵は、細胞分裂を起こし、「胚」になります。

胚はさらに細胞分裂して育っていきます。

4.培養する

体外受精を行った後、インキュベーター内で2~6日間、培養を行います。

卵巣刺激法の種類、ホルモン値、子宮内膜の厚さなどを診断したのち、採卵した周期に胚移植が行われます。

5.胚移植

育てた胚を、胚移植用のカテーテルを子宮腔内に進めて、胚を子宮に移植します。

胚移植には、採卵した周期の新鮮胚(分割期胚または胚盤胞)を使用する場合と、凍結融解した胚(分割期胚または胚盤胞)を使用する場合があります。

胚移植することで、妊娠へと導きます。

6.妊娠判定

胚移植から7~10日後に、いよいよ妊娠判定が行われます。

採血で、妊娠により増えるhCGホルモンを測ることで、妊娠しているかが確認できます。

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体外受精の妊娠成功率は?

ここまできて気なることは、体外受精の妊娠成功率です。

2018年日本産科婦人科学会の発表を年齢別でみると、胚移植当たりの生産率(出産率)は30歳で34%、35歳で30%、40歳で17%、45歳で2.8%となっており、年齢がすすむに連れて、生産率が下がっていることがわかります。

これは年齢の上昇に伴い卵子の数が減少し、卵子の質が低下することから、赤ちゃんの染色体異常を引き起こすためと言われています。

これらのことから、30代前半と30代後半から40代を比較すると、体外受精による妊娠成功率は半減してしまいます。妊娠成功率を上げるためには、少しでも早い時期に体外受精を検討すると良いでしょう。

体外受精の妊娠成功率は?

体外受精のリスクはあるの?

次に気になることと言えば、体外受精によるリスクです。

「何歳までに受ければいいの?」と疑問を持つ人は少なくないでしょう。

体外受精のリスクには、卵巣誘発剤(卵巣を刺激する薬や、排卵を促す薬など)によるリスクや副作用があります。

また、薬を使うことで、卵巣機能が低下すると言われますが、医師の指示通りに服用していれば、それらのリスクは少ないと言えるでしょう。

お薬の種類や用量、投与するタイミングなどは医師の診察により行われるので、その指示にしたがいましょう。

体外受精にかかる費用は?

厚生労働省の調査によれば、体外受精1回の平均費用は約50万円と公表しています。

高額な理由は特例を除き、体外受精にかかる治療費は、保険の適用はなく全額負担となってしまうからです。

※2022年に不妊治療が保険適用の予定

体外受精は医療機関により費用が異なることから、体外受精・胚移植を行う医療機関で事前に確認を行いましょう。

また、このような高額治療費に対して、国からの助成制度があり、1回の体外受精を数万円に抑えることができます。体外受精を行う医療機関の窓口などで、必要な費用を問い合わせてみましょう。

では、国からの助成金制度には、具体的にどんなものがあり、何回目まで補助が受けられるのでしょうか。

現在の助成金制度は、助成額が1回30万円の補助。

助成回数が1子ごと6回まで(40~43歳未満は3回)。

対象年齢は、妻の年齢が43歳未満といった条件です。

30万円の補助があれば、体外受精にかかる費用がかなり抑えられるので、体外受精のハードルは低くなるでしょう。

体外受精はどこで受けるの?

では、体外受精はどんな施設でも受けることができるのでしょうか?

実のところ、体外受精は、「体外受精・胚移植に関する登録医療施設」でしか受けることができません。

「日本産科婦人科学会のホームページ」で、自分の住んでいる地域の登録医療施設が載っているので、事前に確認を行いましょう。

体外受精に年齢制限はあるの?

体外受精に年齢制限といった決まりはありません。しかし、先述したように、体外受精の成功率は、30代を境に確率が下がっていきます。

さらに妊娠率が下がれば、それに伴い費用もかかってしまうので、もし不妊で悩んでいるとしたら、何より早い決断が必要になってくるでしょう。

また体外受精や胚移植などの治療を「高度生殖補助医療Assisted Reproductive  Technology」略して「ART」と呼びます。

日本産科婦人科学会が公表している、「2017年ART妊娠率」によると、30歳では45%ほど。

40歳では、25%強ほど。

41歳では、25%弱。

43歳ではなんと15%ほどと、確率が低くなってしまうので、やはり早めの治療が妊娠成功率を高めるでしょう。

体外受精に成功したら

体外受精に成功し、念願の赤ちゃんを授かることができたとしても、多くのお母さんとそのご家族は赤ちゃんの先天性疾患や、染色体異常症を不安に思われる方は少なくありません。

これまで赤ちゃんの先天性疾患、そして染色体異常症を調べる出生前診断は「羊水検査」や「絨毛検査」が行われてきました。しかし羊水検査は約0.3%、絨毛検査は約1%の流産リスクがあると言われています。

これらの流産リスクを避けるために、現在は母体と胎児へのダメージが少ない「NIPT(新型出生前診断)」を選ぶ方が増えているとされます。

NIPT(新型出生前診断)とは、お母さんから採血した血液から「胎児の染色体異常を調べる検査」のことです。

これを受けることで、生まれてくる赤ちゃんの状態を知ることができ、万が一に対応することができます。

従来の血液による出生前診断と比較して、感度・特異度があり、検査自体の精度が高いのが特徴です。

非侵襲的出生前診断
新型出生前診断(NIPT)とは、「お母さんから採血した血液から胎児の、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、1...

体外受精妊娠後に行うNIPT(新型出生前診断)のメリットとは

NIPT(新型出生前診断)とは、お母さんの腕から採血を行うことで赤ちゃんの染色体異常症を知らべる検査のことです。これまでの出生前診断である、羊水検査や絨毛検査のように、母体腹部への注射針による穿刺または経膣からの絨毛組織採取などは行いません。これらのことから、お母さんと赤ちゃんへの直接的な侵襲(ダメージ)は非常に少なく安全性の高い検査と言えるでしょう。

NIPT(新型出生前診断)以前も、お母さんの血液のみで赤ちゃんの染色体異常症などを検査する出生前診断「母体血清マーカー」がありました。

羊水検査(確定的検査)

●検査週数:妊娠15〜16週から

●検査法:母体腹部から穿刺による細胞採取

●対象疾患:21トリソミー(ダウン症候群)18トリソミー(エドワーズ症候群)13トリソミー(パトウ症候群)ターナー症候群(モノソミーX)トリプルエックス症候群(トリソミーX)クラインフェルター症候群など。部分欠失・重複

●検査精度:約99%

NIPT(新型出生前診断)と羊水検査の違いとリスクについて【医師監修】
出生前診断とはダウン症(21トリソミー)など、胎児の染色体異常による先天性疾患リスクの有無を調べる検査です。本記事では低侵襲かつ高精度なスク...

絨毛検査(確定的検査)

●検査週数:妊娠10〜13週から

●検査法:母体腹部から穿刺もしくは経膣にて細胞採取

●対象疾患:21トリソミー(ダウン症候群)18トリソミー(エドワーズ症候群)13トリソミー(パトウ症候群)ターナー症候群(モノソミーX)トリプルエックス症候群(トリソミーX)クラインフェルター症候群など。部分欠失・重複

●検査精度:約99%

※絨毛検査では約1%の割合で胎盤性モザイクが発症する可能性がある

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母体血清マーカーとは

●検査週数:妊娠15〜16週から

●検査法:母体より採血

●対象疾患:21トリソミー(ダウン症候群)18トリソミー(エドワーズ症候群)・神経管閉鎖不全症(脳や脊椎、脊髄に生じる先天異常の一種)

●検査精度(非確定的検査):約83%

NIPT(新型出生前診断)

●検査週数:妊娠10週から

●検査法:母体より採血

●対象疾患:21トリソミー(ダウン症候群)18トリソミー(エドワーズ症候群)13トリソミー(パトウ症候群)・全染色体検査・性染色体・部分欠失・重複疾患

●検査精度(非確定的検査):約99.1%

NIPT(新型出生前検査)でわかる疾患
ヒロクリニックのNIPTは、胎児の染色体の数の異常の他、全常染色体全領域部分欠失疾患や全常染色体全領域部分重複疾患、微小欠失症候群といった染...

母体と胎児への影響が少なく高精度なNIPT(新型出生前診断)

NIPT(新型出生前診断)は、これまで行われてきた出生前診断と比べ安全性が非常に高く、また染色体異常症などの確率を高精度に調べることが可能な検査といえるでしょう。

体外受精によるストレスが与える母体と胎児への影響

体外受精(不妊治療)を受けている女性の環境実態調査によると、約67%の女性が不妊治療に対するストレスを感じていると答え、中でも経済的負担感に対するストレスは約90%との報告があります。体外受精(不妊治療)によるストレスはもちろん経済負担だけでなく、パートナーとの関係性や、職場への理解など様々でしょう。

”ストレス”とは元は物理学で使われている言葉で「外部からかかる力による物質のひずみ」を意味します。また、ストレスを感じると血圧が上がることから高血圧を招くともされ、体外受精により妊娠したとしても、妊娠高血圧症候群を引き起こしやすくなる、酸素が届きにくくなり胎児の発育が遅れてしまうといったリスクを招く恐れがあるとされます。

これらのことから健康的な妊娠・出産を迎えるためにも、妊娠前よりなるべくストレスを受けにくい環境に整え、リラックスした日々を送ることが大切です。

体外受精と染色体異常の発症率は無関係

体外受精(生殖補助医療:ART) の歴史は1978年から始まりました。それから約40年以上の間に体外受精胚移植の医療技術は目覚ましい進歩を遂げたと言えるでしょう。そして、その間に多くの議論がかわされたことの一つとして「体外受精による胎児の染色体への影響」が挙げられます。

しかし、これまでの調査によると自然妊娠と比較しても、体外受精等ARTによる妊娠で染色体異常症や先天性心疾患リスクが上昇するという結果には至りませんでした。胎児の染色体異常症や先天性心疾患を引き起こす要因は様々ですが、今後の研究と医療の発展により多くが解明され、また着床率も向上するといえるでしょう。

体外受精(生殖補助医療:ART)による胎児の染色体異常症や、先天性心疾患の影響はないとされています。一方、生殖補助医療の中で体外受精は妊娠率を高めることを目的として、複数個の受精卵を子宮に移植することから、複数個着床して多胎が生じやすいと言えるでしょう。

ヒロクリニックNIPTでは双胎児へのNIPT(新型出生前診断)が可能

多くは双胎児(双子)へのNIPT(新型出生前診断)を受け付けていません。また受け付けていたとしても、双胎児のNIPT(新型出生前診断)21トリソミー(ダウン症候群)18トリソミー(エドワーズ症候群)13トリソミー(パトウ症候群)のみの検出とすることも少なくありません。

ヒロクリニックNIPTは「お母さんとそのご家族が知る権利」を最も大切にしております。これらのことから、双胎児のNIPT(新型出生前診断)についても、全染色体異数性および全常染色体全領域部分欠失や重複の検査をしっかりと行います。

またヒロクリニックNIPTでは、妊娠初期に死亡した胎児が子宮に吸収されるバニシングツインとなった場合でも、NIPT(新型出生前診断)による検査を行っております。双胎児やバニシングツインについて分からないことがありましたら、ヒロクリニックNIPTスタッフや医師にご相談ください。 

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不妊治療が公的医療保険の適用になる

これまでの不妊治療(生殖補助医療)は治療と疾病の関係が明らかであり、治療の安全性および有効性が確率しているもの以外は、公的健康保険の適用外とされ、すべて自費診療として行われてきました。

しかし、少子化社会対策の一環として、2020年5月不妊治療への保険適用が閣議決定され、2022年より保険適用を実現することとされています。

これまで体外受精などの高額な不妊治療費用の負担が重く、受けたくてもNIPT(新型出生前診断)を受けることができないと言った声も多くあります。不妊治療が保険適用となり、費用負担が軽減され、一人でも多くの方にNIPT(新型出生前診断)を受けていただき、より健康的な妊娠期間と、出産を迎えていただくことがヒロクリニックNIPTの願いでもあります。

ヒロクリニックNIPTの選べるNIPT(新型出生前診断)プラン

一般的に高額であるNIPT(新型出生前診断)。しかし、ヒロクリニックNIPTでは費用を理由に検査をあきらめてしまう方のために48,800円(税別)から行えるNIPT(新型出生前診断)プランをご用意いたしました。

「お母さんとご家族が知る権利」を何より大切に想うヒロクリニックNIPT。独自のNIPT(新型出生前診断)プランは、これまで行われた膨大なNIPT(新型出生前診断)の検査データを元に、効率よく適切な検査内容となっております。年齢やご予算など、ぜひ一度ヒロクリニックNIPTにご相談ください。

体外受精とは?気になるポイントを詳しく解説します【医師監修】
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NIPT(新型出生前診断)で陽性診断の場合

ヒロクリニックNIPTでは体外受精などの不妊治療のすえに妊娠し、NIPT(新型出生前診断)を受けるお母さん方が多くいらっしゃいます。しかしその後、NIPT(新型出生前診断)で陽性の診断となった場合、確定的検査である羊水検査を行うかを決めなくてはなりません。

羊水検査も保険適用外であることから、高額な費用はすべて自費となってしまいます。不妊治療の費用から始まり、羊水検査費用まで捻出することは大き過ぎる費用負担といえるでしょう。

ヒロクリニックNIPTでは羊水検査を最大20万円(税込)補助する羊水検査サポート制度を設けております。予約などはすべてインターネット、効率の良いNIPT(新型出生前診断)プラン、そしてヒロクリニックNIPT羊水検査サポートによる羊水検査費用補助。一人でも多くのお母さんが健康的な出産の日を迎えられるために、ヒロクリニックNIPTではNIPT(新型出生前診断)に関するご不安や質問に真摯にお答えいたします。

まとめ

今回は、体外受精のステップや費用について解説しました。

体外受精は多くの時間や費用がかかってしまいますが、「子供が欲しい」と願うご夫婦にとっては、希望の光となるでしょう。

また2022年より、これまで費用が自己負担とされていた不妊治療が保険適用とされます。もちろん体外受精を含む不妊治療は、心と身体に負担を感じることでしょう。しかし、待ち望んだ妊娠と出産は何事にも代えがたい喜びであると思います。ヒロクリニックNIPTは、お母さんと赤ちゃんの健康のために、これからもより良いNIPT(新型出生前診断)をご提供いたします。

【参考文献】

近年、不妊治療として注目されているのが「体外受精」です。昔は、「試験管ベビー」とネガティブな印象がありましたが、晩婚化の進む今、体外受精をする夫婦が増えています。そこで今回は、体外受精の流れや費用、成功率などについて紹介します。

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

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記事の監修者


岡 博史先生

岡 博史先生

NIPT専門クリニック 医学博士

慶應義塾大学 医学部 卒業

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