原発性高シュウ酸尿症3型 

原発性高シュウ酸尿症3型 原発性高シュウ酸尿症3型 

概要

原発性高シュウ酸尿症3型(PH3)は、小児期または青年期に始まるシュウ酸カルシウム結石の再発と、腎石灰化症または腎機能の低下を特徴とします。

PH3結石形成のある人の50%-65%は、5歳より前に発症します。

石の活動の頻度と重症度は、青年期と成人期によって落ち着くように見えることがよくありますが、石の形成は生涯を通じて発生する可能性があり、一部の成人は多くの石を持っています。

現在まで、全身性オキサロシスはPH3で報告されていません。

他の臓器に影響を与える可能性のあるPH1やPH2とは異なり、PH3でのシュウ酸塩の蓄積は腎臓のみとなります。

疫学

PH症例の約10%はPH3となります。

人口におけるPH3の発生率は165,000人の出生に1人です。

原因

PH3は劣性遺伝疾患です。HOGA1遺伝子の有害な遺伝的変化(突然変異)によって引き起こされます。

HOGA1遺伝子であれば当院のN-advance FM+プランN-advance GM+プランで検査が可能となっております。

症状

腎臓結石を発症するリスクが高くなります。

症状は乳児期から成人期までいつでも発症する可能性があります。罹患した場合約50%が5歳までに腎結石を発症しますが、多くの人は成人期までに腎臓結石の発生率が低下します。成人になるまで症状が出ない人もいます。

頻繁な腎結石は腎臓機能に影響を与える可能性がありますが、ただし、PH3の患者が腎不全に進行することはめったにありません。

診断

以下の所見から診断します。

  • シュウ酸カルシウム腎結石または腎石灰化症
  • シュウ酸尿> 0.7 mmol / 1.73 m 2/24時間(腎機能が維持されている患者)
  • 血漿シュウ酸塩濃度の上昇(特に腎機能が低下している患者)
  • HOGA1の二対立遺伝子(ホモ接合または複合ヘテロ接合)病原性多様体

治療

主にシュウ酸カルシウムの形成と沈着を防ぐことを目的としています。シュウ酸塩レベルを下げ、腎臓結石の形成を抑制するのに役立つ薬やビタミンを内服することがあります。

シュウ酸塩を多く含む食品の食事制限を行うこともあります。

予後

患者の多くは、成人期に達すると腎臓結石の形成が減少します。

ほとんどの人の場合で腎臓の移植は必要なく、腎不全への進行の報告はほとんどありません。

【参考文献】