若年性網膜剥離症

若年性網膜剥離症若年性網膜剥離症

概要

強度近視眼では眼球の後部だけが局所的に後方へプクっとふくれたようないびつな形をしていることが多く、網膜の前面に膜が張り付いて網膜を前方へひっぱることがあります。その結果、網膜に負担がかかり網膜が前後に裂けて(分離して)しまうことがあり、これを網膜分離といいます。

網膜分離がさらに進行すると網膜が奥の組織から剥がれて黄斑剥離という状態になります。網膜の中心部はうすくなっていて弱いので、ここにあながあいてしまうと黄斑円孔網膜剥離と呼ばれる治癒が困難な状態になります。これらの一連の状態をまとめて網膜分離症(近視性牽引黄斑症)といいます。

PEX2遺伝子であれば当院のN-advance FM+プランN-advance GM+プランで検査が可能となっております。

症状

人間の眼はよくカメラにたとえられます。眼の中の網膜という組織はカメラで言うとフィルムに当たり、網膜に投影された像をもとに情報が頭の中に伝わっていきます。網膜の中心付近を黄斑といい、文字を読んだり、細かいものを認識したりするのに特に大切な役割をしています。

網膜分離症では進行してくると黄斑が障害され、ゆがみ(変視)や、光を感じない部分(暗点)を自覚するようになり視力が低下します。通常は進行がゆっくりなため気付かないうちに進行し、眼科に行って初めて指摘されることもあります。ただ、状況によっては数週間で進行することもあります。

治療

現在のところ分離した網膜の修復や進行を止めるための確立した治療方法はありません。試みられている点眼薬がありますが、まだ十分な治療成績は得られていません。網膜剥離や眼内出血を合併した場合には手術が検討されます。併発症の早期発見を目的に定期的に診察を受けることが重要です。

【参考文献】

日本小児眼科学会 – 若年性網膜剝離