ペルオキシソームアシルCoAオキシダーゼ欠損症

ペルオキシソームアシルCoAオキシダーゼ欠損症ペルオキシソームアシルCoAオキシダーゼ欠損症

概要

ペルオキシソーム病は、ペルオキシソーム代謝系の異常により、中枢神経系を中心としてさまざまな臓器に障害をきたす遺伝子疾患で、15の疾患に分類されています。

ペルオキシソームアシルCoAオキシダーゼ欠損症症(Acyl-CoA Oxidase I Deficiency)は、ペルオキシソーム病の15の疾患のうちの一つで、神経系機能の重大な損傷と悪化を引き起こすまれな疾患です。
これは、ペルオキシソーム直鎖アシルCoAオキシダーゼ(ACOX1)と呼ばれる酵素の産生をコードするACOX1の多様な病原性よって引き起こされます。ACOX1は、超長鎖脂肪酸(VLCFA)の分解に関与している酵素です。

原因

アシルCoAオキシダーゼ欠損症は、 ACOX1の2対立遺伝子性病原性多様体によって引き起こされる常染色体劣性疾患です。この遺伝子は、VLCFAの分解に関与するペルオキシソーム直鎖アシルCoAオキシダーゼと呼ばれる酵素の産生をコードします。

ACOX1遺伝子であれば当院のN-advance FM+プランN-advance GM+プランで検査が可能となっております。
原因
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症状

筋緊張低下、新生児反射の欠如、間隔の広い目、耳介低位、額の異常な大きさなどの異常な顔の特徴があります。病気の性質により、VLCFAの蓄積において、症状は時間とともに徐々に悪化します。

診断

家族歴・臨床的疑いに基づいて、出生前と出生後の両方で行うことができます。
出生前診断では、 羊水中のVLCFAの異常な上昇と、線維芽細胞におけるアシルCoAオキシダーゼの存在の減少(または場合によっては完全な欠如)を調べます。また、家族歴において原因となる変異がわかっている場合は、分子検査によって出生前診断を行うことができます。
出生後では、血液サンプルを採取し、VLCFAの血清レベル、およびアシルCoAオキシダーゼ活性を評価することで診断されます。

治療法

アシルCoAオキシダーゼ欠損症に治療法はありません。症状の緩和を目的とした薬剤、理学療法などの対症療法となります。

予後

アシルCoAオキシダーゼ欠損症の人の平均余命は5年とされています。