陣痛で救急車は呼んでいい?緊急性の高い症状や妊婦の救急対応について紹介【医師監修】

救急車 東京消防庁 写真

ヒロクリニックが提供する、妊婦の緊急事態に対する対応ガイド。陣痛や破水が起こった際の医療機関への移動手段や緊急時の処置方法を詳しく解説。

妊娠したら15週目までに
NIPTを検討しましょう

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この記事のまとめ

いざ陣痛が起こったり破水が発生したりした場合、落ち着いて対応することが大切です。本記事では、妊娠中に発生しやすいトラブルや感染症を紹介するとともに陣痛・破水が起こった時の医療機関への移動手段、緊急時の対処方法などを紹介します。

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妊娠中は、出産するまでさまざまな不安がつきものです。妊娠中にはさまざまな感染症やトラブル発生の可能性があります。また、いざ陣痛が起こったり破水が発生したりした場合、パニックにならず落ち着いて対応することが大切です。

本記事では、妊娠中に発生しやすいトラブルや感染症を紹介するとともに陣痛・破水が起こった時の医療機関への移動手段、緊急時の対処方法などを紹介します。いざ出産となったときに慌てず対処できるよう、事前に移動手段や緊急時の対応について理解を深めましょう。

妊娠中に発生しやすいトラブル

妊娠中にはさまざまなトラブルが発生する可能性があります。ちょっとした違和感や症状でも大きな不安を招くこともあるでしょう。こちらでは、妊娠初期・中期・後期に分けて起こりやすいトラブルを紹介します。

妊娠初期(~13週6日)

妊娠初期に起こりやすいトラブルは、つわりや妊娠悪阻・性器出血・腹痛です。食欲不振・吐き気・胃の不快感・胃痛・嘔吐などの症状が一般的に発生しますが、悪化すると胃液や血液の混じった嘔吐・頭痛・めまい・軽い意識障害・肝機能障害が発生する妊娠悪阻に発展するおそれがあります。

妊娠初期は軽い出血や腹痛がつきものですが、出血量が生理くらいある場合や腹痛がどんどん悪化するようであれば、早めにかかりつけの先生に診療してもらいましょう。

妊娠中期(14週0日〜27週6日)

妊娠中期に気を付けたいトラブルは、切迫早産や切迫流産などです。出血・下腹部の痛み・安静にしてても起こる周期的または持続的な下腹部の張り・破水感覚・感じられる胎動の減少などが発生すると切迫早産の可能性があります。

また、出血・褐色のおりもの・下腹部の痛み・下腹部の張りがある場合は切迫流産の危険があります。上記の症状がみられ不安に感じている方は早めに受診してかかりつけの先生に相談しましょう。

妊娠後期(28週~)

妊娠後期はむくみや静脈瘤が発生しやすい傾向にあります。起床時に足や顔にむくみがあり1週間に体重増加が500g以上ある場合は妊娠浮腫の傾向が高いでしょう。すねや額を指で押して陥没したり、指輪がきつくなったり、まぶたがはれぼったくなったりしている場合、浮腫の可能性があるため、長時間の座位や歩行は避けましょう。

また、下肢や陰部の静脈に膨れがあると静脈瘤の可能性があります。痛みにより歩行困難になる可能性もあるため、仕事を続けている場合はけがをしないよう勤務時間の短縮や身体への負担が大きい作業などを減らせるか職場へ相談しましょう。

お仕事妊婦さん

妊娠中に気を付けたい感染症

妊娠中は免疫力が低下します。そのため、細菌やウイルスなどによる感染症にかかりやすい状態です。妊婦さんが感染症にかかると、まれにお腹の赤ちゃんにも影響を及ぼす可能性があります。こちらでは、妊娠中に気を付けたい感染症を3つ紹介します。

風しん

風しんは、発熱・発疹・リンパ節腫脹などの症状が特徴のウイルス性発疹症です。妊娠20週ごろまでの妊婦さんが風しんウイルスに感染すると、赤ちゃんが先天性風しん症候群を発症する可能性があります。重症度や症状の種類は、妊娠中の感染時期によりさまざまです。女性は感染予防に必要な免疫を妊娠前に獲得しておくことが大切です。

トキソプラズマ症

トキソプラズマ症は、トキソプラズマと呼ばれるアピコンプレクサに属する寄生性原生生物によって引き起こされる感染症です。症状は、感染時期や感染者の状態によって大きく異なります。妊娠中の感染で発症する先天性トキソプラズマ症は、死産や自然流産を引き起こすだけではなく、出産後の赤ちゃんの精神遅滞・視力障害・脳性まひなどの重篤な症状を引き起こすおそれもあります。

サイトメガロウィルス感染症

サイトメガロウイルス感染症は、初感染または再感染・再活性化によって起こる病態です。妊婦さんが感染すると胎盤を通して赤ちゃんに移り発症する可能性があります。無症状から軽症、重篤なものまでさまざまですが、妊婦さんが初感染だと重篤になりやすいと言われています。具体的な症状は、低出生体重・黄疸・出血斑・肝機能異常・血小板減少・難聴などです。

マスク、妊婦さん

陣痛・破水時の移動手段

突然、陣痛や破水が起きたときどのように病院まで向かえばよいかを紹介します。いざというときに慌てて危険な方法で病院に向かわないよう、事前に移動手段を決めておきましょう。

家族に車を出してもらう

車を所有している場合は、家族に運転してもらって病院まで向かいましょう。運転手が家族であれば妊婦さんも安心して任せられる上、家族も妊婦さんの様子を見ていられるため、安全に病院まで移動できます。陣痛は突然くることもあるため、出産日が近くなったら家族の誰かがすぐに病院へ送り届けられるよう事前に体制を整えておきましょう。また、当日病院までの道のりが混雑する場合もあります。病院までのルートは複数確認しておきましょう。

陣痛タクシーを活用する

家族が仕事で不在のときに陣痛がきてしまったら陣痛タクシーを利用しましょう。陣痛タクシーとは、事前に妊婦さんの情報を登録しておくことで陣痛がきた時に病院まで送り届けてもらえるサービスです。陣痛が来た際はすぐに陣痛タクシーを呼ぶのではなく、かかりつけ医に電話してから陣痛タクシーを手配しましょう。

タクシー

救急車は呼ばないほうがよい?

基本的に陣痛が始まってもすぐに出産となるわけではありません。そのため、通常の出産は救急車ではなく、家族に運転を頼んだり、陣痛タクシーを利用しましょう。救急車は緊急性の高い人が利用する搬送手段です。1人でいるときに陣痛がきてしまうと不安になるかと思いますが、救急車を呼ぶのではなく、まずは落ち着いてかかりつけ医に相談するとよいでしょう。

陣痛・破水時にやらないほうがよい移動手段

陣痛や破水が起こり病院へ向かう際、安全に到着するためにやってはいけない移動手段を紹介します。通常の陣痛であれば救急車を急いで呼ぶ必要はありませんが、移動中に何かトラブルが発生しても対応できる体制で病院に向かうことが大切です。

公共交通機関を利用する

電車やバスなど公共交通機関で病院に向かうのは避けましょう。移動中に体調が悪くなったり、出血したりする可能性はゼロではありません。公共交通機関では体調に変化があったときに対処が遅れてしまう可能性があります。

徒歩で向かう

陣痛が少ないからと徒歩で向かうのも極力避けましょう。途中で破水したり、痛みが激しくなったりして身動きが取れなくなる可能性もあります。基本的に、陣痛の間隔がすぐに短くなるわけではありませんが、急な体調変化もゼロではありません。母子の安全を第一に考えて徒歩で向かうのはやめておきましょう

自分で車を運転する

陣痛や破水が起こり病院へ向かう際に自分で車を運転するのは避けましょう。痛みが少ないからと自分で運転して、途中で体調が悪くなる可能性もあります。突然痛みが激しくなり身動きが取れなくなる場合もあるでしょう。運転中に体調が悪化した場合、運転ができなくなり事故につながりかねません。症状が軽くても家族に運転を頼んだり、陣痛タクシーを利用したりしましょう。

混んでいるところ

妊婦さんが救急車を呼んだほうがよいケース

基本的に緊急の場合以外は救急車を呼ぶ必要はありませんが、体調の急激な変化がある場合は救急車に頼ることも大切です。こちらでは、妊婦さんが病院へ向かう際に救急車を呼んだ方がよいケースを紹介します。

突然の陣痛や破水、それに伴う体調の変化で慌てないよう事前に救急車を呼んだ方がよいシーンを把握しておくことが大切です。

動けないほどの激痛や大量の出血があるケース

動けないほどの激痛がある場合や大量に出血している場合は救急車を利用しましょう。トラブルが発生したとき自分で判断できない可能性もあります。家族が一緒にいる場合は状況を伝えて、かかりつけ医に電話してもらいましょう。お医者さんの指示を仰ぎ落ち着いて対処することが大切です。

動けないほどの頭痛があるケース

妊娠後期は妊娠高血圧症候群のリスクが上昇しています。そのため、妊婦さんは血圧が高くなりやすく、異常に血圧が上昇すると母子ともに危険が伴います。突然、激しい頭痛が発生した場合、血圧が急激に上がっている可能性があるでしょう。妊婦さんと赤ちゃんどちらも危険な状態になってしまうため、激しい頭痛を感じたら救急車の手配をおすすめします。

赤ちゃんが見えていてすぐにでも生まれそうなケース

陣痛や破水が起こり赤ちゃんの頭がすでに見えていて今にも生まれそうな場合は、救急車を呼びましょう。陣痛の間隔が短く激しい痛みを伴う場合は、周りの家族がサポートして救急車を手配します。突然の出来事ですぐに判断ができない場合は、まずかかりつけ医に電話することも一つの手段です。状況を説明して救急車の手配が必要か指示を仰ぐとよいでしょう。

気をつけてください

対応に迷ったらかかりつけ医や救急相談窓口に電話しよう

初めての出産の場合、陣痛の痛みや破水などが一般的なものなのか判断が難しい場合もあるでしょう。救急車を呼んだ方がよいか迷う場合は、かかりつけ医・救急相談窓口・当番医療機関などに連絡します。産婦人科によっては24時間体制で稼働している場合もあるため、夜間に陣痛が発生した際も連絡が可能です。

また、かかりつけ医以外にも救急相談窓口に連絡すると、救急隊経験者の医療相談員や医師、看護師が24時間相談にのってくれます。陣痛や破水が起こると不安を感じることが多いため、正常な判断ができなくなる可能性もあるでしょう。すぐに専門家に相談して対処方法を把握できれば気持ちを落ち着けられます。

出産を安全に行うためにも迷ったらかかりつけ医・救急相談窓口・当番医療機関などにすぐに連絡しましょう。

妊娠中に染色体異常を発見するならヒロクリニックNIPTのNIPT(新型出生前診断)

初めての出産では不安がつきものです。突然陣痛や破水が起こったときに慌てず対応するためには、事前に病院までの移動方法を決めておくことが大切です。また、救急車を呼んだ方がよいケースを事前に把握しておきましょう。いざ陣痛が始まると気持ちの余裕もなくなり、正常な判断ができなくなる可能性があります。安全に病院へ向かうためにも、対処方法に迷ったらかかりつけ医や救急相談窓口への相談が大切です。

また、妊娠中は身体にさまざまなトラブルが発生しやすくなります。感染症にかかると母子ともに影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。ヒロクリニックNIPTでは、NIPT(新型出生前診断)を受けることが可能です。妊娠中に赤ちゃんの染色体異常を確認しておきたい方はぜひご利用ください。出産前にさまざまなトラブルの可能性を把握しておくだけでも心構えができます。

非侵襲的出生前診断
新型出生前診断(NIPT)とは、「お母さんから採血した血液から胎児の、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、1...

Q&A

  • Q
    NIPT(新型出生前診断)は受けた方がよいでしょうか?
    染色体異常の可能性を把握することで事前に心構えや準備が可能です。
    しかし、人によっては検査結果が不安をあおる可能性もあります。そのため、家族で話し合った上で検査を受けることをおすすめします。
  • Q
    検査結果が通知されるのはいつですか?
    基本的に採血から8日以内で結果をお届けします。

ヒロクリニックが提供する、妊婦の緊急事態に対する対応ガイド。陣痛や破水が起こった際の医療機関への移動手段や緊急時の処置方法を詳しく解説。

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

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記事の監修者


岡 博史先生

岡 博史先生

NIPT専門クリニック 医学博士

慶應義塾大学 医学部 卒業

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