海外のNIPT(新型出生前診断)事情を紹介!国ごとの違いを解説【医師監修】

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海外でも広く知られているNIPT(新型出生前診断)。日本と海外での違いを徹底調査。

妊娠したら15週目までに
NIPTを検討しましょう

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この記事のまとめ

おなかの赤ちゃんに染色体疾患があるか確認できるNIPT(新型出生前診断)。日本だけで実施されている検査ではなく、海外でも行われている検査です。本記事では、日本と海外のNIPTに違いはあるのか各国のNIPT事情を解説します。

出生前診断が税込4.5万~26.4万円

おなかの赤ちゃんに染色体疾患があるか確認できるNIPT(新型出生前診断)。日本だけで実施されている検査ではなく、海外でも行われている検査です。本記事では、日本と海外のNIPTに違いはあるのか、各国のNIPT事情を解説します。

日本で行われるNIPT(新型出生前診断)とは

NIPT(新型出生前診断)は、お腹の中の赤ちゃんが染色体疾患を持っているか確かめるための検査です。出生前遺伝子学的検査と呼ばれ、妊娠中の母体から採血した血液を用いて行われます。お母さんの血液には赤ちゃんのDNAが含まれています。赤ちゃんに直接影響を及ぼさずに胎児染色体異常の確認ができるとして注目を集めている検査です。

NIPT検査はスクリーニング検査のため、陽性の反応があっても染色体異常の断定はできません。しかし、妊娠約6週以降からと早い段階で検査可能なため、早めに受けて陽性結果が出た場合は羊水検査で確定診断を受けることをおすすめします。

検査でわかる疾患

検査対象となる染色体疾患は13トリソミー・18トリソミー・21トリソミー(ダウン症候群)です。結果は「陽性」「陰性」「判定保留」で通知されます。陽性と診断された場合は、疾患のある可能性が高いことを示しています。また、判定保留の場合は対応について改めて医師に相談するとよいでしょう。なおトリソミーとは、通常2本のペアで存在する染色体が3本ある状態をさします。

妊婦さんの年齢が高くなると、トリソミーをもつ赤ちゃんの出生頻度が高くなるとされています。年齢による不安がある妊婦さんは、心構えをするためにNIPT検査を受けるのも一つの手段です。

海外のNIPT(新型出生前診断)事情

こちらでは、日本以外の海外のNIPT(新型出生前診断)事情を解説します。NIPT(新型出生前診断)は日本だけではなく海外でも実施されている検査です。海外で実施されているNIPTの費用や保険について見ていきましょう。

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アメリカのNIPT(新型出生前診断)事情

アメリカでは2011年に導入され、妊婦さんの25~50%が受けているとされています。米国産科婦人科学会の最新ガイドラインでは、リスクレベルにかかわらずすべての妊婦さんにNIPT(新型出生前診断)を提供することが推奨されています。

多くの民間保険会社で保険適用が可能で、妊娠初期のスクリーニング検査において高リスクと判定された人はNIPTの保険適用が可能です。また、州によっては高リスクでなくとも妊婦さんを対象に公的医療扶助制度を実施している場合があります。保険適用を受けられるため、通常の検査としてNIPTが広がっています。

アメリカでは多くの州で妊娠24週目まで妊娠中絶が合法です。しかし、一部の州では胎児が21トリソミー(ダウン症候群)を含む遺伝子性疾患を持っていると診断された場合は、中絶を禁止しています。

アメリカの場合、NIPTで陽性と診断されると専門医のカウンセリングから確定診断に関する説明を受けます。また、染色体疾患を持つ赤ちゃんを出産した場合に必要となるものや受けられるサポートの紹介もしてくれるのが特徴的です。

イギリスのNIPT(新型出生前診断)事情

ヨーロッパ全体で出生前スクリーニング検査に対する国家政策が進んでいます。イギリスでも、スクリーニング検査で高リスクと判定された妊婦さんに対する二次検査として、NIPT(新型出生前診断)が行われています。全妊婦さんに対してスクリーニング検査の実施を推奨しているのは、女性の自主選択の機会を増やすためです。

2021年からはNIPT検査と関連する確定検査が無料で受けられるようになったため、多くの妊婦さんが積極的に検査しています。イギリスでは、胎児の異常を理由とした中絶が合法で、費用も国が負担してくれます。出産直前でも複数医師の判断の元であれば人工妊娠中絶が実施可能です。

フランスのNIPT(新型出生前診断)事情

フランスでは2011年から導入されています。2019年からは高リスク妊婦を対象に医療保険が適用され、無料で受けられるようになりました。高リスク妊婦の基準は、クアトロテストと呼ばれる母体血清マーカー、妊婦さんの年齢、NTなどを組み合わせた検査において、胎児に染色体疾患のある可能性が高いと判断された場合や、家族歴がある場合などです。クアトロテスト自体は全妊婦さんに対して無料で実施されています。

また、フランスでは中絶手術が保険適用となり無料で実施可能です。胎児の異常を理由に中絶することも認められています。そのため、NIPT(新型出生前診断)でダウン症が発覚した95%の妊婦さんが、中絶を選択しているといわれています。医師の証明書があれば妊娠週数にかかわらず中絶が可能です。

オーストラリアのNIPT(新型出生前診断)事情

オーストラリアでは条件なく妊婦さんならどなたでも、NIPT(新型出生前診断)を受けられます。そのため、妊娠検診で異常がない場合でも医師からNIPTをすすめられる場合があります。

ただし、保険適用外のため検査費用はすべて実費です。検査結果は1週間前後で判定されます。また、オーストラリアは全州で人工妊娠中絶が合法です。妊娠22週までなら母親の意思で中絶が可能、22週以降は2人以上の医師判断の元であれば中絶できます。

ドイツのNIPT(新型出生前診断)事情

ドイツでは2012年にNIPT(新型出生前診断)が導入されました。以前から妊婦さんに対する公的サービスが充実しており、出生前スクリーニング検査や分娩費用は公的負担となっています。2020年からはNIPTも公的保険で検査可能になりました。

ドイツでは、中絶を実施したい場合は公認のカウンセリング機関でカウンセリングを受け、3日間の待期期間を経たのちに、妊娠12週までの中絶が可能です。また、法律により全国に無料相談所が設置されており、妊婦さんの中絶に対する悩みや相談が気軽にできる体制が整っています。

もし、お腹の赤ちゃんに障害があると分かった場合、医師から妊娠葛藤相談所への紹介が義務です。ドイツは1995年に胎児条項が廃止されてからは胎児の障害を理由に中絶を選択するのは禁止されています。しかし、実際は法の拡大解釈によりNIPTで陽性反応があった場合、9割が人工妊娠中絶をしています。

オランダのNIPT(新型出生前診断)事情

オランダでは、妊娠リスクに関係なくすべての妊婦さんがNIPT(新型出生前診断)を受けられますが、実際の受検率は40%と高くありません。一部助成が受けられるものの一部が自己負担であることや、NIPT開始以前の胎児スクリーニング検査の普及率も低かったことが受検率を下げていると考えられます。

オランダのNIPTでは、13トリソミー・18トリソミー・21トリソミーの検査に加えてほかの常染色体異数性・微小欠失の検査も可能です。ただし、性染色体異数性は分析されません。オランダでは胎児の異常を理由にした中絶は合法で、妊娠週数の制限もありません。

ベルギーのNIPT(新型出生前診断)事情

ベルギーでは、妊娠リスクに関係なくすべての妊婦さんが公費負担でNIPT(新型出生前診断)を受けられます。そのため、受検率も非常に高く75%以上の妊婦が受けているとされています。

13トリソミー・18トリソミー・21トリソミーの検査に加えてほかの常染色体異数性・微小欠失・性染色体異数性の検査も可能です。胎児の異常を理由とした中絶は合法で、妊娠週数の制限はありません。

ヒロクリニックではNIPT(新型出生前診断)を実施しています

海外ではNIPT(新型出生前診断)が保険適用となり、どなたでも無料で実施できる国もあります。通常の検査として積極的に行われている国もあり、国によって実態や情報はさまざまです。日本では、NIPTの検査費用や遺伝カウンセリング料が保険適用外です。自費診療となりますが、遺伝子疾患を早期発見し、妊娠中の不安を軽減させたい方は、病院で検査の実施を検討しましょう。

ヒロクリニックでは、早期発見・早期診断が可能なEarly NIPTを実施しています。妊娠約6週以降の早いタイミングで検査ができるため、妊娠して早いうちから不安を解消できます。また、ヒロクリニックのNIPTでは、13トリソミー・18トリソミー・21トリソミーの染色体疾患以外にも、性染色体異数性・全常染色体異数性・部分欠失重複・微小欠失・単一遺伝子疾患の検査が可能です。より詳しい染色体検査を行いたい方はぜひ一度ご相談ください。

非侵襲的出生前診断
新型出生前診断(NIPT)とは、「お母さんから採血した血液から胎児の、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、1...

Q&A

  • Q
    検査した方がよい条件はありますか?
    日本ではどなたでも検査可能です。検査対象の疾患にかかりやすくなる条件は以下のとおりです。
    ・年齢の高い妊婦さん
    ・母体血清マーカー検査で、胎児に染色体数的異常の可能性が生じた妊婦さん
    ・染色体数的異常を持つ子を妊娠した経験がある妊婦さん
    ・両親のどちらかが均衡型転座やロバートソン型転座を持っていて胎児が13トリソミーまたは21トリソミーになる可能性が生じた妊婦さん
    ・胎児超音波検査で胎児に染色体数的異常の可能性が生じた妊婦さん

    上記の条件に当てはまる場合は、NIPTを検討しましょう。
  • Q
    検査で分からない疾患は何ですか?
    NIPTで検査できるのは、13トリソミー・18トリソミー・21トリソミーの染色体疾患です。生まれてくる赤ちゃんのうち100人に3~5人ほどは先天的な疾患をもって誕生します。その中でも染色体が原因の疾患は約25%です。染色体が原因の疾患のうち、13・18・21トリソミーの染色体疾患は約70%です。そのため、NIPTにより確率の高い染色体異常を発見しやすいといえます。
  • Q
    検査で調べる染色体とは何ですか?
    染色体とは細胞の中にあり、DNAや多くの遺伝子が格納されている構造体です。多くの人の染色体は46本で、常染色体のペアとX・Y染色体のペアで成り立っています。染色体には人の体や働きの設計図が保管されているため、染色体の数や形に変化が発生すると、成長や発達に影響を与えたり、生まれつきの病気や体つきの特徴を持ったりする原因になります。

海外でも広く知られているNIPT(新型出生前診断)。日本と海外での違いを徹底調査。

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

記事の監修者


岡 博史先生

岡 博史先生

NIPT専門クリニック 医学博士

慶應義塾大学 医学部 卒業

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