化学流産が起こる原因とは?時期や繰り返さないためのポイントも紹介【医師監修】

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流産は妊婦にとってつらい出来事の一つです。授かった命をなくすことは精神的にも大きなダメージがあるでしょう。流産は起こらないのが一番ですが、万が一発生してしまった時のショックを軽減させるためにも、症状や原因について理解しておくことが大切です。

妊娠したら15週目までに
NIPTを検討しましょう

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この記事のまとめ

流産は妊婦にとってつらい出来事の一つです。授かった命をなくすことは精神的にも大きなダメージがあるでしょう。流産は起こらないのが一番ですが、万が一発生してしまった時のショックを軽減させるためにも、症状や原因について理解しておくことが大切です。

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流産の種類と概要

流産とは、妊娠して赤ちゃんを授かったにもかかわらず、何らかの原因で妊娠が継続できなかった状態をいいます。流産と一口にいってもさまざまな種類があります。たとえば、化学流産・稽留流産・自然流産・早期流産・切迫流産などです。

なお、流産は妊娠21週6日までの時期に、胎児が母体から外に出てしまう状態を指します。妊娠22週0日以降に胎児が子宮の中で亡くなり、そのまま出産することを死産と呼びます。

このコラムでは、流産の中でも化学流産に焦点を当てて、原因や対策などを紹介していきますので、妊娠に関して不安を抱えている方は参考にしてください。

化学流産が起こる主な5つの原因

こちらでは、化学流産が起こる主な原因を5つ紹介します。化学流産とは、妊娠反応では陽性と出るのに、超音波検査を実施すると赤ちゃんが入っているはずの胎嚢が見当たらない症状です。受精はしたものの、着床が継続せずに流産してしまったものと考えられます。

化学流産の際に起こる出血が生理と似ており、腹痛や気分が悪くなることもあまりないため、妊娠していること自体に気づかず、流産してしまうケースもあります。化学流産の対策を立てるためにも、まずは発生する原因を理解しましょう。

赤ちゃんの染色体異常

化学流産の一般的な原因として、赤ちゃんである受精卵の染色体異常が考えられます。妊娠初期に発生する流産の約60~80%以上は、染色体異常が原因です。染色体の数や構造に問題があり、通常どおり発育できなかったために流産が発生してしまうといえます。

これは、精子や卵子が作られたり、受精したりする過程で偶然起こりえる現象です。両親の染色体に異常が必ずあるというわけではありません。自分の遺伝子のせいで子どもができないのではと思い詰めないようにしましょう。

母体のホルモン分泌異常

母体のホルモン分泌は、化学流産に大きな影響を与えている要素です。ホルモン分泌が安定していると、胚の発育が順調に進むと同時に、受精卵が着床しやすくなります。一方で、ホルモンバランスが乱れてしまうと、化学流産のリスクが高まってしまうのです。妊娠や流産に影響するホルモンには、プロゲステロンやエストロゲン、甲状腺ホルモン、プロラクチンなどがあります。

たとえば、プロゲステロンが分泌されると子宮内膜が厚くなり、受精卵が着床しやすくなります。エストロゲンは、卵胞の成熟や子宮内膜の増厚のために必要なホルモンです。しかし、過剰に分泌されたり、反対に不足してしまったりすると子宮内膜の状態を悪化させてしまい、着床を阻害する働きをしてしまいます。

また、甲状腺ホルモンの異常は、ホルモンバランスを乱し化学流産のリスクを高める可能性があります。プロラクチンが過剰分泌されると、プロゲステロンやエストロゲンの分泌を抑制してしまうため、子宮内膜の状態を悪化させてしまい、化学流産のリスクが高まるでしょう。

母体の高齢化

女性の年齢も化学流産に影響があると考えられています。一般的に、母体の年齢が高いほど流産が発生しやすいといわれています。これは、年齢を重ねると卵子の染色体異常の確率が高まるためです。20代での流産率は10%ほどといわれていますが、40代では40%以上になるともいわれています。年齢が異なるだけで4倍の流産リスクがあることを頭に入れておきましょう。

母体の自己免疫疾患

母体の自己免疫疾患も化学流産のリスクを高めます。自己免疫疾患とは、身体に侵入してきた細菌やウイルスを排除する免疫システムがうまく作動せず、自分の身体の細胞を敵とみなして攻撃してしまう病気です。自己免疫疾患は、正常な細胞や組織にもダメージを与えてしまいます。化学流産を繰り返してしまう人は、抗リン脂質抗体症候群と呼ばれる自己免疫疾患が原因の可能性もあります。

子宮の病気

子宮の病気や子宮内膜に問題があると、化学流産を起こしやすくなります。たとえば、生まれつき子宮の形が異なる子宮形態異常や、子宮筋腫、子宮内膜ポリープなどです。子宮にかかわる病気や問題を抱えていると、受精卵の着床や成長が阻害されてしまい、化学流産につながってしまうと考えられます。

化学流産が起こりやすい時期

化学流産は、妊娠検査薬で陽性反応が出る時期から、超音波検査で胎嚢が確認できるまでの時期の間で発生します。一般的に、妊娠検査薬で適切に反応が出るのは、生理予定日を1週間過ぎた妊娠5週以降です。胎嚢が確認できるのは、妊娠5~6週以降です。そのため、妊娠4~6週ごろに起こる流産が、化学流産に該当します。

化学流産は繰り返しやすい?

妊娠検査薬では陽性が出るものの、すぐに生理がきてしまったり、超音波検査で胎嚢が確認できなかったりする化学流産。一度発生するだけでもつらいものですが、なかには化学流産を何度も繰り返してしまう人もいます。

こちらでは、化学流産が何度も発生してしまう理由を解説します。なお、化学流産を繰り返してしまっても、妊娠や出産ができなくなるわけではありません。むしろ、妊娠の可能性があるとポジティブに考えることが大切です。

化学流産が何度も起こる理由

化学流産が繰り返されてしまう理由として、まず考えられるのが着床に何らかの問題がある場合です。化学流産は、一般的な流産よりも早い時期に起こります。タイミングとしては、着床してすぐのため、受精卵よりも着床の過程に何か問題があると考えられます。

ただし、妊娠の成立には卵子の質も関係するため、卵子の老化が進んでいない30代前半までの女性であれば着床、30代後半以降の女性であれば卵子が原因である可能性が高いと考えましょう。

化学流産が何度も起こると不育症?

インターネット上では、化学流産と一緒に不育症という言葉もよく目にする機会があるのではないでしょうか。不育症とは、妊娠自体は成立するが、2回以上の流産や死産を繰り返してしまい、結果的に子どもを持てていない状態を指します。化学流産は、一般的な流産には該当しないため、何度も繰り返していても不育症とは診断されません。化学流産を繰り返してしまうと不育症なのではと不安に思う方もいるでしょう。しかし、現段階では一般的な流産と区別されている化学流産では、不育症と診断されることはありません。

化学流産を繰り返さないために

流産

化学流産は、妊娠の初期に起こる流産ですが、妊娠検査薬で陽性反応が出ているため、大きなショックを受ける方も多いでしょう。何度も繰り返して精神的なダメージが蓄積しないよう対策を立てることが大切です。こちらでは、化学流産を繰り返さないための予防策を紹介します。

病院の産婦人科を受診する

化学流産を何度も繰り返しているうちに年齢を重ね、妊娠自体が難しくなってしまう場合があります。そのような状態を避けるためにも、化学流産であっても病院の産婦人科を受診して、改善方法を医師と一緒に探りましょう。

化学流産を繰り返すと、何度も悲しい思いをしたくないからと妊娠をあきらめてしまったり、精神的にダメージを受けてしまったりします。なかには、仕事や生活に支障をきたしてしまうケースも。精神的なダメージが大きくならないうちに、病院でカウンセリングを受けて気持ちの整理をつけましょう。

妊娠検査薬は予定通りの日程で使用する

妊娠検査薬は、予定より早い時期に使うのは避け、本来の検査時期を待って利用しましょう。妊娠検査薬で適切な反応が出るのは、生理予定日から1週間後とされています。それ以前に検査を行い、知らなくてもよい化学流産を知ってしまうと精神的なダメージが大きくなってしまいます。不安定な気持ちにならないようにするためにも、妊娠検査薬は適切な時期に使用しましょう。

ストレスのない生活を心がける

化学流産を繰り返してしまうことでストレスが溜まると、生活習慣の乱れやホルモンバランスの乱れを引き起こす可能性があります。それにより、化学流産を繰り返しやすい体調になってしまうおそれも。悪循環から逃れるためにも、ストレスのたまらない生活を心がけたり、自分にあったストレス解消の方法を見つけたりしておくことが大切です。

妊活中に行えるストレス解消法としては、軽い運動やアロマテラピー、趣味の時間を作るなどがあります。自分の好きな時間を増やして、ストレスのない生活習慣を意識しましょう。

流産リスクを減らすためにもNIPT(新型出生前診断)を

化学流産をはじめとした流産は、明確な原因が解明されていないものも多くあります。しかし、原因の一つとして染色体の異常があります。妊娠から出産までの間を安定した精神状態で過ごすためにも、流産リスクを早期に把握することが大切です。

ヒロクリニックNIPTでは、NIPT(新型出生前診断)を行っています。エコー検査により妊娠が確認できた時点で検査可能なので、胎児の染色体異常による流産リスクを把握したい方におすすめの検査です。妊娠中の不安を減らすためにもぜひご検討ください。

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新型出生前診断(NIPT)とは、「お母さんから採血した血液から胎児の、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、1...

Q&A

  • Q
    化学流産で妊娠検査薬が陽性反応になるのはなぜ?
    妊娠検査薬が陽性を示すのは、受精卵の着床によって分泌され始めるhCGホルモンに反応するためです。hCGホルモンの分泌が一定量以上になると、陽性反応が出る仕組みです。化学流産は妊娠初期とはいえ、一度着床は完了しています。そのため、妊娠検査薬の感度や検査の時期によっては陽性反応が出るケースがあります。
  • Q
    化学流産は治療できますか?
    化学流産は基本的に、治療手術などは行わず経過観察となります。しかし、化学流産を3回以上繰り返してしまった場合は、何かしらの原因があると考えられるため、一度病院を受診し、医師に相談してみるとよいでしょう。
  • Q
    化学流産後は妊娠できますか?
    化学流産が起こった後も、一般的に生理は訪れます。そのため、化学流産になった後も妊娠は可能です。化学流産が原因で妊娠しにくくなることはありません。妊活中の方はあきらめる必要はなく、これまで通り妊活を進めましょう。

流産は妊婦にとってつらい出来事の一つです。授かった命をなくすことは精神的にも大きなダメージがあるでしょう。流産は起こらないのが一番ですが、万が一発生してしまった時のショックを軽減させるためにも、症状や原因について理解しておくことが大切です。

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

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記事の監修者


岡 博史先生

岡 博史先生

NIPT専門クリニック 医学博士

慶應義塾大学 医学部 卒業

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