マタニティマークについて【医師監修】

マタニティマークについて 写真

妊娠中は心配事や悩みが起こりやすい時期ですが、「マタニティマークをどうするか」はその一つかもしれません。今回はマタニティマークについて解説していきます。

妊娠したら15週目までに
NIPTを検討しましょう

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この記事のまとめ

マタニティマークとは、妊産婦さんが身につけることで、周囲に妊産婦であると認識してもらい、妊婦さんへの配慮を示しやすくするためのマークです。マタニティマークは自治体で母子手帳と一緒に無料でもらえます。他にも鉄道会社の窓口などでも無料配布していることがあるので尋ねてみると良いでしょう。

出生前診断が税込4.5万~26.4万円

はじめに

妊娠したらつわりや体調不良に悩まされる妊婦さんも多く、マタニティマークをつけるか、つけないか、どこでもらえるか、いつからつけるべきかなど悩むことがあるかもしれません。今回はマタニティマークについて解説していきます。

マタニティマークとは

マタニティマークとは、妊産婦さんが身につけることで、周囲に妊産婦であると認識してもらい、妊婦さんへの配慮を示しやすくするためのマークです。また交通機関、職場、飲食店、公共機関などが、取り組みや呼びかけをポスターなどで示して、妊産婦さんにやさしい環境づくりを推進する目的もあります。

一般的には厚生労働省が定めたデザインを示します。民間、自治体などに幅広く活用できるように、著作権は厚生労働省にあり、営利目的の使用は禁止されています。

マタニティマークとは

マタニティマークはいつから始まった?

2006年に「健やか親子21」推進検討会において、マタニティマークのデザインが公募により決定しました。2006年から始まったマタニティマークは、自治体では母子手帳と一緒に配布され、関東圏の鉄道会社では2006年8月から、関西圏の鉄道会社では2013年3月から配布が開始されました。

マタニティマークは何のために作られた?

外見からは妊婦さんだと分からない場合、「電車の優先席に座りづらい」「たばこの煙が気になる」などの問題があります。マタニティマークは、そうした妊娠初期の外見からは分かりづらい時期に、周囲からの配慮を受けやすくするために作られました。

マタニティマークはいつからつけても問題ありません。妊娠がわかった時からつけても良いでしょう。

マタニティマークにはどんな種類がある?

マタニティマークにはいくつか種類があります。

チェーンストラップ、キーホルダー

マタニティマークの多くには、チェーンストラップやキーホルダーが付いていて、かばんや持ち物に付けられるようになっています。表だけにマークが入っているタイプと両面にマークが入っているものがあります。片面だけにマークが入っているタイプは、裏返せばマタニティマークを隠すことができるため、必要なときだけ使用する場合に便利です。

車に貼るステッカータイプ、マグネットタイプ

車に貼るステッカータイプやマグネットタイプなどのマタニティマークがあります。
車用のマタニティマークをつけることで、周囲の運転者に、安全運転中というメッセージにもなりますし、緊急を要する事態になった際、妊婦であると知らせる目的もあります。

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マタニティマークはどこでもらえる?

マタニティマークをどこでもらえるか、不安になる妊婦さんもいらっしゃるかもしれません。実はマタニティマークは様々な場所でもらうことが出来ます。

マタニティマークのもらい方

妊娠がわかると、自治体で母子手帳を交付してもらいますが、多くの場合、母子手帳と一緒にマタニティマークを無料でもらえます。その他、 鉄道会社の窓口などでも無料配布していることがありますので、尋ねてみると良いでしょう。マタニティマークの悪用を防止するため、場合によっては、母子手帳の提示を求められることもあるようです。

また、 妊婦さん以外に家族も配布の対象者になります。

マタニティマークをもらえる場所

マタニティマークがもらえる主な場所をご紹介します。

母子手帳交付時(各自治体)

現在住んでいる市区町村(住民登録地)でもらえます。妊娠届出書の提出で交付される母子手帳とともにマタニティマークを受け取ることができます。自治体により、ステッカー・キーホルダーなどがあるようです。

各鉄道会社

配布対象は妊産婦さんとその家族で、配布箇所は、駅事務室やお客さま相談室などです。

雑誌の付録

書店で販売している雑誌の付録としてマタニティマークの小物がついていることがあります。発売時期によりデザインも異なり、おしゃれなデザイン、かわいいデザイン、ハート型など様々であるため、楽しめるかもしれません。

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マタニティマークはつけるべき?

妊産婦さんがマタニティマークをつける理由として、「周囲の人にサポートしてほしいから」という意見が多いようです。その他、「緊急のときに妊婦だということを周囲に知ってもらうため」といった意見があります。

いつからつけるか悩む妊婦さんもいらっしゃるかもしれませんが、妊娠初期のお腹の目立たない時期につけるとより効果的かもしれません。

マタニティマークをつける割合

外出時にマタニティマークをつけている妊婦さんは82.5%、つけていない妊婦さんは約17.5%との調査があります。

2020年 株式会社ピジョン『妊婦フレンズwithパパ』調べ

このように、2006年から開始されたマタニティマークは現在では多くの妊婦さんがつけています。

マタニティマークをつけるメリット

マタニティマークは大きく二つのメリットがあるといえます。 

一つ目は妊産婦さんが外出する際にマタニティマークを身につけて周囲の人に分かりやすく示すためです。 体調不良になった時など、周囲の人が気づいて手助けをしたり、緊急時には、救急隊や救助の人が妊産婦にとって適切な処置や対応を行うことができ、お母さんと赤ちゃんを守ることにつながります。

二つ目は、妊娠初期のまだお腹が目立たない時期などに役に立ちます。つわりでつらい時期などに周囲から配慮があり、席を譲ってもらうことができる、もしくは心置きなく優先席に座れるといったメリットがあります。

マタニティマークをつけるメリット

マタニティマークをつけるデメリット

嫉妬から生まれる嫌がらせ

マタニティマークを幸せアピールや自慢と感じてしまう人などから、嫌がらせを受けることもあるようです。

優先席をめぐるトラブル

妊娠経験やつわりの有無、男女差、年齢層、身体的な理由など、さまざまな立場によって優先席に対する考え方が違いますし、妊婦さんでもつわりの少なかった方、症状が重かった方で感じ方は違うでしょう。妊婦さんの中には優先席の前に立ったら舌打ちされた、嫌味を言われた、暴言を吐かれた、といった経験がある方もいるようです。

妊婦さんをターゲットとした事件

数年前、路上で20代の妊婦さんの腹部を足で蹴ったとして、男性(50代)が暴行の疑いで逮捕されたという事件が起こりました。妊娠7か月の妊婦さんが7歳と5歳の子どもを連れて歩いていたところ、男性が「道を塞いでいて邪魔だ」と言いがかりをつけお腹を蹴ったとのことです。妊婦とわかっての犯行でした。パートナーや男性と一緒にいる時は、こうした嫌がらせを受けることが少ないといった傾向があり、相手が弱い立場であることを利用した上でおこなわれている可能性が高いようです。

この事件の被害者である妊婦さんがマタニティマークをつけていたかは不明ですが、「妊婦である」ということを周囲に知られることで、一部の心無い人から不快な態度を取られてしまう場合もあり得ることが、マタニティマークをつけるデメリットとして挙げられるかもしれません。

マタニティマークに対する誤解

こうしたデメリットは、マタニティマークが、交通機関で席を譲ってもらうためにつけている、妊娠中の幸せアピールなどと誤解されていることが原因で生じるものです。単純にマークの存在だけを知ってもらうのではなく、「緊急時に周囲に妊娠中だと知らせるためのもの」であることを周囲に正しく理解してもらうことが重要であるといえます。

マタニティマークをつけるのは不安?

2020年におこなわれた株式会社ピジョンの『妊婦フレンズwithパパ』のアンケートでは、3人に1人が「マタニティマークをつけていて不安になったことがある」と回答しています。これは、一部の事件やトラブルをメディアなどで見たり聞いたりしたことが大きな原因のようです。

その一方で、マタニティマークをつけている妊産婦さんへの「マタニティマークをつけていたことで、良かったこと、嬉しかったことがありますか?」との質問に対しては「ある」と感じている人が63%もいるということがわかりました。

電車で席を譲ってもらったり、スーパーで店員さんが重い荷物を運んでくれたり、「おめでとう」や「がんばって」などの温かい言葉をかけてもらえたそうです。

また、妊産婦ではない一般の人への調査では、約90%がマタニティマークをつけている人を見かけたら、サポートしてあげたいと回答しています。

2020年 株式会社ピジョン『妊婦フレンズwithパパ』調べ

この調査の結果を見ると、マタニティマークに対してネガティブな印象を持っている一般の人はごく少数であることがわかります。

しかし、マタニティマークをつける事に抵抗を感じる場合、緊急時にはすぐ取り出せるように持参しておくとよいでしょう。

マタニティマークを貼れば車椅子マークの駐車場に止めて良い?

よく見かける車いすマークの正式名称は「国際シンボルマーク」といいます。1969年に国際リハビリテーション協会が定めたもので、障害をもつ人々が利用できる建築物や施設であることを示す世界共通のマークです。

国内でマークを管理している日本障害者リハビリテーション協会によると「障害のある方全般を指します。妊婦については該当しないと考えています」との回答でした。

しかしながら、状況による、というのが実情のようです。道義上の判断でいえば、妊婦や高齢の方でも使えると良いといった考えもあるようですが、明確な線引きがないため、車椅子マークに駐車した妊婦さんが心無い言葉をかけられたケースもあり、こうした状況を改善しようという動きが現在進んでいるようです。

妊娠したらNIPT(新型出生前診断)を受けましょう

NIPT(新型出生前診断)は、出生前スクリーニング検査のひとつで、母体から採血した血液中に浮遊している胎児のDNA断片を測定することにより、染色体異常による疾患リスク判定をおこないます。

ヒロクリニックNIPTでは、エコー検査で妊娠が確認できたらすぐに検査をおこなうことができます。また、21トリソミー(ダウン症候群)への感度・特異度ともに99.9%と高精度な検査です。しかし、NIPTは、あくまでも非確定的検査ですので、確定診断を希望する場合は羊水検査などの確定的検査が必要となります。

非侵襲的出生前診断
新型出生前診断(NIPT)とは、「お母さんから採血した血液から胎児の、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、1...

まとめ

マタニティマークについて、成り立ちやもらい方、またアンケート調査などをもとにメリットやデメリットを解説しました。

妊産婦さんと一般の人との間で、マタニティマークに対しての認識の差はいまだにあるようです。しかし、妊産婦であると周囲に知ってもらうことは、特に緊急時においては大切な命を守るためにとても重要なことです。

「嫌がらせがある」という一部のニュースの印象だけで判断せず、妊産婦さんはマタニティマークを身につけ、また周囲がマタニティマークの意味を正しく理解していくことで、「妊産婦さんにやさしい環境づくり」の実現を目指したいですね。

妊娠中は心配事や悩みが起こりやすい時期ですが、「マタニティマークをどうするか」はその一つかもしれません。今回はマタニティマークについて解説していきます。

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

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記事の監修者


岡 博史先生

岡 博史先生

NIPT専門クリニック 医学博士

慶應義塾大学 医学部 卒業

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