概要
遺伝子変異が原因で網膜の視細胞及び色素上皮細胞が広範に変性する疾患です。初期には、夜盲と視野狭窄を自覚します。徐々に進行し、老年に至って社会的失明(矯正視力約0.1以下)となる例も多いが、生涯良好な視力を保つ例もあります。進行に個人差が大きいです。視細胞のうち杆体細胞のみの変性を杆体ジストロフィ、杆体細胞と錐体細胞両者の変性を杆体錐体ジストロフィと称します。
疫学
通常4,000人から8,000人に一人発症すると言われています。網膜色素変性症は遺伝子の変異でおこる病気です。実際には明らかに遺伝が認められる患者さんは全体の50%程度で、残りの50%では親族に誰も同じ病気の方がいません。遺伝が認められる患者さんのうち最も多いのは 常染色体潜性遺伝(劣性遺伝) を示すタイプでこれが全体の35%程度、次に多いのが 常染色体顕性遺伝(優性遺伝) を示すタイプでこれが全体の10%、最も少ないのが X連鎖性遺伝 (X染色体潜性遺伝(劣性遺伝))を示すタイプでこれが全体の5%程度となっています。
原因
遺伝子変異が原因で網膜の視細胞及び色素上皮細胞が広範に変性すると考えられています。
症状
両眼性である。進行は緩徐です。(1)夜盲(2)視野狭窄(3)視力低下後期には色覚異常や光視症、羞明などを自覚します。
診断
患網膜電図(ERG)という、網膜が光を受けた時に発生する電位を調べる検査が必須です。 また、視力検査や視野検査、眼底検査などが必要となり、これらは病気の進行レベルを判断するために重要な検査です。
治療
副腎の腫瘍の場合、腫瘍の切除ときにアルドステロン遮断薬を使用します。
【参考文献】
難病情報センター – 変異関連網膜変性症