排除確率(Probability of Exclusion: PE)は、特定の男性が子供の生物学的な父親でない場合に、DNA鑑定でそのことを正確に判定できる確率です。PEは、使用する遺伝子マーカー(STR:短鎖反復配列)に基づいて計算されます。
排除確率は、一般的に次の要素を基に求められます:
アレルの頻度(特定のアレルが集団内でどのくらい一般的か)
遺伝子座の数(使用するマーカーの数)
- 排除確率の基本的な計算式
排除確率(PE)は、個々の遺伝子座における非父性の証拠を総合的に評価して計算されます。通常、PEは個々の遺伝子座でのPEを積み上げる形で計算されます。
一般的なPEの計算式は次のようになります:
PE_i:各遺伝子座(STRマーカー)における排除確率
n:使用する遺伝子座の数(たとえば、20個の遺伝子座がある場合、n=20)
- 各遺伝子座での排除確率(PE_i)
個々の遺伝子座における排除確率(PE_i)は、その遺伝子座でのアレルの頻度に基づいて計算されます。具体的には、推定父親が母親から受け継がれていないアレルを持っている確率(非父性アレルの確率)を示します。
1つの遺伝子座での排除確率の計算式は以下のようになります:
p:遺伝子座におけるアレルAの頻度
q:遺伝子座におけるアレルBの頻度
この計算は、アレルがヘテロ接合(異なるアレルを持つ)かホモ接合(同じアレルを持つ)かに依存し、それぞれの確率を基に計算されます。
- 具体例
例えば、特定の遺伝子座において、あるアレルの頻度が0.2、別のアレルの頻度が0.3だとすると、以下のように計算できます:
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まず、それぞれの値を計算します:
この結果、特定の遺伝子座における排除確率は0.84(84%)となります。
- 総合的な排除確率
複数の遺伝子座に基づいて排除確率を求める際は、それぞれのPEを組み合わせます。たとえば、20個の遺伝子座があり、それぞれの排除確率(PE)が計算されている場合、全体のPEはすべてのPEを掛け合わせる形で求められます。
例として、3つの遺伝子座のPEがそれぞれ0.85、0.9、0.88だと仮定すると、次のように計算します:
PE=1−(0.15)(0.1)(0.12)=1−0.0018=0.9982
結果として、全体の排除確率は99.82%となります。
- 結論
排除確率(PE)は、遺伝子座ごとのアレル頻度に基づいて計算され、使用するマーカーの数が増えるほど、全体のPEは高くなります。複数の遺伝子座の排除確率を掛け合わせることで、最終的な排除確率を算出します。この値が高いほど、DNA鑑定で父性を否定できる確率が高まります。
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