この記事の概要
MiSeqとMiniSeqは、Illuminaの次世代シーケンサーで、用途やデータスループットに応じて使い分けが可能です。MiSeqは、中規模プロジェクトや詳細な解析に適し、MiniSeqは小規模なターゲットシーケンス向けの費用対効果の高いモデルです。用途やデータ量に応じて適切なシーケンサーを選択できます。
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1. データスループット
- MiSeq:
- データスループットは、最大で15 Gbのデータを生成できます。これにより、中規模からやや大規模なプロジェクト(全ゲノムシーケンシングや遺伝子発現解析など)に対応できます。
- さらに、ペアエンドリードで最大300塩基対(300 bp × 2リード)までシーケンス可能で、長いリードを用いた詳細な解析が可能です。ここが重要でSTRを測定する際にこの最大300bpまで読める機能が必要になります。
- MiniSeq:
- データスループットは、最大で7.5 Gbで、MiSeqに比べると約半分のデータ量になります。これは、主に小規模なターゲットシーケンスや、限られた領域の解析に向いています。
- MiniSeqでは、最大150塩基対(150 bp × 2リード)のペアエンドリードを提供し、MiSeqよりも短いリードのシーケンスに制限されます。
2. 用途の柔軟性
- MiSeq:
- 用途の幅が広く、小規模なターゲットシーケンスから中規模の全ゲノムシーケンス、16S rRNA解析、RNAシーケンス、微生物ゲノム解析など、多様なアプリケーションに対応可能です。特に、中規模のプロジェクトやより詳細なシーケンスが必要な研究には最適です。
- MiniSeq:
- 主にターゲットシーケンスや小規模な遺伝子発現解析に特化しており、用途はやや限定的です。データ量やリード長が小さく設計されているため、広範囲なシーケンスや高スループットが必要なプロジェクトには不向きです。MiniSeqは費用対効果が高く、特に小規模なプロジェクト向けに設計されています。
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3. 装置の設置と運用
- MiSeq:
- MiSeqは、より多くのデータを生成するためのシーケンサーとして、設置スペースや消費電力もやや大きくなります。研究室や臨床の中~大規模なプロジェクトに適しています。
- MiniSeq:
- MiniSeqは、コンパクトで運用が簡便なモデルとして設計されています。スペースの限られた環境や、小規模なプロジェクトを扱う研究室に向いています。
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まとめ
- MiSeqは、より高いデータスループットと長いリード長を提供し、用途の幅広さから中規模なゲノム解析や複雑なプロジェクトに向いています。
- MiniSeqは、データ量が少ない小規模プロジェクトに適しており、簡便で費用対効果の高いシーケンスを必要とするターゲットシーケンスに最適です。
このように、データスループットの大きさと解析用途の幅が、MiSeqとMiniSeqの最大の違いです。