父性否定確率の計算は、DNA親子鑑定において父親が特定の子どもの遺伝的な父親でない可能性を示すために使用されます。これには、排除確率(Probability of Exclusion: PE) と 父性指数(Paternity Index: PI) を用いた計算が含まれます。
出産前に父子関係を確認できる検査
法的鑑定もできる
1. 父性否定確率の基本的な概念
父性否定確率は、DNA検査の結果に基づいて、特定の男性が子供の生物学的父親である可能性が否定される確率を示します。この確率は、子供と推定父親の間で共有されている遺伝子マーカーの一致や不一致を基に計算されます。
2. 排除確率(PE)の概念
排除確率(PE)は、推定父親が子供の父親でない場合に、そのことをDNA検査で検出できる確率です。PEは使用する遺伝マーカーの数と、それらのマーカーが異なる可能性に基づいて決定されます。マーカーが多く、精度が高いほどPEは高くなります。
3. 父性指数(PI)の計算
父性指数(PI: Paternity Index)は、特定の遺伝子座における父性の証拠を数値化したものです。PIは、特定のアレルが父から子へ伝えられた確率と、母親とは関係のない無関係な男性から伝わった確率を比較して求めます。
- PIは各遺伝子座(STR: 短鎖反復配列)ごとに計算され、全ての遺伝子座のPIを掛け合わせたものが総合PIになります。
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4. 父性否定確率の計算式
(1) 父性肯定確率の計算
父性肯定確率(W)は次の式で求められます:
- PI: 総合父性指数
- PE: 排除確率
(2) 父性否定確率の計算
父性否定確率は次のように計算されます:
父性否定確率 = 1 – W
つまり、父性肯定確率の補数が父性否定確率になります。
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5. 具体例
仮に総合父性指数(PI)が1000で、排除確率(PE)が0.99(99%)の場合、父性肯定確率は次のように計算されます。
父性否定確率は、
1 – 0.99999 = 0.00001(0.001%)
つまり、父性否定確率は0.001%となります。
6. 実際の親子鑑定での使用
実際の親子鑑定では、使用する遺伝マーカーの数や、母親のDNAが含まれているかどうか、解析に影響を与える要素が多くあります。一般的に、20以上のSTRマーカーが使用され、高い精度で父性が確認または否定されます。
まとめ
父性否定確率の計算は、排除確率(PE)と父性指数(PI)を基に行われます。これらの数値を用いて、父親でない可能性を数値化し、最終的な否定確率が求められます。
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