この記事の概要
血液型は、親子関係の推測に役立ちますが、完全な証拠にはならない。DNA検査でないとわかりません。
血液型は、両親から受け継がれるABO式やRh式などの遺伝子によって決まります。ABO式では、A型、B型、AB型、O型の4つの血液型があり、それぞれの遺伝子は親から引き継がれます。例えば、両親がO型の場合、子供も必ずO型になりますが、親の血液型がA型とB型の場合、子供はA型、B型、AB型、またはO型のいずれかになる可能性があります。したがって、血液型が親子関係を否定する場合はありますが、それを証明するためには不十分であり、DNA鑑定が必要です。あくまでも血液型は否定する時には使えますが、血液型だけで親子関係を肯定的に判断することはできません。
さらに、血液型にはABO式に加えて、Rh因子(Rh式)があります。Rh因子にはRh陽性(Rh+)とRh陰性(Rh-)の2つがあり、これも両親から受け継がれます。Rh+の遺伝子は優性で、Rh-の遺伝子は劣性です。そのため、両親がどちらもRh+であっても、子供がRh-であることはありえます。これは、両親がRh-の遺伝子を持っている場合です。一方、両親がともにRh-の場合、子供も必ずRh-になります。
このように、ABO式血液型やRh因子は親子関係を推測する上で役立つことがありますが、それだけでは確定的な証拠とはなりません。例えば、両親がともにO型であれば子供もO型でなければならないため、もし子供がA型やB型であれば、親子関係を疑う理由となります。しかし、血液型が親子関係を完全に証明するための決定的な証拠にはならないため、より正確な親子関係の証明には、DNA鑑定が必要です。
出産前に父子関係を確認できる検査
法的鑑定もできる
両親のABO式およびRh式の血液型と子供の血液型のくみわせ
例えば、以下のような組み合わせがあります。
- 両親がともにO型(Rh+)の場合、子供は必ずO型(Rh+またはRh-)になります。
- 両親がA型(Rh+)とB型(Rh-)の場合、子供の血液型はA型、B型、AB型、またはO型であり、Rh+またはRh-のどちらかになる可能性があります。
- 両親がAB型(Rh-)とO型(Rh+)の場合、子供の血液型はA型またはB型となり、Rh+またはRh-のどちらかになる可能性があります。
このように、血液型は親子関係を推測するための一つの手段ですが、確実に親子関係を証明するためには、DNA鑑定を行うことが必要となります。
k子供の血液型 | 父親の血液型 | 母親の血液型 |
---|---|---|
A型 | A型, AB型, O型 | A型, AB型, O型 |
B型 | B型, AB型, O型 | B型, AB型, O型 |
AB型 | A型, B型, AB型 | A型, B型, AB型 |
O型 | O型, A型, B型 | O型, A型, B型 |
出産前に父子関係を確認できる検査
法的鑑定もできる
具体例とともに解説
血液型に基づく親子関係の詳細に、ABO式とRh式の両方を含めて解説します。
ABO式血液型
A型の子供: 父母のどちらかがA型またはAB型で、他方がA型、O型、またはAB型。
B型の子供: 父母のどちらかがB型またはAB型で、他方がB型、O型、またはAB型。
AB型の子供: 父母の一方がA型またはAB型で、他方がB型またはAB型。
O型の子供: 両親がO型、またはA型とB型の組み合わせ。
Rh式血液型
Rh式血液型では、Rh因子が陽性(+)か陰性(-)で分類されます。
Rh+の子供: 両親のどちらか、または両方がRh+である場合、子供もRh+の可能性があります。
Rh-の子供: 両親がともにRh-の場合、子供も必ずRh-になります。ただし、片方がRh+であれば、Rh+の子供が生まれる可能性もあります。
父親のRh因子 | 母親のRh因子 | 子供のRh因子の可能性 |
Rh+ | Rh+ | Rh+(高確率) |
Rh+ | Rh- | Rh+ または Rh- |
Rh- | Rh+ | Rh+ または Rh- |
Rh- | Rh- | Rh-(100%) |
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