毛髪移植の技術と方法

鏡を見ながら髪の毛に悩む中高年の男性

この記事の概要

このコラムでは、毛髪移植手術における「従来的手法」と「最小侵襲手法(FUE法)」の違いについて説明しています。従来的手法は傷跡が目立ちやすいのに対し、FUE法は小さな切開で自然な仕上がりが得られ、回復も早いため、多くのクリニックで推奨されています。手術の流れ、術後のケア、治療結果の評価についても解説し、特にヒロクリニックではFUE法を推奨している理由について詳しく述べています。

「従来的」および「最小侵襲手法」

従来的手法と最小侵襲手法は、毛髪移植手術における2つの主要なアプローチです。従来的手法は、皮膚から毛髪組織を摘出する際に比較的大きな手術を必要とする一方、最小侵襲手法(FUE)はより小さな切開や摘出を行い、より短い回復期間を提供します。ヒロクリニックでは従来型の手法を推奨しておりません。それは、切除部位の瘢痕(傷跡)が目立ってしまうこと、皮神経を傷つけてしまうために、びりっとした痛みが残る可能性あることなどからです。現在はFUE手術で十分な毛根数を確保できるため、FUE式を強く進めております。できあがりの見栄えがいいので、おすすめです。

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従来的な収穫技術の方法

従来的な収穫技術には、パンチ法またはパンチ生検法とストリップ法(FUT法)が含まれます。これらの方法は、毛髪組織をドナー領域から摘出するための主要な手法です。パンチを用いた方法は大きな穴がたくさん開いてしまうために、採皮部分に瘢痕多数残ります。ストリップ法は大きく紡錘形に切って縫い合わせる方法ですが、こちらも幅広の直線上の瘢痕がのこります。FUE法であれば0.95mmの細い筒状の採皮機械を使うため、縫合することなく皮膚が修復されます。

受容者部位の切開および移植物の配置

受容者部位の切開と移植物の配置は、移植される毛髪組織が自然な外観を持つようにするために重要です。成功した移植物配置のためには、特定の要件が満たされる必要があります。主として後頭部、側頭部から毛根を採取してきます。脱毛が進んだケースにおいても、同部位には十分な毛根がのこっていることがおおく、かつ毛髪が十分に太いことが特徴です。

従来的な収穫技術の治療結果への影響

従来的な収穫技術は、治療結果に影響を与える可能性があります。特に、ストリップ法の欠点に関する研究があります。特にストリップ法では採皮部の離開をふくめて多数の手術トラブルが報告されています。

術後移植結果の評価

術後の移植結果を評価することは、手術の成功を判断するために重要です。移植結果の評価には、手術後の毛髪の成長や外観、および患者の満足度が含まれます。生着率は最低でも90%を目指しております。通常は95%以上なのですが、患者様の皮膚の状態によって変わってきます。

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従来的な毛髪移植手法およびそれらの実践への適用に関する結論

従来的な毛髪移植手法に関する総括と、それらが実際の臨床実践にどのように適用されるかについて数々んの報告があります。手術のステップとその移植結果への影響に関する詳細な検討も行われおり、多くの国では従来法は推奨されていません。ただ、一般的に従来法の方が価格が安いことが多いのですが、ヒロクリニックは従来型と同じ価格でFUE法ができるため、FUE法のみを勧めております。

手順の時間と移植結果への影響の検証

手順の時間とその移植結果への影響に関する検証が行われており、やはり採取してから植毛までの時間が短い法が良い結果が出ております。素早く採取して、十分に冷たい生理食塩水内で保存したのちに素早く職申すことが重要です。手術プロセスの効率性が重要です。

頭皮のアップ
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従来的手法と最小侵襲手法(FUE法)について

毛髪移植手術の種類と背景

毛髪移植手術は、近年多くの技術的な進歩があり、患者の外観改善に大きく寄与しています。従来の手法では、比較的大規模な外科的処置が必要で、術後の回復に時間がかかるケースが多く見られましたが、現在ではFUE法と呼ばれる最小侵襲手法が一般的に利用されています。この最小侵襲手法により、患者は短期間で日常生活に復帰でき、また術後の見栄えも自然な仕上がりとなるため、人気が高まっています。

ヒロクリニックが推奨する最小侵襲手法(FUE法)

FUE法は毛根単位で毛包を摘出するため、切開部が非常に小さく、傷跡がほとんど目立たないという利点があります。ヒロクリニックでは、このFUE法を推奨しており、従来的手法であるストリップ法(FUT法)やパンチ法を積極的に採用していません。これは、従来的手法であるストリップ法やパンチ法が、比較的大きな傷跡や術後の痛みを伴う可能性があるためです。

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従来的な収穫手法:ストリップ法(FUT法)とパンチ法の詳細

1. ストリップ法(FUT法)の詳細

従来のストリップ法では、頭皮の後頭部や側頭部から大きな皮膚のストリップ(帯状の皮膚)を採取します。切り取った皮膚から毛包を分離し、移植部位に移植する方法で、一般的にはドナー部位に幅広の瘢痕が残ります。ストリップ法は、毛包の収穫率が高い一方で、術後に頭皮が引きつれる感覚や痛みを伴う可能性があり、術後の管理が重要です。

2. パンチ法の詳細

パンチ法は、直径3〜4mm程度の円形のパンチ器具を使用して毛包を摘出します。この手法では、頭皮に多数の小さな穴が残り、結果的に目立つ瘢痕が多く残る可能性があります。また、採取部分の皮膚組織が損傷しやすく、術後に痛みや不快感が残ることがあります。

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最小侵襲手法(FUE法)の利点とプロセス

FUE法のプロセス

FUE法では、0.95mm以下の極細のパンチ器具を用いて、後頭部や側頭部から毛包を一つ一つ摘出します。この方法では、採取部位に傷跡が残りにくく、術後の回復も非常にスムーズです。ドナー部位の毛包を必要な数だけ採取し、直接移植部位に配置していきます。

自然な外観を実現するための移植方法

FUE法では、移植毛包の向きや密度を調整することで、自然な仕上がりが期待できます。医師は移植毛包を慎重に配置し、既存の毛髪の生え方に合わせることで、見た目に違和感がない自然な毛髪を再現します。

術後のケア

FUE法での手術後、移植部位には小さなかさぶたが形成されますが、1〜2週間で自然に剥がれ落ち、毛髪が生着していれば、数ヶ月かけて新しい毛髪が成長します。移植された毛髪は通常、生着率が90%以上であり、多くの場合、満足のいく仕上がりを実現できます。

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従来型手法と最小侵襲手法の治療結果の違い

従来的手法は、特定の状況下では適切な手法として利用されることもありますが、傷跡が目立ちやすいことや、術後の回復期間が長いといったデメリットがあります。そのため、近年ではFUE法が主流となっており、患者がより快適に手術を受けられるようになっています。FUE法は最小限の切開で毛包を摘出するため、術後の傷跡がほとんど残らず、日常生活への影響が少ない点が評価されています。

FUE法における手術の準備と流れ

1. 初診とカウンセリング

手術の前には、医師と患者とのカウンセリングが行われ、患者の希望する移植部位や毛髪の密度について話し合います。手術前の健康状態の確認とともに、FUE法で必要な毛根数の見積もりが行われます。

2. ドナー部位からの毛包の採取

患者の後頭部や側頭部から、事前に計画された数の毛包をFUE法で採取します。専用のパンチ器具を使い、極細の穴から毛包を摘出していくため、ドナー部位に傷跡が残りにくいのが特徴です。

3. 毛包の移植準備と保存

採取した毛包は、生理食塩水などの保存液に浸され、移植準備が整うまで保存されます。適切な保存が行われることで、毛包の生着率が向上し、最終的な仕上がりに影響を与えます。

4. 受容者部位の切開と移植

移植部位に小さな切開を行い、毛包を配置していきます。自然な成長パターンを考慮し、毛包を配置するため、手術後の見た目が非常に自然に仕上がります。

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FUE法の治療結果の評価と術後のケア

1. 移植毛髪の成長とショックロス

FUE法での毛髪移植後は、一時的に「ショックロス」と呼ばれる毛髪の脱落が見られることがありますが、これは一時的なものであり、最終的には移植部位に新しい毛髪が再生されます。

2. 術後のアフターケア

手術後のケアもFUE法の成否に大きく関わります。移植部位の清潔を保ち、術後の感染を防ぐために適切な処置が求められます。また、術後1〜2週間後にかさぶたが取れるまで、患部に刺激を与えないようにすることが重要です。

3. 長期的な結果と評価

術後6ヶ月から1年後に、最終的な結果が見られ、患者の満足度が評価されます。FUE法は、移植毛髪が自然な見た目と質感を提供し、患者の外観の改善に大きく寄与します。

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記事の監修者


岡 博史 先生

CAPラボディレクター

慶應義塾大学 医学部 卒業

医学博士

皮膚科専門医