植毛手術の副作用とその対策

頭皮を見る 医療従事者

この記事の概要

この記事は、植毛手術後の一般的な副作用とその対策について説明しています。手術部位の腫れや痛みは一時的で、頭を高く保つ、冷却パックを使用する、鎮痛剤を服用するなどで管理できます。傷跡はFUT法で線状に残ることがありますが、FUE法を選ぶことで目立ちにくくなります。感染症のリスクは適切な衛生管理と抗生物質で予防できます。また、移植毛の一時的な脱落(ショックロス)は自然な回復過程の一部であり、過度に心配する必要はありません。手術後のケアが重要であり、健康的な生活習慣や医師の指導を守ることが毛髪の生着率向上に繋がります。

1. 手術部位の腫れ

原因:

手術中に使用される局所麻酔や移植プロセスにより、額や頭皮に一時的な腫れが生じることがあります。

対策:

  • 頭を高く保つ: 手術後数日間は、枕を高くして横になることで腫れを軽減します。
  • 冷却パックの使用: 腫れを抑えるために、手術部位に間接的に冷却パックを当てます(直接肌に触れないように注意)。
  • 医師の指示に従う: 腫れを抑える薬が処方されることもあります。

2. 手術部位の痛みや不快感

原因:

頭皮への外科的処置が痛みや違和感を引き起こすことがあります。

対策:

  • 鎮痛剤の服用: 医師が処方した鎮痛剤を使用して痛みを管理します。
  • 刺激を避ける: 手術部位を触ったり、かいたりしないようにします。

3. 傷跡

原因:

特にFUT法(ストリップ法)では、ドナー部位に細い線状の傷跡が残る可能性があります。

対策:

  • FUE法の選択: FUE法では、傷跡が点状で目立ちにくいです。
  • 術後ケア: 傷跡を最小限にするために、医師の指示に従って適切なケアを行います。
  • ヘアスタイルの工夫: 傷跡をカバーするために髪型を工夫することも有効です。

4. 感染症

原因:

手術部位が清潔でない場合や術後のケアが不十分な場合に感染のリスクが高まります。

対策:

  • 清潔を保つ: 術後は医師が指示する洗髪方法で頭皮を清潔に保ちます。
  • 抗生物質の服用: 感染を防ぐために、処方された抗生物質を服用します。
  • 早期対応: 発赤や膿、発熱などの感染症状が現れた場合はすぐに医師に相談します。

5. 移植毛の一時的な脱落(ショックロス)

原因:

移植した髪が一時的に脱落する現象で、自然な回復プロセスの一部とされています。

対策:

  • 心配しすぎない: ショックロスは通常一時的で、数ヶ月後には新しい髪が生えてきます。
  • 医師に確認: 不安がある場合は医師に相談して状況を確認します。

6. 移植部位やドナー部位の痒み

原因:

傷の治癒過程や乾燥が原因で痒みが発生することがあります。

対策:

  • 保湿: 指示された保湿剤を使用して頭皮を潤します。
  • かかない: かくことで感染や毛根へのダメージを引き起こす可能性があるため避けます。
  • 医師に相談: 痒みが強い場合は抗ヒスタミン剤が処方されることがあります。

7. 毛の生着率の低下

原因:

手術後のケア不足や個人の体質によって、移植毛が十分に生着しない場合があります。

対策:

禁煙
  • 禁煙: 喫煙は血流を妨げ、毛の生着に悪影響を与えるため、禁煙を心がけます。
  • 健康的な生活: 栄養バランスの取れた食事や適度な運動で血流を促進します。
  • 医師の指導: 必要に応じて毛髪の生着を促進する治療法を相談します。

まとめ

植毛手術の副作用はほとんどが一時的で適切なケアで改善可能です。手術を検討する際は、経験豊富な医師を選び、術前・術後の指示をしっかり守ることが重要です。

記事の監修者


岡 博史 先生

CAPラボディレクター

慶應義塾大学 医学部 卒業

医学博士

皮膚科専門医