植毛と自毛植毛の違いを解説

考える男性

この記事の概要

植毛と自毛植毛は、髪の毛のボリュームを回復するための施術方法ですが、その違いは主に使用する毛髪の種類と施術方法にあります。

植毛とは

植毛は、人工的に作られた毛髪(人工毛)を頭皮に移植する方法を指します。この方法は、以下のような特徴を持っています。

  1. 使用する毛髪の種類
    植毛では、主にナイロンやポリエステルなどの人工素材で作られた毛髪が使用されます。これらは本物の髪のように見えるように作られていますが、天然の毛髪ではありません。
  2. 施術方法
    人工毛を直接頭皮に埋め込む形で施術が行われます。専用の器具や針を使用して、人工毛を一本ずつ固定します。
  3. メリット
    • 自分の毛髪が少なくても施術可能。
    • 必要な量の毛髪を比較的短期間で移植できる。
  4. デメリット
    • 人工毛に対する体の拒否反応(炎症や感染)のリスクがある。
    • 定期的なメンテナンスが必要。
    • 自然な毛髪のように成長しない。

自毛植毛とは

自毛植毛は、患者自身の毛髪を移植する方法です。通常、後頭部や側頭部の毛髪がドナーとして利用されます。この方法には以下の特徴があります。

  1. 使用する毛髪の種類
    自毛植毛では、本人の毛髪が使用されます。そのため、体が拒否反応を起こすリスクが低くなります。
  2. 施術方法
    ドナー部位(後頭部や側頭部)から毛髪を採取し、薄毛や禿げている部分に移植します。施術には以下の2つの技術がよく使われます。
    • FUT法(Follicular Unit Transplantation)
      頭皮を帯状に切り取り、毛根を分離して移植する方法。
    • FUE法(Follicular Unit Extraction)
      毛根を一本ずつ採取して移植する方法。
  3. メリット
    • 自然な見た目が得られる。
    • 移植した毛髪は生着後、通常の毛髪と同じように成長する。
    • 長期的な効果が期待できる。
  4. デメリット
    • 自分の毛髪が十分に残っていない場合は施術が難しい。
    • 施術に時間がかかることがある。
    • コストが高い場合がある。

主な違い

項目植毛自毛植毛
使用する毛髪人工毛本人の毛髪
拒否反応のリスク高い低い
成長性成長しない成長する
メンテナンス必要基本的には不要
自然な仕上がり不自然に見えることがある自然な見た目が得られる
費用比較的低コスト高コストになる場合がある

選択のポイント

男性の頭皮を見る 医療従事者
  • 短期間でボリュームを増やしたい場合植毛が適していますが、拒否反応やメンテナンスの必要性を考慮する必要があります。
  • 自然な仕上がりや長期的な効果を求める場合は自毛植毛がおすすめです。ただし、自分の毛髪の状態やドナー部位の毛量が十分であるかを確認することが重要です。

自分の希望や状況に合わせて、専門医と相談しながら最適な方法を選ぶことが大切です。

記事の監修者


岡 博史 先生

CAPラボディレクター

慶應義塾大学 医学部 卒業

医学博士

皮膚科専門医