10歳代の若年層でも薄毛は発生する?原因や対策方法も紹介

この記事の概要

20代から30代前半に発症する若ハゲを若年性脱毛症といいます。若ハゲは早くに気づき治療を行えば改善が可能です。本記事では、若ハゲの原因や対策方法を紹介するとともに、判断基準も紹介します。

10歳代の若年層で薄毛が生じる原因

ここでは、若年性脱毛症の原因と考えられる要素を5つ紹介します。若い世代でも抜け毛が増えたり、髪のボリュームが減ったりすることはあります。適切な対策を行うためにも、まずは薄毛の原因を探りましょう。

生活習慣の乱れ

生活習慣が乱れて長期化すると、薄毛の原因となります。生活習慣の中でも、偏った栄養バランス・睡眠不足・運動不足は、薄毛に大きく関係しているといわれています。ファストフードばかり食べていると、塩分やカロリーの摂取過多になり、栄養バランスが崩れ、AGAの原因となるジヒドロテストステロンが分泌されやすくなってしまいます。

また、睡眠不足は、髪の毛の成長を促す成長ホルモンの分泌量を乱してしまいます。運動不足は、血行不良や新陳代謝の低下を招き、頭皮に十分な栄養が行き渡らず、毛髪が成長しきらずに抜けてしまう可能性があります。

過度なストレス

過度なストレスは、薄毛や抜け毛を引き起こします。人は、強いストレスを受けると、自律神経が乱れてしまいます。自律神経の乱れは血行不良を引き起こし、結果的に薄毛につながるおそれがあるでしょう。自律神経には交感神経と副交感神経があり、バランスよく分泌されることで健康を保っています。ストレスで交感神経が優位になると、血管が収縮されるために血流が悪化してしまうのです。

誤った知識によるヘアケア

誤ったヘアケアは、薄毛や抜け毛を助長してしまう可能性があります。体質に合っていないヘアケア製品を継続的に使用していると、頭皮環境が悪化してしまい、若ハゲにつながるおそれがあります。

遺伝

若ハゲの原因の一つであるAGAは、遺伝性があり、母親から受け継ぐ遺伝子の影響が強いといわれています。そのため、母方の家系が薄毛の場合、薄毛の遺伝子が受け継がれる可能性が高いでしょう。ただし、母方の祖父母が薄毛だからといって、必ずハゲてしまうわけではありません。あくまでAGAになる可能性が高くなるだけと認識しておきましょう。

テストステロンの変化

若年層の薄毛や抜け毛の最も大きな原因は、AGAです。AGAは、思春期以降の男性に見られる薄毛を指し、生え際や頭頂部周辺の髪の毛が薄くなってくるのが一般的な症状です。一度発症してしまうと薄毛が進行し続けてしまうため、AGA治療を行う必要があります。

AGAは、男性ホルモンのテストステロンがジヒドロテストステロンに変化することで起こる症状です。年齢に関係なく発症し、早い人だと20代前半から前兆が見られます。なお、女性の男性型脱毛症は、FAGAと呼ばれています。

若ハゲを見分けるポイント

ここでは、若ハゲを見分けるポイントを紹介します。若い人ほど、まだ自分には薄毛や抜け毛が起こらないだろうと考え、若ハゲに気づくのが遅れてしまいます。薄毛を改善するためには早めの対策が大切です。すぐに薄毛や抜け毛を察知できるよう、ポイントをチェックしておきましょう。

抜け毛の量が増えてきた

若ハゲを見分けるには、抜け毛の量をチェックしましょう。単純に、以前より抜け毛が増えたかどうかで判断します。人の髪の毛は、日々生まれ変わりを繰り返しており、正常なヘアサイクルであれば、1日50~100本は髪の毛が抜けるといわれています。この本数を上回る量の髪の毛が抜けていると感じたら、若ハゲの可能性を考えましょう。

生え際が後ろに下がってきた

以前より生え際が後退してきたら、若ハゲの可能性があります。男性の薄毛にはいくつかのパターンがあります。その一つが、生え際から徐々に後退していくものです。M字型に生え際が後退していくパターンが多く、正面から頭を見たときに、額の形がMのように見えて、左右の生え際のそり込みが深くなっている場合は、若ハゲを考えましょう。

つむじの皮膚が目立つ

つむじ周辺の皮膚が目立つようになってきたら若ハゲの可能性があります。AGAでは、つむじ周辺から薄毛が徐々に広がっていくパターンも多い傾向です。頭頂部の薄毛はO字ハゲとも呼ばれています。後方から見たときに薄毛が目立ちやすいですが、正面からではなかなか気づかない人もいます。つむじを中心に肌色に見える部分が広がってきたら注意しましょう。

ヘアセットがしにくくなってきた

薄毛や抜け毛が進み、髪の毛のボリュームが少なくなると、今までどおりのヘアセットがしにくくなってきます。また、スタイリング後に長時間キープできなくなるのも若ハゲの特徴です。若い世代では、さまざまなヘアアレンジを楽しみたい人もいるでしょう。今まではなかったのに、最近ワックスの重みで髪の毛がつぶれてしまうと感じたら、若ハゲの可能性があります。

若ハゲを防止する対策方法4選

ここでは、若ハゲを防止する対策方法を4つ紹介します。普段の生活で心がけ、若ハゲを未然に防ぎましょう。

生活習慣を見直す

生活習慣を見直すだけでも若ハゲ予防が期待できます。主食にご飯やパン、おかずに肉や魚とあわせて野菜や海藻類を食べ、栄養バランスのよい食事を心がけ、睡眠は十分にとりましょう。また、運動も取り入れると身体の血行がよくなり、薄毛を防げると考えられます。

正しい頭皮ケアをする

頭皮の血行を促進するためには、頭皮マッサージが効果的です。入浴後などの頭皮が温まっている状態で行うとより高い効果が望めます。指の腹で頭皮を優しく刺激し、血行を改善させましょう。

ストレスをためない生活をする

強いストレスは薄毛や抜け毛の原因となるため、ストレスのかかりにくい生活を心がけましょう。心と身体をゆっくり休ませる時間を設けたり、気分をリフレッシュできる趣味を見つけたり、自分に合った方法でストレスを解消するのがおすすめです。

AGA治療を受ける

若ハゲの兆候が見られたら早期にAGA治療するのも一つの手段です。治療では、一般的に内服薬もしくは外用薬を用います。薄毛の症状を抑える薬と毛髪量を増やす薬を使い、若ハゲを改善していきます。

まとめ

若い世代の方でも、薄毛や抜け毛が発生する可能性は十分にあります。適切な治療をすれば、薄毛の改善は可能なため、薄毛が気になり始めたらすぐに病院や専門クリニックに相談し、早いうちから治療を始めるのがおすすめです。

よくある質問

Q薄毛は遺伝しますか?

A薄毛の遺伝子は、母親がもつX染色体から引き継がれるといわれています。そのため、母方の家系に薄毛の人がいると、薄毛になる可能性が高いのです。しかし、父親が薄毛の場合でも遺伝する可能性はゼロではありません。

Q育毛剤は未成年でも使えますか?

A10代でも利用できる育毛剤はあります。若い世代は、皮脂分泌が活発な傾向があるため、頭皮の皮脂バランスを整えるタイプの育毛剤を利用するとよいでしょう。

Q育毛シャンプーで髪は生えますか?

A育毛シャンプーに発毛効果はありません。あくまで頭皮環境を整えて抜け毛を予防するのが目的です。頭皮に負担の少ないシャンプーを使いたい方におすすめの製品です。

参考文献

記事の監修者


岡 博史 先生

CAPラボディレクター

慶應義塾大学 医学部 卒業

医学博士

皮膚科専門医