植毛とは? 人工と自毛の違いやメリット・デメリットを紹介

植毛と人工知能:AIがもたらす技術革新

この記事の概要

植毛とは、薄毛が気になる部分や髪が生えてこない部分に、自分の髪の毛や人工毛を移植する施術です。本記事では、育毛・増毛・発毛との違いを紹介するとともに、人工と自毛の特徴、自毛のメリット・デメリットを専門的な視点から詳しく解説します。

植毛とは?育毛・増毛・発毛との違い

植毛とは

植毛は、頭皮の薄毛が気になる部分に髪の毛や人工毛を移植する外科的な施術です。育毛や増毛、発毛と異なり、直接的に頭皮に髪の毛を定着させることで、自然な見た目の改善が期待できます。



育毛・増毛・発毛との違い

  • 育毛: 健康な髪の成長を促進するケア。育毛剤や頭皮マッサージを使用しますが、すでに生えている髪を太く健康にすることが目的です。
  • 増毛: 現在の髪の毛に人工毛を結びつけることで、見た目のボリュームを増やす施術。かつらやヘアピースもこれに含まれます。
  • 発毛: 内服薬や外用薬により、毛根の機能を活性化させて新しい髪を生やす治療法です。AGA治療薬であるフィナステリドやミノキシジルが代表的です。

自毛植毛と人工毛植毛の違い

自毛植毛

自毛植毛は、患者自身の健康な髪の毛(主に後頭部や側頭部)を薄毛部分に移植する方法です。

  • FUE法(Follicular Unit Extraction): 毛根を一つずつ採取して移植する方法。傷跡が目立ちにくく、回復が早いのが特徴です。
  • FUT法(Follicular Unit Transplantation): 頭皮を帯状に切り取り、毛根を取り出して移植します。FUE法よりも移植できる本数が多く、コストを抑えることが可能です。



メリット

  • 自分の髪を使用するため、拒絶反応が少ない
  • 成着すれば半永久的に髪が生え続ける
  • メンテナンスコストがかからない

デメリット

  • 施術費用が高額(50〜200万円程度)
  • 効果が現れるまでに半年〜1年ほどかかる
  • 採取部分の髪の毛が一時的に減る

人工毛植毛

人工毛植毛は、合成繊維で作られた人工毛を頭皮に直接移植する方法です。

メリット

  • 即効性があり、施術後すぐに見た目が改善する
  • 自毛が足りない場合でも施術可能
  • 費用が比較的安価(30〜100万円程度)

デメリット

  • 拒絶反応や炎症のリスクが高い
  • メンテナンスが必要(一定期間ごとの植え替えが必要)
  • FDA(米国食品医薬品局)では安全性の問題から禁止されている
  • 日本皮膚科学会でも推奨度D(行わないように推奨)とされている



女性に適した植毛治療

女性の場合、男性とは異なる脱毛パターンが見られるため、特に注意が必要です。

  • びまん性脱毛症: 髪全体が均一に薄くなるため、自毛植毛でも広範囲に対応する必要があります。
  • 女性型脱毛症(FAGA): ホルモンバランスの影響を受け、特に頭頂部が薄くなりやすい。

女性の場合、人工毛植毛よりも自毛植毛の方が自然な見た目が得られるため、推奨されています。

女性の自毛植毛の成功率とリスク

  • 成功率: 女性の自毛植毛の成功率は男性と同等で、80〜90%以上と言われています。
  • リスク: 女性特有のホルモンバランスの影響を受ける可能性があり、施術前にしっかりとした診断が必要です。



植毛にかかる費用とメンテナンス

  • 自毛植毛: 50〜200万円。施術後のメンテナンスはほとんど必要ありません。
  • 人工毛植毛: 30〜100万円。ただし、定期的なメンテナンスが必要です。

長期的なコストパフォーマンス

自毛植毛は初期費用が高いものの、維持費がほとんどかからないため、長期的にはコストパフォーマンスが良いとされています。

メンテナンス費用の内訳

  • 定期検診: 1回5,000〜10,000円程度
  • 治療薬(必要な場合): 月額5,000〜15,000円
  • メンテナンス施術(人工毛の場合): 1回30,000〜50,000円



植毛施術の注意点と選び方

  • クリニック選び: 医師の実績や技術力を確認しましょう。
  • アフターケアの充実度: 術後のメンテナンスやトラブル対応も重要です。
  • カウンセリングの実施: 実際の効果やリスクについて、しっかり説明を受けることが大切です。

まとめ

植毛は、薄毛や脱毛に悩む方にとって有力な選択肢です。特に自毛植毛は、安全性や自然な仕上がり、長期的なコストパフォーマンスの面で優れています。しかし、クリニック選びや施術後のケアも重要なポイントです。薄毛の悩みを解消したい方は、専門のクリニックでの相談を検討してみましょう。

参考文献・エビデンス

よくある質問

Q植毛はどの部位の薄毛にも施術できますか?

A自毛植毛であれば、基本的に自分の身体のどこにでも移植が可能です。一般的には、後頭部や側頭部から毛根を採取して、頭部や眉毛、もみあげなどに移植します。海外では、ヒゲへの移植や頭部以外の体毛から採取しての移植なども行われています。

Q植毛した後どのくらいで自然に生え揃いますか?

A移植した部分から発毛が開始するのは、施術後4ヶ月くらい経ってからです。半年を過ぎるとほとんどの毛髪が発毛し、移植部には2〜3cmの髪の毛がふわふわと生えてくるのが一般的です。髪が自然に生え揃うのは、短い人で8ヶ月、長い人で約1年ほどでしょう。

Q一度植毛するとどのくらい効果が持続しますか?

A植毛後は、半永久的に髪の毛が生え変わります。薄毛にならない部分から毛包を採取して移植しており、移植後も髪の毛の特性は変わらないため、何度でも髪の毛が生え変わり、長く効果が持続します。

参考文献

記事の監修者


監修医師

岡 博史 先生

CAPラボディレクター

慶應義塾大学 医学部 卒業

医学博士

皮膚科専門医

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