頭部の皮膚を支配する感覚神経について説明します。頭皮の感覚は、主に以下の三つの大きな神経によって支配されています。これらの神経は三叉神経（V）、頸神経叢、および後頭神経叢から枝分かれしています。これらの神経の走行を理解し、伝達麻酔を併用することにより安定的な麻酔を行うことが可能になります。
1. 三叉神経（Trigeminal Nerve, CN V）
三叉神経は頭部の感覚を担当する主要な神経であり、三つの主な枝に分かれています。
- 眼神経（Ophthalmic Nerve, V1）: 額、上眼瞼、鼻背および前頭部の感覚を支配します。具体的な枝には、前頭神経（Supraorbital NerveとSupratrochlear Nerve）が含まれます。
- 前頭神経（Frontal Nerve）: 額の皮膚と頭頂部の一部を支配します。
- 上顎神経（Maxillary Nerve, V2）: 側頭部の一部と頬の感覚を支配します。
- 下顎神経（Mandibular Nerve, V3）: 下顎部の感覚を支配しますが、頭皮には関与しません。
2. 頸神経叢（Cervical Plexus）
頸神経叢は首の皮膚および一部の頭皮の感覚を支配します。
- 大後頭神経（Greater Occipital Nerve, C2）: 後頭部の皮膚を支配し、頭頂部まで感覚を供給します。これにより、後頭部から頭頂部にかけての広範囲の感覚が確保されます。
- 小後頭神経（Lesser Occipital Nerve, C2）: 耳の後ろから後頭部の側面の皮膚を支配します。
- 大耳介神経（Great Auricular Nerve, C2-C3）: 耳の前部および下部、頬、顎の一部の感覚を支配します。
3. 後頭神経叢（Occipital Nerve Plexus）
後頭神経叢は後頭部の皮膚感覚を支配します。
- 第三後頭神経（Third Occipital Nerve, C3）: 後頭部の中央から上部の皮膚を支配します
まとめ
頭部の皮膚は複数の感覚神経によって支配されています。これらの神経は、複雑なネットワークを形成し、それぞれ特定の領域の感覚を担当しています。正確な解剖学的知識は、頭部の手術や治療において非常に重要です。詳しい情報は以下の参考文献から確認できます
