がんの検査方法—早期発見に向けたさまざまなアプローチ

Posted on 2024年 11月 13日

がんは日本人の死因の中で常に上位を占めており、早期発見が治療の鍵となります。がんを早期に発見することで、治療の選択肢が増え、治療成功率の向上が期待できます。ここでは、がんの検査方法について、それぞれの特徴や用途をわかりやすくご紹介します。どのような検査が自分に適しているかを知ることで、がんの早期発見を目指すことができます。

1. 画像診断によるがん検査

  • X線検査(レントゲン検査)
    主に肺がんのスクリーニングに用いられる基本的な画像検査です。胸部X線検査で肺に影がある場合、さらなる検査を行い、がんの有無を確認します。放射線の被ばく量が少なく、手軽に受けられるメリットがあります。
  • CT検査(コンピュータ断層撮影)
    X線を使って体の断面画像を詳細に撮影する検査で、がんの位置や大きさ、転移の有無を調べるのに効果的です。胸部や腹部、骨などのがんを特定するために広く使用されます。造影剤を用いる場合もあり、より鮮明な画像が得られます。
  • MRI検査(磁気共鳴画像)
    磁力を使って体内の詳細な画像を撮影する方法で、主に脳腫瘍、肝臓がん、子宮がんなどの診断に使用されます。X線や放射線を使わないため、安全性が高く、組織の違いを細かく識別できます。
  • PET検査(ポジトロン断層撮影)
    がん細胞の代謝活性を捉えることで、がんの活動性や広がりを確認する検査です。放射性薬剤を使用してがんの活動を可視化するため、転移が疑われる場合や治療後の経過観察で用いられることが多いです。

2. 内視鏡検査によるがんの検出

  • 胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)
    食道や胃、十二指腸の内部を直接観察する検査で、がんの有無を確認します。胃がんの早期発見に効果的で、組織を採取してがん細胞の有無を調べる生検も行えます。
  • 大腸内視鏡検査
    肛門から内視鏡を挿入して大腸の内壁を直接観察します。ポリープや大腸がんの早期発見に役立ち、異常が見つかった場合はその場で生検やポリープ切除が可能です。
  • 気管支鏡検査
    気管や肺の内部を観察するための検査で、肺がんの診断に用いられます。必要に応じて、組織を採取して詳細な検査が行われます。

3. 血液検査によるがんの検査

  • 腫瘍マーカー検査
    がんの種類に応じて特定の物質(腫瘍マーカー)が血液中に増える場合があり、これを測定することでがんの存在を示唆することがあります。例えば、肝臓がんではAFP(α-フェトプロテイン)、前立腺がんではPSA(前立腺特異抗原)などが用いられます。腫瘍マーカーだけでがんを確定診断することは難しいため、他の検査と組み合わせて診断されます。
  • 血液一般検査
    血液中の成分や細胞の状態を調べる一般的な検査で、白血球数や貧血の有無などがんの兆候を把握する一助となります。血液の異常から、がんが疑われる場合もあります。

4. 生検(組織検査)

がんが疑われる場合、実際に組織を採取してがん細胞の有無を確認することが最も確実な方法です。内視鏡検査や手術の際に組織を採取し、顕微鏡で観察して診断します。

5. 遺伝子検査

がんのリスク要因を調べるために遺伝子検査が行われることもあります。遺伝的にがんのリスクが高い場合、予防的な検査や早期発見に向けたアプローチを取ることが可能です。