シルデナフィルとバルデナフィルとタダラフィルの違いは?

シルデナフィルバルデナフィルタダラフィルは、いずれも勃起機能障害(ED: Erectile Dysfunction)の治療に用いられるPDE5阻害薬です。しかし、これらの薬剤は作用開始時間、作用持続時間、食事の影響、副作用、使用頻度などの点で異なります。これにより、患者一人ひとりのライフスタイルやニーズに合わせた選択が可能です。本記事では、それぞれの薬剤の主な違いを詳しく解説し、最適な治療法を選ぶための参考となる情報を提供します。

1. 作用の開始時間

  • シルデナフィル(バイアグラ):
    • 服用後、効果が現れるまでに約30分から1時間かかります。空腹時の方が効果発現が早く、食事の影響を受けやすいです。
  • バルデナフィル(レビトラ):
    • 服用後、約30分で効果が現れることが多いです。シルデナフィルに比べて、食事(特に脂肪分が多い食事)の影響を受けにくいとされています。
  • タダラフィル(シアリス):
    • 効果の発現には30分から1時間程度かかりますが、他の2剤に比べて作用開始が少し遅い場合があります。また、食事の影響をほとんど受けません。

2. 作用持続時間

  • シルデナフィル:
    • 効果の持続時間は4〜6時間です。この期間内に性的刺激があれば勃起を促進しやすくなります。
  • バルデナフィル:
  • タダラフィル:
    • タダラフィルの最大の特徴は、非常に長い作用持続時間です。効果は最大で36時間続くため、「ウィークエンドピル」とも呼ばれます。これにより、服用タイミングの柔軟性が高くなります。

3. 食事の影響

  • シルデナフィル:
    • 高脂肪食を摂取した場合、効果の発現が遅れる可能性があります。空腹時に服用することが推奨されます。
  • バルデナフィル:
    • シルデナフィルよりも食事の影響を受けにくいですが、やはり高脂肪食は避ける方が効果的です。
  • タダラフィル:
    • 食事の影響をほとんど受けないため、食後でも効果が期待できます。

4. 副作用の違い

  • シルデナフィル:
    • 頭痛、ほてり、消化不良、視覚異常(青みがかった視界)などが一般的な副作用です。PDE6への作用も少しあるため、視覚異常が比較的報告されやすいです。
  • バルデナフィル:
    • シルデナフィルと似た副作用がありますが、視覚異常のリスクはやや低いとされています。ほかに、鼻づまりやめまいなどが起こることがあります。
  • タダラフィル:
    • 頭痛、筋肉痛(特に腰痛)、消化不良、ほてりが一般的な副作用です。作用持続時間が長いため、筋肉痛や腰痛が長引くことがありますが、視覚異常は比較的少ないです。

5. 使用頻度と適応症

  • シルデナフィル:
    • 必要に応じて服用する「オンデマンド」型の治療が一般的です。性行為の前に服用し、1日1回の使用が推奨されています。
  • バルデナフィル:
    • シルデナフィルと同様に、オンデマンド型での使用が一般的です。性行為の前に服用し、1日1回の使用が推奨されています。
  • タダラフィル:
    • オンデマンドで使用できるほか、毎日一定量を服用する「デイリー」服用の選択肢もあります。毎日服用することで、性的活動のタイミングに依存せずに勃起をサポートすることが可能です。タダラフィルはまた、良性前立腺肥大症(BPH)の治療にも使用されます。

まとめ

  • シルデナフィル: 速効性があり、効果が4〜6時間持続しますが、食事の影響を受けやすいです。
  • バルデナフィル: シルデナフィルと似た作用ですが、食事の影響を受けにくく、視覚異常が少ない可能性があります。持続時間は4〜5時間。
  • タダラフィル: 効果の持続時間が最大36時間と非常に長く、食事の影響を受けません。筋肉痛や腰痛が発生する可能性があるものの、長時間にわたって勃起をサポートできます。

シルデナフィルバルデナフィルタダラフィルはそれぞれに異なる特性を持ち、個々の患者のニーズに応じた選択が可能です。患者の生活スタイルや治療目的に応じて最適な薬剤を選び、医師の指導のもとで使用することが重要です。ヒロクリニックでは、個々のニーズに合った最適な治療法についてご相談いただけます。

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