ED(勃起不全)の注射治療

ED(勃起不全)の最新治療 注射器と薬

この記事の概要

ED(勃起不全)の治療法の一つに、「陰茎海綿体注射」という治療法があります。この方法は、勃起を促進する薬剤を直接陰茎の海綿体に注射することで、勃起を得るというものです。以下に詳しく説明します。

1. 陰茎海綿体注射とは?

陰茎海綿体注射(ICI: Intracavernosal Injection)は、陰茎の海綿体に血管拡張薬を直接注射することで、勃起を引き起こす治療法です。注射される薬剤は、血管を拡張し、陰茎への血流を増加させるため、神経や心理的な要因に関係なく勃起が可能になります。

2. 使用される薬剤

この治療でよく使用される薬剤には、以下のものがあります。

  • プロスタグランジンE1(PGE1、アルプロスタジル): 陰茎の血管を拡張し、血流を促進することで勃起を引き起こす最も一般的な薬剤です。
  • パパベリン: 血管を拡張し、陰茎の海綿体への血流を増やします。
  • フェントラミン: 血管の緊張を緩和し、血流を促すために使用されることがあります。

これらの薬剤は単独で使用されることもありますが、組み合わせて使用されることもあり、最適な効果を得るために医師が処方を調整します。

3. 効果

陰茎海綿体注射を行うと、注射後10~20分で勃起が起こり、その効果は約1~2時間持続します。この治療法は、他の治療法(例えば、ED治療薬)が効果を示さない場合や、副作用のために使用できない場合に特に有効です。また、心理的な要因でEDを引き起こしている場合にも、物理的に勃起を誘発するため効果的です。

4. 利点

  • 即効性: 注射後、短時間で勃起が起こり、速やかに効果を得ることができます。
  • 高い成功率: 薬剤が直接作用するため、他の治療法が効果的でない場合でも、成功率が高いです。
  • コントロール性: 勃起のタイミングを自分でコントロールできるため、計画的な性行為が可能です。

5. 副作用とリスク

陰茎海綿体注射には、副作用やリスクも伴います。一般的な副作用は以下の通りです。

  • 痛みや不快感: 注射部位に痛みを感じることがありますが、通常は軽度です。
  • 持続勃起症(プリアピズム): 勃起が4時間以上続く場合があり、これは緊急処置が必要な状態です。まれに発生しますが、早期の対応が必要です。
  • 瘢痕化(はんこんか): 長期間にわたって頻繁に注射を行うと、陰茎内に瘢痕組織ができ、硬くなる可能性があります。
  • 出血や感染: 注射部位から軽度の出血や感染症のリスクがありますが、適切な方法で行えばリスクは低いです。

6. 治療の手順

治療は通常、専門医によって始められ、最初の数回は医師が行い、その後、患者自身が自宅で安全に注射を行う方法を学びます。注射の際には、以下の手順を守る必要があります。

  • 自己注射の指導: 医師から正しい注射方法を指導されるため、自己注射が安全に行えるようになります。
  • 消毒の徹底: 注射前に注射部位を清潔に保つことが重要で、感染リスクを最小限に抑えるため、適切な消毒が必要です。
  • 適切な用量の使用: 医師から処方された薬の用量を厳守し、過剰摂取を避けます。

7. この治療法が適している人

陰茎海綿体注射は、ED治療薬が効果を示さなかった場合や、薬の副作用が強すぎて使えない患者にとって効果的な治療法です。また、心臓疾患や高血圧などで経口薬が使えない場合にも、この治療法が選択されることがあります。

まとめ

陰茎海綿体注射は、ED治療薬が効果を発揮しない場合や、特定の健康状態のために薬を使用できない人にとって、非常に有効な治療法です。即効性があり、高い成功率を持つため、多くの患者にとって満足のいく結果を提供しています。ただし、持続勃起症などのリスクがあるため、自己注射を行う際には医師の指導を守り、適切な管理が必要です。

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