国際勃起機能指数(IIEF)

勃起の程度を評価するために使用される一般的な指標として「国際勃起機能指数(IIEF)」があります。特にその中の「勃起硬度スコア(Erection Hardness Score, EHS)」は、勃起の硬さを点数化して評価するために使われます。EHSは以下のようなスケールで構成されています:

スコア 1: ペニスに拡大は見られるが硬さはない。
スコア 2: ペニスは硬くなるが、完全には硬化しない。
スコア 3: ペニスは十分に硬くなるが、完全な勃起には至らない。
スコア 4: 完全に硬く、完全に勃起した状態。
このスコアは、臨床的な診断や治療の効果を評価する際に、勃起の質を定量的に測定するのに役立ちます。医師はこのスコアを使用して、患者の勃起機能の改善をモニタリングしたり、適切な治療法を選択したりすることができます。勃起不全の治療に取り組む際には、これらの指標を用いて具体的な目標を設定し、治療の進捗を追跡することが一般的です。

国際勃起機能指数(IIEF)とその簡易版である勃起硬度スコア(EHS)は、それぞれ異なる詳細度と使用目的を持っています。これら二つの指標を比較すると、以下のような違いがあります:

国際勃起機能指数(IIEF)

  • 詳細性: IIEFは多面的なアプローチを提供し、勃起の機能だけでなく、性交の満足度、オルガスムの頻度、性欲、全般的な性的満足度など、広範な性機能を評価します。
  • 用途: IIEFは勃起不全の診断、治療効果の評価、臨床研究で広く用いられており、非常に包括的な情報を提供します。治療前後の変化を詳細に捉えることができるため、研究や臨床試験での使用に適しています。

国際勃起機能指数(IIEF)の質問事項は、以下のカテゴリにわたって勃起の質と性的機能を評価します:

  1. 勃起の硬さ: 性行為中に勃起が十分に硬くなるかどうか。
  2. 勃起の維持: 性交中に勃起を維持できるかどうか。
  3. 性交への挿入能力: 性交を試みた際に挿入が可能かどうか。
  4. 性交時の満足度: 性行為がどれほど満足できるか。
  5. 性的欲望: 性行為に対する欲望の程度。
  6. オルガズムの達成: 性行為や自慰行為でオルガズムに達するかどうか。

これらの質問は、過去4週間の経験に基づいて回答され、各項目は0点から5点のスケールで評価されます。これにより、EDの診断や治療の効果を評価する際の基準として機能します。

比較の結論

  • 詳細度と簡便性のバランス: IIEFはより詳細なデータを提供しますが、その分、記入に時間がかかり、解釈も複雑です。一方で、EHSは迅速かつ簡単に勃起の質を評価できるため、日常的なモニタリングや患者とのコミュニケーションに適しています。
  • 選択の基準: 使用する指標は、目的に応じて選ばれるべきです。詳細なデータが必要な研究や治療の効果評価にはIIEFが、日常的な患者の状態の把握や簡易的な評価にはEHSが向いています。

両指標はそれぞれ利点があり、性的健康を評価する上で有用ですが、具体的な使用状況や必要とする情報に応じて選択することが重要です。

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