頬のしこりを発見したら形成外科へ!考えられる疾患を解説します

頬のしこり

目次

そもそもしこりとは何か?

そもそもしこりとは何か気になる人もいるでしょう。しこりとは皮膚にできる腫瘍のことで、腫瘍は身体の至るところに形成される可能性があるできものです。このしこりの厄介なところは、単なる脂肪の塊の時もあれば、悪性の腫瘍の可能性があることです。

もちろん頬に形成されることもあり、硬さも症状によって違いますし、男女関係なく形成されます。硬い時もあれば硬くない時もあり、自覚症状が現れにくいことから何らかの疾患にかかっていることに気づかないこともしばしばあります。

加えて痛みがある時やない時もある他、徐々に大きくなることが多いのが特徴です。しこりは腫瘍なのでがんを想像する人もいますが、腫瘍はがんを発症した時だけに起こる症状ではありません。

たとえばリンパ節が腫れていたり、老廃物が溜まってできていたりと様々な原因が考えられます。もししこりが気になるなら、形成外科を受診するのがおすすめです。

頬にしこりが形成される原因として考えられる疾患とは?

頬のしこりを伴う疾患は多くあります。頬にしか形成されないしこりというのはありませんが、いずれも腫瘍であることに変わりはないのでしこりを感じたら形成外科の受診がおすすめです。頬にしことが形成される原因として考えられる疾患は、以下の通りです。

  • 唾液腺腫瘍

それでは、頬にしこりが形成される原因として挙げられる疾患についてご説明しましょう。

唾液腺腫瘍

唾液腺腫瘍とは唾液腺に形成される腫瘍であり、唾液腺に関連して耳や顎の近く、口内、そして頬にしこりができるのが特徴です。唾液腺腫瘍は基本的に良性の腫瘍が多いですが、まれに悪性の腫瘍が形成されることもあるので、耳の前方や頬、口内、顎の下にしこりができていたり、患部の周辺が赤みを帯びてきたら唾液腺腫瘍の可能性があるので耳鼻咽喉科を受診しましょう。

唾液腺腫瘍の主な症状はしこり以外に、腫瘍による神経浸潤や痺れ、感覚障害、運動障害、目が閉じにくくなったり、顔面神経麻痺などの症状が現れることがあります。唾液腺腫瘍を発症する原因は完全に分かっていませんが、喫煙や放射線被ばくによって発症する可能性が考えられています。

唾液腺腫瘍を治療するには、手術で腫瘍を摘出する方法が挙げられます。しかし、腫瘍が顔面麻痺を引き起こすまでに大きくなっていた場合は手術で顔面神経麻痺を引き起こす可能性があるので、放射線治療や化学療法といった方法で治療します。

腫瘍が大きくなると治療法が限られているため、しこりができた時点で耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。

表皮嚢腫

表皮嚢腫とは 粉瘤 やアテロームとも呼ばれ、良性の腫瘍なのが最大の特徴です。表皮嚢腫は毛穴の一部が内側にめくれてしまい、そこに角質や垢、汚れなどが溜まって袋状のしこりになります。

初期状態は触ると臭いがすることがあるだけで痛みを発症することはありません。しかし、しこりが成長すると赤く腫れ上がって痛みを伴います。最終的に膿の塊になってしまうので、早々に取り除く必要性があるでしょう。痛みが発生する原因は、袋状のしこりの中で細菌が繁殖しているか、溜まった角質による炎症です。

これを炎症性粉瘤と呼びます。

表皮嚢腫が形成される原因は未だ解明されておらず、生活習慣による影響との関係もハッキリしていません。表皮嚢腫は頬に限らずどこの部位でも形成され、柔らかいのが特徴です。治療方法は腫瘍を切除するのが一番ですが、少しでもしこりが残っていると再発してしまう可能性が高いため、一度に全て切除するのがベストです。

しかし、炎症性粉瘤の場合は局部麻酔を打ち、一部の皮膚を切開しなければなりません。溜まった膿の洗浄を数日~1週間ほど続けなければならず、その後の経過によっては再び治療を追加して行うなど手間と時間がかかります。

炎症を起こしていない状態であれば局部麻酔と皮膚の切開により、しこりと溜まっているものを取り出して縫合するだけです。

脂肪腫

脂肪腫とは良性腫瘍の一つで、脂肪細胞が増殖することでしこりを形成するのが原因です。頬を初めとする様々な部位に形成される腫瘍であり、増殖する脂肪細胞によっては繊維脂肪腫、筋肉に形成される筋脂肪腫、血管で増殖する血管脂肪腫といった修理があります。

脂肪肉腫という悪性の腫瘍がありますが、これはほとんど形成されることがありません。ただ、万が一悪性だった時のことを考えて、放置せずに形成外科を受診したほうがいいでしょう。

脂肪腫は治療しない限り内部で脂肪細胞が増殖し続けるので徐々に大きくなるのが特徴であり、こぶし大の大きさほどの大きさになることもあります。よく表皮嚢腫と間違われることがありますが、脂肪腫の場合は皮膚の表面よりも深く、筋肉や血管などにも形成されるのが特徴です。

脂肪腫の治療は基本的にしこりを切除して取り除くことにありますが、大きなしこりを切除するためには入院して全身麻酔をかけてからでないと治療できません。これはしこりが小さくても筋肉や血管の中で形成されている場合でも同じなので、まずは形成外科で診断してもらいましょう。

皮膚の表面で小さなしこりを形成している場合は局部麻酔による日帰り手術が可能です。しこりの大きさに限らず、皮膚を切開して脂肪腫を取り除いて止血と縫合を行って治療は完了です。

石灰化上皮腫

石灰化上皮腫とは毛母腫とも呼ばれており、良性腫瘍の一つです。この腫瘍は20歳以下の子ども及び若年層に好発する皮膚病で、頬を含む顔面やまぶた、首筋や腕の部分に好発しやすく、女子が発症しやすい傾向にあります。

石灰化上皮腫の特徴は皮膚の下にゴツゴツとして石灰のように硬くなった皮膚の一部分が腫瘍になっていることです。皮膚の一部分が石灰化する原因は未だ解明されていませんが、毛の根幹である毛母細胞が何らかの原因で腫瘍になっていることが判明しています。

良性腫瘍ではありますが、悪化する原因もわかっていないため、今後の研究結果が待たれるところです。石灰化上皮腫は皮膚の下で石灰化したゴツゴツとした腫瘍であることから、触れれば簡単に分かります。

基本的に見た目は皮膚の色と変わりませんが、皮膚が薄い場所に形成されると黄白色や黒っぽく見えることがあります。腫瘍がある部分がかゆく感じたり、押すと少し痛みを感じることがありますが、しこりが大きくなってくると破裂することがあるので注意が必要です。

もしも破裂した場合は激痛が走り、放置すれば感染症を併発することもあります。悪性腫瘍であるがんも硬いしこりを形成するのが特徴であり、触っても動くことがあまりありません。石灰化上皮腫は触ると動くため、悪性腫瘍の可能性は低いと考えられています。

石灰化上皮腫はいきなり大きくなることはないとはいえ、放置していても自然にしこりがなくなる可能性は非常に低いです。したがって、手術で腫瘍を取り除くことになります。ただし、年齢は11歳以上でないと日帰り手術を受けることができません。

腫瘍が小さければ局部麻酔による日帰り手術が受けられます。ただし、腫瘍が大きかったり、小さな子どもが手術を受ける場合は入院して全身麻酔による手術を受けることになります。

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