老化による肌のたるみを皮膚科で改善する方法

この記事の概要
加齢による肌のたるみは、コラーゲンやエラスチンの減少、皮下脂肪の重力による下垂、筋力の低下などが主な原因です。これに対処するため、皮膚科ではさまざまな治療法が提供されています。ここでは、メスを使わない非侵襲的な施術と、より高い効果が期待できる侵襲的な施術(外科的手術)に分けて詳しく説明します。

1. メスを使わない非侵襲的な施術(ダウンタイムが少ない)

① HIFU(ハイフ:高密度焦点式超音波)

HIFU(High-Intensity Focused Ultrasound)は、高密度の超音波を皮膚の奥深く(SMAS筋膜)に照射し、熱エネルギーで組織を引き締める施術です。皮膚表面を傷つけずに、リフトアップ効果を得られるのが特徴です。

期待できる効果

  • たるんだ頬やフェイスラインを引き締める
  • コラーゲン生成を促し、肌にハリを与える
  • 目元のたるみの改善

施術時間と回数

  • 施術時間:約30~60分
  • 1回の施術で3~6か月程度持続
  • 効果を維持するために半年に1回程度の施術が推奨される

ダウンタイム

  • ほとんどなし
  • 稀に軽い腫れや赤みが出ることがあるが、数日で治まる

② RF(ラジオ波)治療

RF(Radio Frequency)治療は、ラジオ波を利用して皮膚の深部に熱を与え、コラーゲンの生成を促進する施術です。代表的な機器にはサーマクールポテンツァがあります。

期待できる効果

  • 皮膚の引き締め(特に頬やフェイスライン)
  • 小じわの改善
  • 肌のハリと弾力アップ

施術時間と回数

  • 施術時間:約30~60分
  • 3~6か月ごとに1回が推奨される

ダウンタイム

  • 軽い赤みやむくみが1~3日程度続くことがある
  • メイクは施術当日から可能

③ スレッドリフト(糸リフト)

スレッドリフトは、吸収性の糸を皮膚の下に挿入し、たるみを引き上げる施術です。糸は時間の経過とともに溶け、コラーゲンの生成を促すため、長期的なリフトアップ効果も期待できます。

期待できる効果

  • 物理的にたるみを引き上げ、フェイスラインをスッキリさせる
  • コラーゲン生成が促進され、肌のハリがアップ
  • 法令線やマリオネットラインの改善

施術時間と回数

  • 施術時間:約30~60分
  • 効果は1年前後持続
  • 1年に1回程度の施術が推奨される

ダウンタイム

  • 腫れや内出血が1~2週間程度続くことがある
  • 強い表情を作ると突っ張り感を感じることがあるが、1か月程度で馴染む

④ ヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸を皮膚に注入することで、ボリュームを補い、たるみを目立たなくする方法です。特に、頬・こめかみ・口元のたるみに効果的です。

期待できる効果

  • たるんだ部位のボリュームを補い、ふっくらさせる
  • ほうれい線やマリオネットラインの改善
  • 顔の輪郭を整える

施術時間と回数

  • 施術時間:約10~30分
  • 効果持続期間:6か月~1年
  • 定期的な注入で継続的な効果が得られる

ダウンタイム

  • 軽い腫れや内出血が出ることがあるが、1週間程度で治る

2. メスを使う侵襲的な施術(長期間効果が持続)

① フェイスリフト手術

フェイスリフトは、皮膚を切開し、余分な皮膚や脂肪を取り除きながらリフトアップする外科手術です。たるみの改善効果が高く、10年以上の長期間持続します。

期待できる効果

  • 皮膚や筋膜を引き上げ、強力にリフトアップ
  • ほうれい線やブルドッグラインを根本的に改善
  • 老けた印象を若返らせる

施術時間と回数

  • 施術時間:約2~4時間
  • 1回の施術で10年以上の持続効果

ダウンタイム

  • 腫れ・内出血が2週間~1か月続く
  • 傷跡は髪の生え際に隠れるため目立ちにくい

② ミニリフト

ミニリフトは、フェイスリフトよりも軽度のたるみに適応し、耳の周りを部分的に切開して引き上げる施術です。

期待できる効果

  • 軽度のたるみを改善し、自然なリフトアップが可能
  • 傷跡が目立ちにくい
  • フェイスリフトよりもダウンタイムが短い

施術時間と回数

  • 施術時間:約1~2時間
  • 効果持続期間:5年以上

ダウンタイム

  • 腫れや内出血が1~2週間程度

3. 施術の比較表とよくある質問

施術効果ダウンタイム持続期間
HIFU(ハイフ)SMAS筋膜の引き締めほぼなし3~6か月
RF(サーマクールなど)コラーゲン生成軽い赤み6か月
スレッドリフト糸で物理的にリフトアップ1~2週間1年
ヒアルロン酸ボリューム補正ほぼなし6か月~1年
フェイスリフト手術皮膚・筋膜を切除しリフトアップ2週間~1か月10年以上

Q1. なぜ年齢とともに肌がたるむのですか?
A1. 肌のたるみは、コラーゲンやエラスチンの減少、皮下脂肪の減少・移動、筋力の低下が主な原因です。加齢に伴い、これらの要素が衰えることで、肌のハリや弾力が失われ、たるみが生じます。

Q2. HIFUとRFはどう違いますか?
A2. HIFUは超音波を使用し、SMAS(表在性筋膜)層まで届くため、深部のリフトアップに優れています。RFはラジオ波による熱エネルギーで、主に皮膚の浅い層を刺激し、弾力を改善します。どちらもコラーゲンの生成を促しますが、効果の深さが異なります。

Q3. 治療後、すぐに効果が出ますか?
A3. 治療の種類によりますが、HIFUやRFは施術直後からリフトアップを実感することが多く、さらに1〜3ヶ月かけてコラーゲン生成が進み、より引き締まった効果が期待できます。ヒアルロン酸やボトックスは即時効果が得られることが多いです。

Q4. 何歳からたるみ治療を始めるのがよいですか?
A4. たるみが気になり始めたら早めのケアが推奨されます。30代から予防的にHIFUやRFを受ける方も多く、40〜50代ではより積極的な治療(スレッドリフトやヒアルロン酸注入)を希望する方が増えます。

Q5. たるみ予防のために日常生活で気をつけることは?
A5. 以下の習慣を取り入れるとたるみ予防につながります。
・紫外線対策(UVケア)を徹底する
・バランスの取れた食事でコラーゲンの生成を助ける(ビタミンC・タンパク質の摂取)
・顔の筋肉を適度に動かし、表情筋を鍛える
・保湿をしっかり行い、乾燥を防ぐ
・十分な睡眠とストレス管理

まとめ

たるみの進行具合や希望するダウンタイム、持続期間によって最適な施術が異なります。軽度のたるみにはHIFUやRF、中度のたるみにはスレッドリフトやヒアルロン酸、重度のたるみにはフェイスリフト手術といったように、自分の状態に合わせて選ぶのがポイントです。

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