“巻き爪”は広く使われている言葉ですが、爪が巻いているだけでは通常痛みはありません。

巻き爪、陥入爪

巻き爪について

“巻き爪”は広く使われている言葉ですが、爪が巻いているだけでは通常痛みはありません。
爪の辺縁が横の皮膚(爪郭)にもぐり込み、爪そのものが皮膚を圧迫すると痛みが生じます。
爪が皮膚に陥入することによって痛みが生じるために、医学用語では陥入爪と呼びます。
症状がひどくなると爪があたっている皮膚の周囲から不良肉芽が形成され、2次的に指の形が変形します。

陥入爪の原因として以下のことが考えられます。
  1. 爪の両端を斜めにきって、手の爪のように爪を丸く切る。
  2. 陥入爪で当たっている爪をニッパ等で深爪にしてしまう行為。
  3. ハイヒールなどの足の先端に負担のかかる靴を履く。

比較的軽傷の陥入爪は抗生剤と抗炎症剤の内服薬で寛解しますが、機械的に爪が皮膚に当たっている場合にはこの方法で改善しないことが多いです。
中等度以上の陥入爪の場合には、部分抜爪および爪郭爪母の形成をおこなうことが当院では多いです。この方法であれば再発を防ぐことができます。
爪郭が爪よりも高さがある場合には高さを調整し(通常低く)、爪母(爪の根元の部分)を機械的に処理して皮膚と当たっている爪の一部を生えてこないようにします。

陥入爪手術の実際

  1. 手術は趾の基部に注射をして指全体を麻酔する。(伝達麻酔)
  2. 皮膚に当たっている爪を部分的に抜爪する。
    場合によっては爪郭の除去をおこなう。
    慢性的に爪が皮膚にあたっていたために爪郭が変形している場合、変形した爪郭の除去および、形成をおこないます。爪郭部の形を整えることにより再発を防ぎます。
  3. 爪母の処置をおこない、部分抜爪したところから再度爪が生えてこないようにする。
    ただし、巻き爪の原因となる爪母を破壊、除去するため生えてくる爪の幅が狭くなります。

当たっている爪を取るだけでは再発する確率が高いです。 手術後の痛みは鎮痛薬にて我慢できる程度であり、通常、通院期間も週に1回の通院で、2~6週間です。

よくある質問

【 Q 】手術を受ける際、靴に関して気を付けることはありますか?
【 A 】ゆったりめのサンダルを持参してください。
陥入爪手術について
【 Q 】歩いて帰ることができるのでしょうか?
【 A 】両足の手術を行った場合でも、歩行は可能です。入院をすることはありません。
【 Q 】入浴はできるのでしょうか?
【 A 】手術後、シャワーで傷を洗い流すようにしてもらっています。手術部位が湯船につかることはお勧めしておりません。
【 Q 】痛みはあるのでしょうか?
【 A 】手術時麻酔を掛ける際に痛みはあります。しかしながら、巻き爪の痛みは消失します。手術に伴う重い感じの痛みはありますが、痛み止めの頓服薬を出しておりますのでお飲み下さい。約半数の人が痛くなくて鎮痛剤を飲みません。

巻き爪対策グッズ

足専用の爪切り

爪の角を丸めず四角く平行になるように切るのですが、通常の爪切りで難しい場合には専用の爪切りを使うと簡単です。
それが固い爪、変形した爪も無理なくカットできる直線刃の爪切りです。

足用爪切り
爪切り直線刃を採用

主なリスク

  • 手術部位の爪の変形、狭小化の可能性があります。