モノクローナル抗体癌治療

CTLA-4(Cytotoxic T-Lymphocyte-Associated Protein 4)を標的としたモノクローナル抗体は、免疫チェックポイント阻害薬の一種で、免疫系の「ブレーキ」を解除することでがん細胞に対する免疫応答を強化する治療です。CTLA-4はT細胞の表面に存在するタンパク質で、T細胞の活性を抑制する役割を持っています。この抑制メカニズムをブロックすることで、T細胞の攻撃能力が増強され、がん細胞を効果的に攻撃できるようになります。

CTLA-4抗体の作用メカニズム

CTLA-4抗体は、CTLA-4とそのリガンドの結合を阻害することで、T細胞の活性化と増殖を促進します。これにより、免疫系ががん細胞に対してより強力に反応できるようになります。

ニボルマブとの使い分け

ニボルマブは別の免疫チェックポイント阻害薬で、PD-1(Programmed Death-1)を標的としています。PD-1もまたT細胞の活性を抑制する重要なタンパク質で、ニボルマブはこれを阻害することで免疫系の抑制を解除します。東京CAクリニックでは、患者のがんの種類や免疫状態に応じて、CTLA-4抗体とニボルマブのどちらを使用するかを決定しています。

効果と副作用

CTLA-4抗体の使用は、メラノーマや特定の種類の肺がんなど、多くのがんタイプに対して有効性が示されていますが、副作用も存在します。一般的な副作用には、疲労、下痢、皮膚の発疹、肝機能障害などがありますが、重篤な免疫関連副作用も発生する可能性があるため、使用時には注意が必要です。

CTLA-4抗体は、標準的ながん治療と組み合わせることで、治療効果を向上させる可能性があるため、適切な患者選定とリスク管理が重要です。

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