CTC(循環腫瘍細胞)を顕微鏡下で数える方法には、特定の染色技術と自動化された検出システムを使用します。以下に、その詳細な手順を説明します。
顕微鏡下でのCTCの数え方
1. サンプルの収集と準備
血液サンプルの収集:
- 患者から適切な量の血液サンプルを採取します。通常、10ml程度の血液が使用されます。
血液サンプルの処理:
- 血液サンプルを遠心分離し、白血球層(バフィーコート)を分離します。これにより、CTCを含む細胞成分を濃縮します。
2. CTCの染色
抗体による染色:
- CTCの表面マーカー(例:EpCAM、CK)に特異的な抗体を使用して染色します。通常、以下の染色が行われます:
- サイトケラチン(CK)染色: 上皮系のマーカーであり、CK抗体で染色します。
- DAPI染色: 核染色用の蛍光染料で、すべての細胞核を青色に染色します。
- CD45染色: 白血球マーカーで、CTCを区別するために使用されます(CTCはCD45陰性)。
3. 顕微鏡観察と検出
蛍光顕微鏡の使用:
- 蛍光顕微鏡を用いて、染色されたサンプルを観察します。以下のフィルターを使用します:
- DAPIフィルター: 青色蛍光を検出。
- FITCフィルター: 緑色蛍光を検出(CK染色)。
- TRITCフィルター: 赤色蛍光を検出(CD45染色)。
自動化されたイメージングシステム:
- 自動化されたイメージングシステム(例:CellSearchシステム)を使用して、CTCを検出およびカウントします。このシステムは、以下のプロセスを自動化します:
- 画像取得: 顕微鏡下で複数の視野を撮影。
- 画像解析: ソフトウェアを使用して、特定の染色パターンを持つ細胞を識別し、CTCとしてカウント。
手動カウント:
- 自動化されたシステムが利用できない場合、訓練を受けた技術者が蛍光顕微鏡下で手動でCTCをカウントすることもあります。この場合、各フィルターで観察しながら、CTCの特性(例:CK陽性、DAPI陽性、CD45陰性)を確認します。
まとめ
CTCの顕微鏡下での数え方は、特定の染色技術と蛍光顕微鏡を使用して行われます。自動化されたイメージングシステムは、CTCの検出とカウントを効率化し、正確性を向上させるために重要な役割を果たします。