胃がんと細胞表面抗原の関係
胃がんの診断および治療モニタリングには、さまざまな細胞表面抗原が利用されています。これらの抗原は、がんの特性を把握し、適切な治療戦略を立てるために重要です。以下に、胃がんでよく使用される主要な抗原を説明します。
1. HER2（ヒト上皮成長因子受容体2）
概要:
- HER2は、細胞増殖を促進する受容体タンパク質であり、胃がんの一部で過剰発現しています。
用途:
- HER2陽性の胃がんは、HER2阻害薬（例：トラスツズマブ）の標的となります。
- HER2の発現は、胃がん患者の予後や治療効果の評価に重要です。
2. CEA（癌胎児性抗原）
概要:
- CEAは、いくつかの消化器がん（特に胃がん）で高発現する腫瘍マーカーです。
用途:
- CEAレベルの測定は、胃がんの診断および治療効果のモニタリングに利用されます。
- 血中CEAレベルの上昇は、がんの進行や再発を示唆する場合があります。
3. CA 19-9（癌抗原19-9）
概要:
- CA 19-9は、消化器がんの腫瘍マーカーであり、特に膵臓がんおよび胃がんで利用されます。
用途:
- CA 19-9の測定は、胃がんの診断、治療効果の評価、および再発のモニタリングに使用されます。
- 高いCA 19-9レベルは、がんの進行を示唆する場合があります。
4. AFP（アルファフェトプロテイン）
概要:
- AFPは、主に肝細胞がんのマーカーとして知られていますが、胃がんの一部でも高発現することがあります。
用途:
- AFPレベルの測定は、胃がんの診断および治療効果のモニタリングに使用されることがあります。
- AFP陽性胃がんは、特定の治療戦略を立てる際の参考となります。
まとめ
胃がんの診断と治療モニタリングには、HER2、CEA、CA 19-9、AFPなどの細胞表面抗原が重要な役割を果たしています。これらの抗原は、がんの特性を理解し、個別化医療を実現するための貴重な情報を提供します。
