CEA(癌胎児性抗原:Carcinoembryonic Antigen)は、がんマーカーの一種で、特に消化器系のがん(大腸がん、胃がん、膵がんなど)で高値になることが多いタンパク質です。また、肺がん、乳がんなどでも上昇することがあり、がんの進行度や再発のモニタリングに利用されます。CEAは通常、胎児期に作られるタンパク質で、健康な成人の血中にはほとんど存在しませんが、がんの進行に伴って値が上昇することがあります。
CEAが高値を示す場合
CEAは、がんに加えて、がん以外の疾患や生活習慣によっても高値を示す場合があります。具体的には以下のようなケースです。
- がん:大腸がん、胃がん、膵がん、肺がん、乳がん、甲状腺がんなど
- 非がん性疾患:肝硬変、肺炎、腎不全など
- 生活習慣:喫煙者では、健康な状態でもCEA値が高くなることがあります。
CEAの基準値
健康な成人の血中CEA基準値は通常、5 ng/mL以下とされることが多いですが、喫煙者は少し高めの値になる傾向があります。基準値を超えている場合はがんのリスクを示唆する可能性がありますが、単独でがんを診断するものではないため、追加の検査が必要です。
CEA検査の用途
- がんの発見:がんの初期診断にはCEAが利用されることもありますが、特に消化器系のがんのリスク評価に適しています。
- 治療効果の評価:がん治療中に定期的にCEAを測定し、治療効果をモニタリングします。治療によってCEAが低下すれば、効果が見られる可能性が高いです。
- 再発のモニタリング:治療後の再発監視として、定期的にCEAを測定することが推奨されます。もしCEAが再び上昇した場合、再発の可能性を示唆します。
CEA検査の注意点
- がんの確定診断には使用されない:CEA値だけではがんの確定診断はできません。他の診断(CT、MRI、内視鏡など)と併用して診断が行われます。
- 非がん性の要因での上昇もある:喫煙や肝臓疾患でも高値になることがあるため、慎重な判断が必要です。
まとめ
CEA検査は、がんの早期発見、治療効果の評価、再発のモニタリングにおいて重要なツールです。しかし、がん以外の要因で上昇することもあるため、総合的な検査と診断が必要です。