BCG膀胱内注入療法（BCG療法）は、非筋層浸潤性膀胱がん（主に表在性膀胱がん）の治療に使用される方法です。この治療は、通常、手術で腫瘍を取り除いた後に行われます。
BCG療法のメカニズム
BCGは、結核を引き起こす細菌（Mycobacterium tuberculosis）の一種であるMycobacterium bovisを弱毒化したものです。この治療では、弱毒化したBCGを膀胱内に直接注入します。BCGが膀胱内に入ると、体の免疫系を刺激し、免疫細胞が活性化されます。これにより、免疫細胞ががん細胞を認識し、攻撃する能力が向上します。
治療の流れ
- BCG溶液の準備：BCGは特殊な溶液として準備され、専門の医療機関で行われます。
- 膀胱内への注入：カテーテルを使って膀胱内にBCGを注入します。このプロセスは通常、局所麻酔下で行われます。
- 薬剤の保持：患者はBCGを膀胱内に数時間保持するよう指示されます。これにより、免疫系の細胞がBCGと十分に接触し、効果的に反応できるようになります。
- 定期的な治療：治療は週に1回、6週間から数ヶ月間続けられることが一般的です。その後、メンテナンス療法として、さらに数回の治療が行われることがあります。
効果と副作用
BCG療法は、再発防止およびがん進行の遅延に有効ですが、副作用も報告されています。一般的な副作用には、排尿時の痛み、血尿、膀胱の炎症、疲労感などがあります。また、稀に全身感染を引き起こすことがありますが、これは非常にまれです。
結果のモニタリング
治療後は定期的に尿検査、膀胱鏡検査、画像診断などを行い、がんの再発や治療の効果を監視します。
このようにBCG療法は、免疫系を利用して膀胱がんを治療する効果的な方法ですが、治療計画は個々の患者の状況に応じて医師が決定します。どのような質問や不安があれば、担当医に相談することが重要です。
