CYFRA21-1は、肺がん(特に非小細胞肺がん)の診断や治療効果の評価、再発のモニタリングに使用される腫瘍マーカーです。CYFRA21-1は細胞骨格タンパク質の一種で、がん細胞の崩壊に伴って血液中に放出されるため、肺がん患者で高値を示すことが多いです。
CYFRA21-1の主な特徴
- 対象がん:肺がん(特に非小細胞肺がんや扁平上皮がん)、食道がん、膀胱がんなど
- 基準値:一般的に3.5 ng/mL以下が基準とされます。これを超える場合、特に非小細胞肺がんのリスクがあると考えられます。
CYFRA21-1が高値を示す場合
CYFRA21-1は非小細胞肺がんや扁平上皮がんなどで高値を示すことが多いですが、非がん性疾患でも一部上昇することがあるため、注意が必要です。
CYFRA21-1検査の用途
- 肺がんの診断補助:非小細胞肺がんや扁平上皮がんが疑われる場合にCYFRA21-1値の上昇が参考になりますが、確定診断には他の検査が必要です。
- 治療効果の評価:肺がん治療中にCYFRA21-1を測定することで、治療の効果を評価します。治療によってCYFRA21-1が低下した場合、がんが抑制されていると考えられます。
- 再発のモニタリング:治療後にCYFRA21-1を定期的に測定し、再発の有無を監視します。再発時にCYFRA21-1が再び上昇することがあるため、さらなる検査が推奨されます。
CYFRA21-1検査の注意点
- がんの確定診断には使用できない:CYFRA21-1値が高くても、必ずしもがんであるとは限らず、肺炎や結核、腎不全などでも上昇する可能性があるため、他の検査と併用して評価が行われます。
- 特異性と感度の限界:すべての肺がん患者でCYFRA21-1が上昇するわけではないため、単独での診断には適していません。
まとめ
CYFRA21-1は非小細胞肺がん(特に扁平上皮がん)の治療効果の評価や再発モニタリングに役立つがんマーカーです。ただし、単独でのがん診断はできないため、画像検査や病理検査など他の診断方法と組み合わせて総合的に判断することが重要です。