東レAPOA2-iTQ

東レ株式会社は、膵がんの診断を補助する体外診断用医薬品「東レAPOA2-iTQ」を開発しています。この検査キットは、血漿中のアポリポ蛋白A2(APOA2)の2種類のアイソフォーム濃度を測定することで、膵がんの診断を補助するものです。

主な特徴:

  • 測定原理:酵素免疫測定法(ELISA)を用いて、APOA2-ATとAPOA2-TQの濃度を独立に測定し、その相乗平均値(APOA2-i Index)を求めます。これにより、膵がんの診断補助を行います。
  • 臨床的意義:APOA2アイソフォームは、腫瘍から直接産生されるものではなく、腫瘍によって生じた膵外分泌機能の変化と関係があると考えられています。これにより、既存の腫瘍マーカー(例えばCA19-9)とは異なる膵がん患者を検出する可能性があります。
  • 保険適用:2024年4月12日より、APOA2アイソフォーム検査は公的医療保険での臨床使用が可能となりました。これにより、患者さんは保険適用で検査を受けることができます。

この検査キットは、血液を用いるため、患者さんにとって負担が少なく、早期診断の一助となることが期待されます。ただし、診断の際は、他の関連する検査結果や臨床情報と合わせて、医師が総合的に判断する必要があります。

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