CT(コンピュータ断層撮影)でわかるがん

CT(コンピュータ断層撮影)検査は、さまざまな種類の癌を発見するために非常に有効な診断方法です。CTスキャンは体内の詳細な断層画像を提供し、腫瘍の位置、大きさ、形状、転移状況などを明確に把握するのに役立ちます。CT検査でわかる主な癌の種類には以下のようなものがあります:

  1. 肺癌
    肺の詳細な画像を確認できるため、肺癌の早期発見や進行度合いの評価に適しています。
  2. 肝臓癌
    肝臓の腫瘍や転移の有無を確認するために用いられます。また、肝硬変などの肝疾患との鑑別にも役立ちます。
  3. 膵臓癌
    膵臓は位置的に検査が難しい臓器ですが、CTスキャンで比較的鮮明に画像化でき、膵臓癌の発見に役立ちます。
  4. 腎臓癌
    腎臓内の腫瘍や異常を確認するために利用され、腎細胞癌などの診断に役立ちます。
  5. 大腸癌・直腸癌
    大腸や直腸における腫瘍の位置や大きさを評価するために使用されます。
  6. 膀胱癌
    膀胱内の異常や腫瘍を検出するのに役立ちます。
  7. 頭部の癌(脳腫瘍)
    脳腫瘍の位置や進行度合いの確認に使われます。MRIと併用されることも多いです。
  8. リンパ腫
    リンパ節の腫れや異常を確認し、ホジキンリンパ腫や非ホジキンリンパ腫の診断に用いられます。

CT検査の利点と限界

  • 利点
    CTは非常に高解像度の画像を提供し、腫瘍の状態を立体的に把握できるため、転移や病状の進行度も確認しやすいです。
  • 限界
    CT検査では非常に小さな腫瘍(初期段階の癌)は見逃される場合があります。また、被曝量が多いため、定期的に受ける検査としては負担が大きいです。

早期発見が重要な癌では、症状やリスクに応じて、CTスキャンに加えてMRI、PET、超音波など他の検査も組み合わせることで、より精度の高い診断が可能です。

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