子宮頸がんの検査

子宮頸がんの検査には、診断、病期(ステージング)、治療計画の立案に役立つさまざまな方法があります。以下に主要な検査方法を示します:

  1. 子宮頸部細胞診(パパニコロウ検査):
  • 説明: 子宮頸部の細胞を採取し、顕微鏡で検査する方法です。異常な細胞が検出されると、がんや前がん状態の可能性が示唆されます。
  • 手法: 子宮頸部から細胞を採取し、スライドガラスに塗布して顕微鏡で観察します。細胞の異常を評価し、異常が見つかれば追加の検査が行われることがあります。
  1. コルポスコピー(膣鏡検査):
  • 説明: 膣内にコルポスコープという特殊な顕微鏡を挿入し、子宮頸部や膣壁の拡大画像を観察します。異常が見つかった場合、さらに詳細な検査や生検を行うことがあります。
  • 特徴: 子宮頸部の異常な領域を拡大して確認し、診断の精度を高めます。
  1. 子宮頸部生検:
  • 説明: 子宮頸部から組織サンプルを採取し、顕微鏡で調べる検査です。がんの診断にはこの検査が非常に重要です。
  • 手法: コルポスコピーで異常な部位が確認された後、その部位から組織サンプルを採取します。サンプルは病理検査に回され、がんの有無や進行度が評価されます。
  1. リキッドベース細胞診(LBC):
  • 説明: 子宮頸部の細胞を採取し、液体中で処理してからスライドに塗布して検査する方法です。細胞が均等に広がり、診断の精度が向上します。
  • 特徴: 従来のパパニコロウ検査よりも高い感度を持ち、異常細胞の検出率が向上します。
  1. ヒトパピローマウイルス(HPV)検査:
  • 説明: 子宮頸部の細胞にHPV(ヒトパピローマウイルス)が感染しているかどうかを検査します。HPV感染が長期間続くと、子宮頸がんのリスクが高まるため、検査が重要です。
  • 手法: 子宮頸部の細胞サンプルを使ってHPVのDNAを検出します。HPVの型や感染の有無を確認します。
  1. 超音波検査(エコー):
  • 説明: 腹部や骨盤に超音波をあてて、子宮や周囲の組織の状態を観察します。腫瘍のサイズや広がりを確認するのに役立ちます。
  • 特徴: がんの広がりや転移の可能性を評価するのに用いられることがあります。
  1. CTスキャン(コンピュータ断層撮影):
  • 説明: X線を使用して子宮頸部や周囲の組織の断面画像を取得し、がんの広がりや転移の有無を評価します。
  • 特徴: がんの進行状況を確認するのに役立ちます。
  1. MRI(磁気共鳴画像):
  • 説明: 強い磁場とラジオ波を使用して子宮頸部や骨盤内の詳細な画像を取得します。腫瘍の広がりや局所的な評価に有用です。
  • 特徴: 軟部組織の詳細な画像を提供し、手術計画に役立ちます。
  1. PETスキャン(陽電子放射断層撮影):
  • 説明: 放射性トレーサーを使用してがんの代謝活動を評価する検査です。転移や再発の有無を確認するのに役立ちます。
  • 特徴: がんの広がりをより正確に評価するために用いられることがあります。

これらの検査を組み合わせて、子宮頸がんの診断や病期評価を行います。検査の選択は患者の状態や症状に応じて決定されるため、医師と相談し、最適な検査方法を選ぶことが重要です。

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