膵臓がんの治療

膵臓がんの治療は、がんの進行度、場所、患者の全体的な健康状態などによって決定されます。治療方法には以下のものがあります:

  1. 外科手術:
  • 膵頭十二指腸切除術(Whipple手術): 膵臓の頭部、十二指腸、胆管、胃の一部、場合によっては一部のリンパ節を切除する手術です。早期の膵臓がんに対して行われることが多いです。
  • 膵体尾部切除術: 膵臓の体部と尾部を切除する手術です。膵臓の尾部にがんがある場合に行われます。
  • 膵全摘術: 膵臓全体を切除する手術です。膵臓がんが広範囲に広がっている場合に行われることがあります。
  1. 化学療法(抗がん剤療法):
  • 説明: がん細胞を攻撃するための薬物治療です。膵臓がんが進行している場合や、手術前後の補助療法として使用されることがあります。
  • : ジェムシタビン、パクリタキセル、フルオロウラシル、カペシタビンなどが使用されます。
  1. 放射線療法:
  • 説明: 高エネルギーの放射線を使用してがん細胞を破壊します。特に手術が難しい場合や、局所的ながんの治療に使用されます。
  • 種類:
    • 外部放射線療法: 外部から放射線を照射する方法です。
    • 内視鏡的放射線療法: 内視鏡を使って食道や胆管に放射線を照射する方法です(少数のケースで使用されます)。
  1. 免疫療法:
  • 説明: 免疫系を活性化してがん細胞を攻撃する治療法です。膵臓がんに対する免疫療法は比較的新しい分野で、特定の患者に対して使用されることがあります。
  • : PD-1/PD-L1阻害剤(例:ペムブロリズマブ)などが検討されています。
  1. 標的療法:
  • 説明: がん細胞の特定の分子や経路を標的にして治療する方法です。膵臓がんの一部で特定の遺伝子変異や異常に基づいた治療が行われることがあります。
  • : パニツムマブ(EGFR阻害剤)やオラパリブ(PARP阻害剤)が使用されることがあります。
  1. 緩和ケア:
  • 説明: がん治療による症状の緩和や生活の質を向上させるためのサポートケアです。痛み管理、消化不良の改善、栄養管理などが含まれます。
  • 目的: 症状の緩和と生活の質の向上が目的で、進行がんの患者に対しても重要です。
  1. 食道内ステント:
  • 説明: 食道がんの治療や胃管からの栄養供給が困難な場合に、食道内にステント(管状の器具)を挿入することがあります。
  • 目的: 胆道や膵管が閉塞している場合の緩和策として用いられることがあります。

治療方法は、患者の具体的な状況に応じて決定されます。治療計画は専門医と相談して決定され、治療の進行に応じて調整されることがあります。治療の効果を評価し、適切なケアを受けることが、治療の成功に繋がることがあります。

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