ここでは、免疫系における重要な4種類の細胞について説明します。
- NK細胞(ナチュラルキラー細胞):
NK細胞は、体の自然免疫系に属し、特に細胞感染者や異常細胞、例えばがん細胞を攻撃する役割を持っています。これらの細胞は、特定の抗原提示を必要とせず、感染細胞やがん細胞が体内で異常を示す際に表面に現れるストレス関連分子を識別します。NK細胞は感染した細胞やがん細胞を直接殺す能力があり、体の最初の防衛線として機能します。 - αβ T細胞(アルファベータ T細胞):
αβ T細胞は適応免疫応答に関与し、特定の抗原に対する特異性を持っています。これらは主にCD4+ ヘルパーT細胞とCD8+ サイトトキシックT細胞の二つの主要なグループに分類されます。ヘルパーT細胞は免疫応答を調節し、他の免疫細胞を活性化することで病原体に対抗します。一方、サイトトキシックT細胞は感染細胞やがん細胞を直接攻撃して殺します。 - DC細胞(樹状細胞):
樹状細胞は免疫系の中でも特に重要な抗原提示細胞であり、体内で病原体やがん細胞の断片を捕捉し、それをT細胞に提示する役割を持っています。この過程でT細胞は特定の抗原を認識し、活性化されます。樹状細胞は免疫系における情報伝達者として機能し、適応免疫の開始に不可欠です。 - NKT細胞(ナチュラルキラーT細胞):
NKT細胞は自然免疫と適応免疫の特性を兼ね備えた特殊な細胞群で、主に腫瘍細胞や感染細胞に対する迅速な応答に関与します。これらはαβ T細胞受容体を持つが、NK細胞と同様に広範な抗原認識能を持ちます。NKT細胞は感染の早期段階で活性化され、迅速にサイトカインを放出して免疫応答を強化します。
これらの細胞はそれぞれ異なる役割を持ちながらも、互いに協力して体を病原体やがんから守るために働いています。それぞれの細胞の働きを理解することは、免疫療法やワクチン開発において極めて重要です。