CTC（循環腫瘍細胞）の検査は、採血後の迅速な処理が必要です。CTCは非常に希少であり、血液中の環境に敏感なため、採血から検査までの時間が遅れると、細胞の状態が悪化し、検出率が低下する可能性があります。以下に、採血後の推奨される処理時間とその理由について説明します。
採血から検査までの推奨処理時間について
一般的な推奨:
- 24時間以内: 採血後できるだけ速やかに処理することが推奨されています。最適な結果を得るためには、採血後24時間以内に検査を開始するのが理想的です 。生きている細胞を扱えるため、検査の幅広がります。
- 72時間以内: ただ、細胞を固定する方法を取るのであれば７２時間までの保存は可能です。細胞を数を数えるだけであれば７２時間でも大丈夫です
処理が遅れた場合の影響
- 細胞の劣化:
- 採血後に長時間放置すると、CTCの細胞膜や内部構造が劣化しやすくなります。これにより、検出感度が低下する可能性があります。
- 細胞の溶解:
- 血液中の酵素や他の細胞成分によって、CTCが溶解するリスクがあります。これも検出精度に影響を与える要因です。
- RNAやDNAの分解:
- CTC内のRNAやDNAは、適切な保存条件が維持されないと分解される可能性があります。これにより、遺伝子解析や他の分子生物学的検査の結果が影響を受けることがあります。
保存条件
温度管理:
- 採血後は、血液サンプルを適切な温度（通常は冷蔵温度、4°C程度）で保存することが推奨されます。これにより、細胞の劣化を最小限に抑えることができます 。
保存容器:
- 血液保存用の専用容器（例えば、CTC保存用チューブ）を使用することで、保存期間中の細胞状態を最適に保つことができます。これらの容器には、細胞保護剤や抗凝固剤が含まれており、CTCの劣化を防ぎます。
結論
がんサーチCTC検査は、採血後24時間以内に処理を開始することが推奨されます。この時間内に処理することで、CTCの検出感度や解析精度を維持することができます。適切な温度管理と保存容器の使用も、CTCの品質を保つために重要です。
