舌がんの治療は、がんの進行度、病期、患者の健康状態、治療の目的に応じて決定されます。以下に、主な治療方法を説明します：
1. 外科手術
- 説明: がんを物理的に切除する方法です。手術の範囲はがんの進行度や位置によって異なります。
- 局所切除: 舌の小さな部分や腫瘍のみを切除します。早期に発見された場合に行われます。
- 部分舌切除: 舌の一部を摘出します。腫瘍が比較的大きい場合や広がりがある場合に使用されます。
- 全舌切除: 舌全体を摘出します。この場合、口の機能を維持するためにリハビリテーションが必要です。発音や嚥下の機能は、手術後の回復に時間がかかることがあります。
2. 放射線療法
- 説明: 高エネルギーの放射線を使ってがん細胞を破壊します。放射線療法は単独で使用されることもあれば、手術後に残存がん細胞を除去するために使用されることもあります。
- 特徴: 放射線療法は舌や口腔内の痛み、乾燥、嚥下困難などの副作用を引き起こすことがありますが、治療後に症状が改善することが多いです。
3. 化学療法
- 説明: がん細胞を攻撃する薬物治療です。進行した舌がんや転移がある場合に使用されることが多いです。また、手術前にがんを縮小させるために（新補助療法）、または手術後の再発防止のために（補助療法）使用されることもあります。
- 特徴: 薬物による治療で、点滴や経口薬の形で投与されます。副作用には吐き気、脱毛、倦怠感などがあります。
4. 免疫療法
- 説明: 免疫系を活性化してがん細胞を攻撃する治療法です。舌がんの免疫療法は研究中であり、主に進行がんや再発がんに対する治療選択肢として検討されています。
- 特徴: 免疫チェックポイント阻害剤などが使用されることがあります。
5. 分子標的療法
- 説明: がん細胞の特定の分子や遺伝子変異をターゲットにする治療法です。舌がんの中でも特定のタイプに対して有効です。
- 特徴: 副作用が比較的少ないことがありますが、適応する患者が限られます。
6. リハビリテーション
- 説明: 手術後の舌や口腔の機能を回復するためのリハビリテーションです。発音の練習や嚥下訓練が含まれます。
- 特徴: 言語療法士や作業療法士と連携して、口腔機能の回復をサポートします。
7. 緩和ケア
- 説明: 痛みや不快な症状を軽減し、生活の質を向上させるためのサポートケアです。治療が難しい場合やがんの進行による症状の緩和に役立ちます。
- 特徴: 痛み管理、栄養サポート、精神的なサポートなどが含まれます。
治療の選択
治療方針は、がんのタイプ、進行度、患者の全体的な健康状態、治療の目的（根治を目指すのか、症状の緩和を目指すのか）によって決定されます。治療の選択肢については、専門の医師と詳細に相談し、個々の状況に応じた最適な治療計画を立てることが重要です。
