膵臓がんの検査

膵臓がんの診断には、複数の検査方法が使用されます。これらの検査は、がんの存在を確認し、進行度や転移の有無を評価するのに役立ちます。以下に代表的な検査方法を説明します:

  1. CTスキャン(コンピュータ断層撮影):
  • 説明: X線を使って体内の断面画像を取得します。膵臓がんのサイズ、位置、周囲の組織への浸潤、転移の有無を評価するのに非常に有用です。
  • 特徴: 高解像度の画像を提供し、腫瘍の大きさや位置を正確に把握できます。
  1. MRI(磁気共鳴画像):
  • 説明: 強い磁場とラジオ波を使って体内の詳細な画像を取得します。膵臓や周囲の組織、転移の有無を評価するのに使用されます。
  • 特徴: 軟部組織の詳細な画像化が可能で、膵臓がんの広がりや周囲組織への浸潤を評価するのに役立ちます。
  1. 超音波検査(腹部超音波):
  • 説明: 超音波を使って膵臓の状態を評価します。腫瘍の大きさや位置、膵臓内の異常を検出するのに役立ちます。
  • 特徴: 非侵襲的で簡便な検査ですが、深部の腫瘍の評価には限界があります。
  1. 内視鏡的超音波検査(EUS):
  • 説明: 内視鏡に超音波センサーを付けて膵臓の近くまで挿入し、詳細な画像を取得します。腫瘍の細かい評価や生検が可能です。
  • 特徴: 高い解像度で膵臓の詳細な画像が得られ、腫瘍の診断や生検のためのサンプル採取が可能です。
  1. 内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP):
  • 説明: 内視鏡を使って胆管や膵管に造影剤を注入し、X線で画像化します。胆管の閉塞や膵管の異常を評価できます。
  • 特徴: 胆管や膵管の異常がある場合に、治療的な処置(例:ステント挿入)も可能です。
  1. PETスキャン(陽電子放射断層撮影):
  • 説明: 放射性トレーサーを使用してがん細胞の代謝活動を画像化します。転移の有無やがんの全身的な評価に役立ちます。
  • 特徴: がんの転移を評価するのに有用で、全身的な評価が可能です。
  1. 血液検査:
  • 説明: 膵臓がんに特異的なマーカーはありませんが、腫瘍マーカー(例:CA19-9)の測定や肝機能検査などが行われます。CA19-9は膵臓がんの診断や治療の経過をモニタリングするための指標となることがあります。
  • 特徴: 腫瘍マーカーの値は、がんの存在や治療の反応を示す補助的な情報となります。
  1. 生検:
  • 説明: 膵臓の組織サンプルを採取し、がんの有無を確認する検査です。EUSを使用して生検を行うことが多いです。
  • 特徴: 確定診断に必要な検査で、がんのタイプや分化度を評価するのに役立ちます。

これらの検査は、患者の症状や診断の必要に応じて選択され、組み合わせて使用されることがあります。診断結果に基づいて、膵臓がんのステージングや治療計画が決定されます。

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